COMBAT |
最初はヘルスが自動(無限)回復方式にされた点について。昔からアクションFPSではアイテム回復方式が広く採用されており、現在でも制作されている有名なシリーズであるSerious Sam, Painkillerもその流れを汲んでいる。この両者はどちらが優秀というものではなく、ゲームのタイプによって適不適が存在するが、昔ながらの高速アクションFPSにとってはアイテム回復方式の方が向いている。しかしそのジャンルに当たるはずだったDNFでは自動回復方式を採用しており、それによって問題が発生しているのが現実で、ここではなぜ自動回復方式にした事でDNFが駄目になったのかについて詳しく追ってみたい。 1.敵の攻撃を避ける面白さが無い アイテム回復方式ではその回復アイテムが限られている為に、目視で避ける事が可能な攻撃をしてくる敵が多く使われる。即着弾する銃器を使ってくる敵だと、ヘルスが少ない時に詰む可能性が生じるからである。よってそういった敵を出す際には、命中率を下げる, 低ダメージにする, 攻撃を始める前に間がありプレイヤー側に対応(先制攻撃等)する時間がある、といった調整が行われる。 一方で自動回復方式では逆向きの設定が使われる。何回でもヘルスが回復可能な代わりに、ある程度のインターバルでプレイヤーを死にそうな状態にまで繰り返し追い込む必要が出て来る。そうならずに無限に回復が可能ならばヌルゲーと化してしまうからだ。よって目視で避けられる攻撃は不向きとなって、即着弾して避ける事が出来ない銃器類が適しており、近年の実銃を使用するシューターにてこの方式が好まれる理由にもなっている。 よって敵の攻撃を目視で避けながらも、自分からの攻撃を敵に命中させるという「移動しながら撃つ」のスタイルは自動回復方式では作り出しにくく、それ故に旧来のアクションFPSスタイルを目指すゲームにはこの方式は不向きとなる。なおこのDNFでも即着弾タイプのピストル, リッパー, ショットガン系が敵の主力だが、ロケット等の大ダメージ系は目視でも避けられる他、一部のエイリアン系武器での攻撃は避ける事も可能という風に設定されている。 2.戦闘形態のバリエーションが少ない 大量の弾やダメージ増加アイテムを使って一気に倒す戦法を採る, アーマーや被ダメージ低下アイテムで多数の敵に正面から向かい合う, 特殊能力発動でパワーアップする, といった状況を変えられるアイテム(能力)が自動回復方式採用ゲームには普通は用意されていない。故に戦っている時の感覚に大きな変化が生まれない。なお“普通は”とは、通常はリアリティを重視するミリタリー系で使われているからで、実際にはこのDNFではSF設定なのでその類のアイテム自体は用意されている。だがビールは視界が大きくぼやけるし、ステロイドは殴る事しか出来ないため共に爽快感に欠けるという風で上手く活かされていない。 3.敵を多数同時に出現させられない DNFで最も一般的な敵はPig Cop系であり、それが平均すると4体同時に出現するとしよう。この場合だとその4体でデュークを死にそうな状態まで追い込めないならヌルゲーになるので、それだけの攻撃力を持たせる必要がある(EGOの値による影響はある)。しかしこの様に敵の攻撃力を設定してしまうと、同タイプを2倍3倍(8体12体)と増やした際にデューク側が耐えられなくなる。目視で敵の攻撃を避けられない設定では、同時に多数出現させてしまうと被ダメージ量が大き過ぎる状態(死亡)になるからだ。アイテム回復方式なら敵の出現数や強さは置いてある弾薬数や回復アイテム数等によって調整可能だが、自動回復方式ではこの様に敵の数を増やし難いという事情がある。 そこでDNFでは敵を多数出現させるエリアでは、全滅したら次のウェーブとしてまとまった数を順番に出すか(X体*3回等)、一体死んだら次の物がやって来るという数合わせ方式(敵の数を一定数に保つ)が使われている。同時出現数は敵の強さによってほぼ決められており、例えばOctobrainやAssault Trooper Captainの様に強いタイプならば同時出現が2体とか。ついでに書いておくとDNFではこの数調整が非常に機械的であり、一体倒すとまた一体と律儀に出てくるので、もう少しランダムに見せる形で上手く調整出来ないものかと白けるケースもあった。 この様に自動回復方式では多数の敵を同時に出現させるのは困難であり、ほとんどのケースでは同時出現数が少ない状態での戦闘になるので、大規模戦闘のスケール感が欠如したゲームに落ち着いてしまっている。もちろん前作DN3Dでも性能の限界から多数の敵を同時出現はさせられていないが、既に大量発生はずっと前にSSやPKなどにて実現されており、当然DNFにもそのレベルの大量の敵相手にデュークが豪快に戦う様を期待していたのだが、この方式を採用した為にそれは体験出来ない。 戦争物だと味方が居る分だけ敵の数を増やして大規模戦闘の雰囲気を出せるが、DNFではそれは一部で且つ少人数なのであまり効果無し。ビールやステロイドを解り易い場所に置いておく事で敵を基準値以上を出すというエリアも有るが、それがあまり上手い手段には感じられないのは上に書いた通り。 4.敵の数が減った時に易しくなる 自動回復方式はカバーシステムと組み合わせて使われる事が多いが、DNFはそのカバーシステムを使っていない。そしてこれが問題を引き起こしている。カバーシステムでは危なくなったら即隠れられるため、敵の数が少ない時でもそれなりの攻撃力を備えさせられる。よって敵が1〜2人程度でも、カバーに隠れずに撃ち合うと危ないというバランスにも出来る。後は敵が増えるほどより危なくなる(短時間しか顔を出せない)という設定にして、同時出現数を平均して4人とかに調整すれば良い。 対してDNFでは隠れられるオブジェクト類がカバー採用ゲームより少な目で、戦闘時に隠れずに戦う事も多々あるという設定から、敵の攻撃の命中率やダメージは比較的緩くしておかないとならない。しかしその一方でデュークのヘルスを頻繁に削らないと易しくなってしまうというジレンマがある。1〜2体でもデュークを短時間で瀕死に追い込めるバランスだと、近くにカバーが無い際に4体同時攻撃を受けると詰むといった問題が発生。逆に4体の時を瀕死に追い込む基準にすると、1〜2体の時に緩くなり過ぎる。 ではどうしているかというと最高難易度を無理ゲーにする訳には行かないのでそこをまず調整。そこから難易度を下げる毎に被ダメージ量を下げていく形になるが、これだとNormal辺りでは敵の数が減った時の脅威度が大きく低下せざるを得ない。実際にNormalでは基本の敵であるPig Copの銃所持タイプだと、2体位ならば近くに行って正面から撃ち合っても死の危険がほぼ無いほどの緩さで、結果的に簡単に感じられるセクションが増えている。 5.近接攻撃タイプの欠如 遠距離攻撃を持たずにこちら迫って来て近接攻撃をしてくるタイプは高速アクションFPSでは欠かせない敵だが、このタイプは自動回復方式では出し難くなっている。第一に弱ダメージしか与えられないのでは、無限回復可能なプレイヤーの脅威になり得ない(止まっていないと回復しないといった制限でもない限り)。第二にプレイヤーがその攻撃をかわせてしまう(or接近前に簡単に倒せてしまう)のではやはり脅威とならない。よって一撃で即死させられる(or大ダメージ)レベルの攻撃力を持ち、同時にプレイヤーにとって避け辛いレベルのスピードを持つという風に設定しないとならず、種類が限られてしまうというのがその理由。実際にDNFに登場する近接攻撃系はPig Copの中の一形態だけとなっており(水中や小さくなった特殊状態を除けば)、近接戦でのバラエティさに欠けている。そしてこの敵は遠くからの高速ジャンプ&大ダメージ攻撃を繰り出してくる対処がし辛い相手として、(特に高難易度では)ストレスの元にもなっているのだが、そういう風にしか設定出来ないという困った状況である。 6.敵集団のパターン化 自動回復方式は敵が人間のFPSにて数多く採用されており、このタイプでは敵の能力種別は主に所持武器等で決定され、そこに特にバラエティさは要求されない。しかしこのゲームの様に容姿や攻撃能力が異なるモンスターを敵に用意するとその欠陥が露わとなる。先に書いたようにアイテム回復方式では、どんな敵をどういう風にミックスして出すのかは調整次第である。しかしDNFでの敵は避けられない攻撃が主体&攻撃パターンが異なる上に、隠れられるカバーが在るとは限らない設定なので、異種の敵をミックスして出す際のバランス調整が難しい。具体例としては空を飛ぶAssault TrooperにPig Copの近接タイプを合わせて出した場合、ATからのダメージが回復していない状態で、死角からPig Copの“跳んだ瞬間を見ていなければ対応出来ない強打撃攻撃”を受けて死んでしまっては面白くない。或いは中程度以上の強さの敵をミックスさせて出すと、一発喰らうと大ダメージだが即逃げればOKの通常設定が、同時に異なる敵から避け難い攻撃を喰らって即死という風にもなりかねない。 そこでDNFでは同種の敵をセットで出すというパターンが多くなっており、確かに難易度のバランスは採れているが変化が無く、敵の種類別に同じ様な戦闘の繰り返しに陥りがちである。この辺りはSSにおける多彩な敵のミックスパターンに大きく劣る点。 これだけの欠点が在るからこそSSやPKは自動回復方式を採用しない訳だが、にも関わらずこの方式を採用している為に、必然的に詰まらない部分が沢山生まれてしまっている。もちろんこの方式故の利点も存在はしているが、失った利点に比べると微々たる物だと言わざるを得ない。 |
COMBAT(続) |
パッチで修正されるまでは武器を二つだけしか携帯出来ないという仕様で、おそらくこれが最も批判の対象になったシステムと言えるだろう。現在では4個までに増えているので今更そこに言及するのはどうかという思いもあるが、一応この仕様について書いてみる。 やはりこれもそのFPSのタイプによるが、旧来のアクションFPSにおいては武器所持制限は物凄くマイナスになるというのは避けられない。Serious SamやPainkilerにて武器を2個しか持ち運べなくなったらどれだけ詰まらなくなるか想像してみて欲しい。それをやってしまったのがこのゲームである。2個所持に制限した場合の欠点は以下の様な物。なおお互いが実銃系での戦闘になる近年の多数のFPSではまた違う話になる。 ・強い武器用の弾薬を溜めておいて、いざという時に優位にするという作戦が不可 ・敵のタイプや状況に応じた武器の使い分けの余地が少ない ・残弾数を考えながら、今どの武器を使って戦うかを考えるマネージメントの楽しさが無い ・火力(弾薬数)が少なくなるので敵を同時に多く出し難い ・安全を考えると万能型の武器を所持するパターンが多くなり戦闘が画一化する ・この敵はこの武器に弱いといった差別化は、プレイヤーが何を所持しているのか判らないのでやり難い しかもその理由が、二つしか持てないから戦術をよく考えないとならないとか、リプレイ性が高くなるとかではなく、「コントローラーでは多数の武器を切り替える上手い方法が見付からなかったから」というあまりに消極的な件からである。操作コマンドが少ないFPSでは十字キーに選択を割り振る事で4個まで所持可能(orショートカットとして登録可能)になったりしているが、このゲームでは4種のアイテムを割り振っている為にそれは難しい。しかしそこを何とかしているゲームもある訳だし、何等かの解決方法を編み出して貰いたかった。 それとこの制限についてプロデューサーだったBroussardは「頻繁に武器を切り替えられる自由度があれば大きな問題にはならない」と言っているが、私がプレイした感想としては基本武器以外は限定された場所でしか手に入らないか、脇道やシークレット的な場所を探して回らないとならず、そういう風にはなっていない。確かにそれが必要な場所には置いてあるが、これでは武器選択の自由度が無く面白味に欠ける。 私自身はExpand Inventoryパッチ後のプレイだったので最初から4個所持でプレイした。これからプレイされる方で武器制限を気に入らない方はこれをオンにしてプレイすべきだと思うが、それで万事解決しているのかとなるとそうではない。2個制限による不満点は緩和されておりそれは良いのだが、逆に2個制限の時には無かった別の問題が生じている。 それはゲームバランスの件で、このゲームでは任意に2個と4個所持を切り替えられる事から、4個所持になった際に即ゲームバランスを変更するという風にはなっていないはずである。そうなると4個所持では当然火力が倍加するので、プレイヤー側が本来のバランスよりも強くなってしまう。つまり4個所持にするなら敵の出現数から強さまでそれに合わせて調整しないとならないのだが、そこまでの修正は考慮されていない。全ての武器の弾薬を無限に補給可能なボックスが置いてある場所では特に顕著だし、弾薬数が少な目の設定のこのゲームにおいて弾切れが起こり難くなるのも大きな利点。また戦場を構成する際に「高確率でここではRPGやRailgunは持っていない」という視点からデザインしたのに、第三第四の武器として持ち運んでいた為に著しくプレイヤー側が有利となってしまうケースも有り得る。2個所持で通してプレイはしていないので推測にはなるが、4個所持でのNormalのプレイは易しいという印象が強く、ある程度の難易度低下が発生しているのではないかと思える。 じゃあそれに合わせて難易度を上げてプレイすれば良いのかとなるとそうも行かない。ボス戦やタレットを使って戦うなどの限定された武器を使うしかないセクションでは4個所持の意味は無くなる。Pig Copとの近接戦などほぼショットガン限定の様なシーンも一緒。これ等は単に難しくなるだけなので、Normal程度でプレイしたいという意向にそぐわない可能性がある。何時でも難易度を変えられるなら良かったがそれは出来ないので、そのセクションだけ難易度を変えられる様な場所(チャプター丸ごとそれとか)でないと困る事になる。それでも4個所持でプレイする方が良いと私は考えるが、この欠点は頭に入れておいて欲しい。 以上の自動回復方式と武器所持数制限への批判は、このDNFに旧来のアクションFPSのゲーム性を期待していた者の立場から書かせてもらった。しかし全くデュークを知らないor関心が無く、近年のアクションFPSと同じタイプの単なる一つのゲームとして捉える立場からの視点ではどうなるだろうか。 第一にとても普通である。全てにおいて新しい要素を含んだ画期的なものとなるはずだったこのゲームは、その反対に近年のFPSと似たシステムばかりを採用した類似品にしか見えない。ゲームプレイの項でも書いたがロケーションは幾つかの例外を除けば身近な現実世界が使われており新鮮味が足りない。DN3Dのリリース時はBuild Engineによる新たなレベルデザインの可能性(よりリアルな疑似3D化等)を見せて評価されたが、そういった画期的なデザインは今作では見当たらない。 敵がモンスターなのは近年では珍しいが、尚且つ自動回復方式を採用となると更に希少になる(Wolfensteinとか)。そこは新鮮と取るべきなのかも知れないが、敵の同時出現数が少ないので地味, 同一タイプの敵が固まって登場するのでワンパターン化, 武器所持数に制限があるので爽快感を損なっている, 銃器で攻撃してくるタイプが多いのでモンスターの特性が上手く活かされていない, といった感じで、特に戦闘にユニークで面白い要素があるのかとなるとそうは思えない。 敵の種類が少ないというのも大きな問題。バリエーションは存在するが基本となるタイプは数少ない。また銃器持ちが多くて変わった攻撃をしてくるタイプもあまりいない。テレポートするAssault Captainsや、周囲のオブジェクトを投げ付けてくる上にRPGやパイプボムを投げ返してくるOctobrain程度。AIはこの手のゲームではあまり重要ではないがそれも普通。ボス戦をかなりの数用意しているのは特徴になるが、弾薬ボックスから補給しながらRPGを撃ち続けるという形式が多く変化に乏しい。またダメージでダウンさせてから近寄ってキー連打を成功させないと倒せないというパターンが繰り返されるのも飽きてくる。 武器の発射感覚は全般に良いと思うのだが、その反面敵への攻撃の命中がハッキリしないという欠点がある。当たった際のリアクションが無かったり、血飛沫エフェクトは一部の敵のみでしかも非常に薄いので離れたりすると良く見えない。しかも近距離戦を挑んでくる敵があまり居ないので、中から遠距離に居る敵との戦闘が多くなり、見えないケースが多くなるというのもある。そしてこれは別項で述べるがグラフィックス面にも大きな問題あり。後はラグドールの出来にもおかしな所がある。近距離でショットガンとかは綺麗に吹き飛ぶし、他の銃でも当たった部位による変化が生じるのだが、離れた場所の敵は死ぬと「ピョーン」と飛び上がって死ぬ感じでとても不自然。弾の運動量や当たった場所、また死亡前の体の動きに関わらず同じ様に「ピョーン」と宙に浮いて落ちるという印象で、戦闘中でもそれが気になってしまうという感じだった。 弾薬は少ない方で、4個所持でプレイしたのでエイリアンハイブ辺りしか困った記憶が無いが、2個だと確かに弾切れの危険に曝される可能性がありそうである。ボス戦以外では無限補給の弾薬ボックスは少ないし、変更用の武器やアイテム入りのEDFボックスは脇道によく置かれており、殴ると武器やアイテムを落とす吊されたEDF兵士の死体もやはり脇道に有ったりする。ロッカーにもアイテムが入っている事があるが、どうもこれはランダムな要素もある模様。よって直線的に進むプレイヤーにとってはより弾薬類が入手出来なくなる。おそらく敵が武器を落とすのでそれを拾って使えという設定なのだと想像するが、アクション重視のゲームならばもっと沢山弾を持たせて撃ちまくれる調整にした方が良かっただろう(少なくともNormalでは)。 全体のボリュームは比較的長目だが、デュークのキャラクター推しのセクション, プラットフォームジャンプを含めた進行ルート探し, パズル等のセクションが結構長いので、戦闘パートの割合が少ないという印象は否めない。結局他の同タイプのFPSと比較しても抜きん出ている箇所は見当たらず、詰まらなくはないが凡庸な作品という評価になってしまう。 書き残した要素を最後に羅列しておく。 任意の場所で使えるアイテムではダメージ軽減のビールが一番有用だが、視界がぼやけるので今一つ爽快感不足。Doom 3の拡張パックを思わせるステロイドの効果も、殴るだけにするのではなく武器ダメージ全般の増加という方がシューティングゲームなのだから面白くなった筈である。これ等の特殊アイテムは1個だけ携帯なので使い所が難しいが、必要とするような難しめの場所には大抵置いてあるので、Normal程度ならばそれ程温存しなくても大丈夫である。 タレットを使うシーンも結構あって、比較的難しいセクションが多い。問題はオーバーヒートする点で、特に敵が攻撃もして来るシーンではそれを計算に入れて使わないとならない。 チェックポイントの配置はまともで、特別に長いというエリアは無かったと思う。即死の危険がある箇所ではちゃんとセーブポイントが近くに設定される。ただしコンソール版でプレイされる方は、そのチェックポイントを読み込むまでが長いという問題を持つので注意。 難易度としてはNormalではやや易しいという印象。武器2個所持モードでも大幅には難しさは増さないだろうと感じられる。EGOの方も必死になって上げなくてもOKで、Insaneに挑戦するのでなければ必須分+簡単な物だけで足りるはず。多数ある中でラスボス戦はむしろ簡単な部類で、一番苦労したのはエイリアンクイーンとの対戦か。後は水中ボス戦では呼吸が面倒で厄介。 |
GRAPHICS |
元はUnreal Engine 2辺りのバージョンを大幅に改造して使用している。年代的には該当するがUE3では無い。グラフィックス面でも最高レベルでなければならないという目標だった作品は、完成の優先への切り替えと途中に開発停止のブランクもあって、発売同年比較では特に優れた物ではなくなってしまっている。誉められる点としては、デューク関連の場所ではオブジェクト類の数と作り込みが相当に細かいという所。あとPC版ではロード時間は早いし、描画負荷も特には高くない。 悪い方ではアニメーションがちょっと粗い感じで、時には一瞬静止してしまったりと問題も見受けられる。人間の造形もトップレベルの物と比較してしまうと肌や髪の質感に作り物感が強い。またよく喋るのは良いのだが、それぞれの感情に応じたフェイシャル・アニメーションをしないので反って不気味さが増している。 一つ大きな問題を抱えており、それはDepth of Field(被写界深度)の効果。人間の視線はある一点に集中するとそれ以外の周辺部がぼやけるというのをエフェクトにした物で、重い処理として知られるが採用ゲームも増えて来ているので見た事がある人も多いだろう。例えばアイアンサイトにした際に中心部だけがハッキリと見えて、それ以外の部分はぼやけて見えるといった風に使われる。 そしてDNFでもこの効果が使われているのだが、ぼやける度合いと範囲が極端で発売時から批判を受ける事となってしまった。ズームした際にその効果が表れるのだが、アイアンサイトの様に画面下側の広い部分を銃身が覆うのではなく、広範囲が見えている状態で中心以外がぼやけるので不自然に見えてしまう。この効果を切る事自体は可能なのだが、ポストプロセッシング全体をオンオフする選択肢しかなく、DoFを切る為にはカラーコレクション, ブルーム, トーンマッピング, アンビエントオクルージョンといった処理を一律オフにしないとならない。比較画像。 そこで発売後にFOV修正と合わせてDoFを切る為のツールが作成されており、それが結構有名なワイドスクリーン用のツールであるFlawless Widescreen(の前身)。これを使うとDoFの効果だけを独立してオフにする事が出来る。しかしこれはメモリーハックを使った改造となるので、ゲームのバージョンに依存している。ツールでは発売時バージョンとパッチ後バージョンを切り替えて使用するが、既にそれ以降にFOV変更を可能にしたパッチなどがリリースされているので、現在のバージョンにはこのツールは使う事が出来ない。ツールの作者は一時中断後に新しく同名ツールをリリースしているが、現行の最新バージョン(1.0.10)の対応ゲームにはDNFは含まれていない。 またFOVのパッチの際にVACに対応しており、メモリーハックやコンソールを開いたりする事が出来なくなってしまっている。正確には「やり辛くなった」だが、その危険を冒して対応ツールを作成or使用する人が今後出て来るのかとなると疑問。(シングルプレイは対象外というのが通説だが、うっかりその状態でマルチプレイにアクセスしてしまったりの事故も起こり得る)。ハッキリ見えるのを優先するなら効果を全オフにした方がむしろ良いのではという意見もあり、またズーム無しで命中率が落ちるゲームではないのでなるべく使わなければ良いという声もある。どれを採るかはプレイヤー次第。なおこのレビューのSSはオンで撮っている。 その他ではDuke Nukem Forever SweetFXというツールをリリースしている人がいて、こちらのサイトからは一応DNF対応版だったFW(1.0.12)もダウンロード可能である。 設定可能項目はテクスチャーやシャドーのディテールなど6項目ほど。アンチエイリアスはFSAAとFXAAを切り替え可能。 |
SOUND |
3Dサウンド対応。Miles Sound Systemを使っている模様。4SPにてあまり音の定位感や移動感は良い方ではない。 武器サウンドはクリアで良い方だと思う。BGMには旧作からのアレンジも多く、それ等はやはり良い出来である。 |
MULTIPLAYER |
8人までが参加可能な昔ながらの対戦マルチプレイ。モードはDM, TDM, CTF,
King of the Hillの4種類。CTFはCapture the Babeと呼ばれ、旗では無く双子の女性キャラクターが両陣営に分かれて、それを奪って担いで持って行く形式。有料DLCでは新モードが加えられている。 ゲームプレイは昔風だが、今風の要素として経験値(XP)によるレベルアップが導入されている。ただしレベルアップによる武器やアイテム類のアンロック要素, または能力アップ等は無く、対戦時にレベルによる能力差は生じない。何が変わるのかというとまずはデュークの外観で、レベルアップすると服類が新たに加わっていく。次にMy Digという展覧場の様な場所が用意されていて、この中で箱に入っている各種品物がレベルアップに応じてアンロックされていく。中身はトロフィー, 彫像, キャンペーンで登場したゲーム類, といった物で、新しいベイブも何人かアンロックされる。 (2013/06)既に2年経過しているが僅かながら人は残っている模様。ただし今でもプレイしているから熱心なファンという事なのだろうが最高レベル(L42)のプレイヤーが多く、レベルによる能力差が無いとは言え慣れの問題で苦戦は必至。低レベル同士の対戦に比較するとXPを稼ぐのは数段困難となるだろう。それとちょっとやっただけだがレベル上げは結構時間が掛かりそうな印象。 |