F.E.A.R.: PERSEUS MANDATE
09/04/27
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製作・販売: TimeGate Studios / Sierra Entertainment
発売: 2007/11
日本代理店: 無し
※ (警告) 本編のネタバレを一部含みます ※
概 要 | 拡張パック第二弾。制作は再びTimeGate Studiosが担当。販売はVivendi/Sierraより。Monolith
Productionsは今回も制作に関わっていない。ゲームの略称はPM以外に“XP2”も使われている。 単体で動作するので、インストールに本編を必要としない。またこのゲームだけで一つの独立したストーリーになっているので、本編をプレイ済みでなくても楽しめるとされている。 シングルプレイ以外にマルチプレイにも新しいコンテンツを収録している。 現時点でもまだ流通しており、廉価版は発売されていない。それ以外だとシリーズ全入りのPlatinumを買うかになる。この辺は本編の解説を参照。発売時の価格$29.99。 有志によるF.E.A.R.シリーズ 日本語化Modに対応。 Xbox 360にはF.E.A.R. Filesが発売されており、この中に当作品は収録されている。 |
STORY | 本編とは異なる別のF.E.A.R.チームの活動を扱っており、操作する主人公も異なる。その主人公はSergeant(軍曹)という名で呼ばれ、Captain David Raynes, Lt.
Steve Chenの2人とチームを組んでいる。 設定としてはArmacham Technology Corporation(ATC)の別の施設の捜査に向かったこの2nd Teamが、全く別の正体不明の部隊がATCを攻撃して何かを探しているのを発見するという状況。時間軸としては本編の中間辺りからスタートして、施設の大爆発やクローン兵士の停止といったイベントを経て更に話は進むという形。 Perseus Mandate(ペルセウス計画)とは、サイキックコマンダー(Paxton Fettel)が操るクローン兵士による軍隊を形成するという本編にも出て来た計画。この計画に関連する資料をF.E.A.R.のチームは探しているが、同様にそれを求める謎の組織の真の目的を突き止めないとならない。 本編をプレイしていなくてもOKという事だが、一応このゲームだけで話はまとまっているとは言える。ただし未プレイだと分かり難いのではないかと思える点も含まれるので、ストーリーを重視するならやはり本編からプレイした方が良い。 |
PATCH & DEMO |
パッチは無し。本編とは別のフォルダに独立してインストールされるので、本編のバージョンも関係ない。 シングルプレイ用のデモあり。 |
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動作環境 & トラブル |
DirectX 9.0c以上要 基本的に本編と同じだが、Vistaに関する項目が加わっている。当然Vistaの方が要求は高くなる。ワイドスクリーンにもデフォルトで対応するようになった。 トラブル関連は本編と同じなのでそちらを参照。 今回遭遇した問題としては、一度ゲームを終わらせてもLauncher.exeが終了せず、再度起動してもそれが残ったままだと反応しないという現象が何回も発生した。プロセスの一覧から終了させてやれば治る。 |
新 要 素 |
制作会社が同じなので、前作のExtraction Pointで加わった新武器や新要素はそのままこちらにも含まれている。それ以外の新要素について簡単に紹介する。 追加された新武器は3種類。 *Advanced Rifle 赤外線ナイトスコープ付きのアサルトライフル。これまでのG2A2 Assault rifleに比較してダメージおよびアーマーへの貫通性能が高くなっている。連射速度はやや遅いがリコイルが少ないのは利点。新しい敵のNightcrawlersのデフォルト武器なので、彼等が出て来るシーンでは容易に弾も入手可能。基本的にPMではこの武器がデフォルトになる人が多いだろう。 *Grenade Launcher 楕円形のグレネードを発射する。敵に直撃させられれば爆発する点は一緒。ダメージ及びスプラッシュダメージの範囲はノーマルのグレネードよりも上。ただしアーマーへの貫通性能は高くない。8発までマガジンに入るが、弾自体はゲームを通してもかなりレアである。 *Lightning Arc Gun 電撃を発射する武器で、ある程度の誤差ならば自動的に敵に向かってくれるので照準がズレていても当たる。また当たった後にその近くの敵にリンクしてダメージも与えられる。単発でのダメージはGLに劣るが、その代わりに非常に高い貫通性能を誇る。大きな欠点は弾がほとんど手に入らないという事。 敵はATC側にRiot Guardsという新タイプ。それと新たな軍勢としてNightcrawlersと呼ばれる兵士が数種類。精霊系ではShadeと呼ばれる、突然地面から現れて穴へとプレイヤーを引き摺り込む敵が追加された。ロボット系には追加は無い。 本編をクリアするとボーナスミッションがアンロックされる。3つのマップが収録されており、単に進みながら敵を倒してゴールを目指すというスタイルのゲームモード。一応クリア時間を短縮する事が目標。難易度選択は可能だが、途中でのセーブは不可にされており、一度死んだら最初からやり直しになる。 マルチプレイには3個の新マップを収録。キャラクターモデルを追加。そして今回の物とXPでの新武器5種を既存のマルチプレイに追加している。 変更があった点としては、フラッシュライトの持続時間が長くなっている。それとミッションのステータス表示画面が無くなった。 |
GAMEPLAY |
Intervalは7個で、それが更に分割されていてチャプター数は16。XPでのプレイ時間が短いという抗議を受けて、今回はボリュームが長くなっている。個人的には難易度Hardで7時間位だったが、開発元は6時間程度は遊べるとコメントしている。 このボリュームの件もそうだが、前の拡張パックへの不満に応えて幾つかの修正が成されている。中でも前作の問題点であった難易度が、今回は上昇しているのが大きい。原因としては新しい勢力であるNightcrawlerはこれまでの兵士に比較してHPがやや高く設定されており、これまでであれば即死級の武器の被弾でも死ななかったりとタフになった。そして彼等の基本武器となるAdvanced Rifleは貫通性能が高い為、プレイヤーのヘルスに直接ダメージが入る率が高くなり死の危険度が増している。更にAIの思考ルーチンに手を加えて、これまでよりも早くリアクションして銃を撃って来るようにも改造されている。同時出現数も全体的に増えた。 今回のハイライトとでも言うべき相手としてNightcrawler Eliteという強敵が加わっているのも一因。シリーズ全体を通しての最強の相手と言って良いだろう。アサシンの様に高速で動き回り、壁を上ったりハイジャンプもしてくる(半透明化は無い)。体力的にもタフで一般兵士の4倍以上のHPを持ち、しかもこちらの攻撃が当たってもリアクション無しで攻撃を続けてくる。使用武器も者によってはレーザーや今回の新武器GLやLightning Arc Gunを持っていたりと手強い。Deployable Turretsを仕掛ける能力もあるし、打撃攻撃のダメージは通常兵士の倍である。 更にプレイヤーと同じくSlow-Mo風の能力を持っており、移動中に画面がやはりブレるエフェクトと共にワープする様にして短距離だが瞬間移動を行って来る。よって武器をそれに追尾させるのも難しい。しかも集団で出て来るケースも多くて相当な難敵になっている。(ゲーム全体では17人登場するそうだ)。 ただしその難易度上昇が十分かとなるとそうでもなく、確実にこれまでよりも死に易くはなったのだが、配置されているメディキットやアーマーの数は相変わらず多目なので、生き延びてしまえばその後再補給が可能という形でゲーム全体を通してではそれ程厳しくはない。この辺は単体版という事で、このゲームから開始するというプレイヤーに考慮したのかも知れない。もっと敵を増やした方が良かったとは思うが、前作のXPに比較すると改善はされた事は評価出来る。 前作で上手く行っていない様に見えた障害物が少ない広い場所での遠距離戦はほぼ無くなり、代わりに垂直方向を戦場に加えた戦闘シーンを増やしている。敵が上方の通路から攻撃もしてくるし、或いはプレイヤーがそのルートを使って下の敵を攻撃するという作戦も取れる。 武器の同時所持はやはり3種類までだが、更に今回は3種類増えたのでどれを持って行けば良いのかという判断がよりし辛い。その為か本編の強力な武器はほとんど出なくなって、XPと今回の新追加武器の方がメインにされている。また多種の武器が出て来て選択に迷う様な箇所は減らされており、強力な武器を使い切る頃に新しい強力武器が登場するという感じで、その出現回数も少な目に設定されている。一般的な武器の方は相変わらずで途中での切り替えは容易。 戦闘に変化を与えていた他の隊員と一緒に戦うというシーンはXPよりも更に多くなっている。無敵設定のF.E.A.R.のメンバーの他に、こちらはHPの設定があるDelta Forceの隊員を引き連れての戦闘も含まれている。 しかし逆に問題点も存在している。ロケーションは幾つか新しい物が加わったものの、分量が長くなったせいもあって新鮮さという点では物足りない出来映えで、前作のXPよりも劣化しているという印象。飾り気のない単調なインドアシーンが増えている。それと建造物の作り込みが雑に感じられる箇所が目に付くのもマイナス点。アウトドアを中心にノッペリとした何の装飾もない無骨な物が見受けられる。 新武器もあまり魅力的ではない。Advanced Rifleは良いとして、まずグレネードランチャーは使い難い。敵に直撃させないと結構転がって行ってしまうので当てるのが基本なのだが、近付いて当てようとすると自爆ダメージになるし、離れると移動中の敵には当てるのが難しくなる。よってHPは高いが動きは遅いロボットやHeavy armor系に使いたいのだが、命中時のエフェクトが派手過ぎて前が見えなくなり、敵からの攻撃を避け難くなるという問題有り。敵自体の位置も分かり難くなる。自分が危ない時に隠れた位置から狭い部屋の中に放り込むには有効だが、それ程そういったシーンが無い。 Lightning Arc Gunも強力ではあるのだが、これまでの武器に比較して特に面白いという程のインパクトは持っていない。ただし最強の敵であるNightcrawler Eliteには有効な武器となり、その貫通力の高さから4発程度当てれば倒せる。(難しいがヘッドショットすれば2発)。その為に温存しておくと役に立つ。 なおXPからの追加武器であるLaser Carbineはダメージを75%アップ、連射速度も増加と大幅にパワーアップしており、アーマー系の相手でも有効に働くようになった。Minigunも弾のダメージが増加している。その代わりに両方ともXPよりも更に出現はレアな武器となった。 敵についてもNightcrawler以外に目立った物がいない。Shadeは地面の黒い場所を通るとプレイヤーを引き摺り込むが、あまり強くないので怖さが無い。また先に気が付けば避けて通るか、その黒い場所を撃って破壊してしまえば良いので脅威も感じられない。先を急いで突進するタイプのプレイヤーが勢い余って引っ掛かる程度で、慣れると戦う前に倒せてしまうので意味が無いように思える。 ストーリーは単体動作という観点から本編との関連性は薄れている。しかし使っている要素はこれまでの物の流用なので、初めてこのPMからプレイする人に内容がちゃんと伝わるのかは疑問である。初めての人向けに前作までの設定を詳しく語るというシーンも含まれていない。また新たな勢力の目的については示されるが、その背景や目的についてはハッキリとしないままに終わってしまう。今回の主人公が何故Slow-Moを使えるのかも不明。 今回の主人公はアルマと直接の関係を持たない人物なのでアルマの登場シーンは少ないし、ホラーの演出が行われる回数は減少している。相変わらず突然出現させて驚かせるという手法は使われているが、ホラー要素についてはこれまでよりも控えめという印象を受けた。 アンロックされるボーナスミッションは比較的難易度が高目で、またセーブが出来ないのでなるべく安全にというゲームプレイが要求されるが、それ程面白い物とは思えなかった。マップの作りも単純だし、セーブが出来ないというシステムだと強敵も出し難くなるので、Eliteの様な敵との戦闘も盛り込めない。コンテンツを追加するのは良い事だが、もうちょっと内容を練ってからにしないと効果が薄い。 |
GRAPHICS・SOUND |
XPのレベルからエンジンの機能は変わっていないように見える。特に変更したという言及もない。 サウンド系にも特に変化無し。 |