BOTTOMLINE

[PROS]

◎スローモーによる爽快感のある戦闘が楽しめる
◎ロケーションがバラエティに富んでおり飽きさせない
◎武器の携帯数が4個になり選択肢が増えた
◎敵の装甲の厚さによる武器の使い分け要素
◎ミュータント・精霊・ロボット系等々、敵の種類が豊富に用意されている
◎マップの作り込みが非常に細かく、その場に居るかの様なリアリティを感じさせる
◎任意に難易度変更が可能
◎グラフィックスは綺麗さと重さの比率からすると優秀



[CONS]

×Normalの難易度では簡単で手応えが無い
×リーン動作がカットされてそれが悪い方に出ている
×AIの動きや能力が期待以下の出来
×ホラー要素の演出は上手く行っていない(怖くない)
×戦闘シーンのエフェクトの派手さが後退
×QTEが単調で本来の意味が無い物となっている
×影の描画が大幅にカットされている

×マルチプレイのサポートが既に絶望的



 とにかくゲームのメインである戦闘面で問題となっているのは、難易度が低い事による手応えの無さである。Hardにすれば面白くなるという設定でもなく、全体的にバランスの調整が上手く行っていない。ただし武器の種類の豊富さや使い分け要素といった点を含めて、土台部分はしっかり作られているので、今後のパッチによる難易度の各種調整が上手く行けば大きく評価を上げて来る可能性は秘めている。

 何時になったら難しくなるのかと進めている内に最後まで来てしまうという感じで、「呆気ない」, 「拍子抜け」といった言葉が弱点を指摘する言葉としては適当になるか。個人的には前作を越えられなかったという意見であり、向上した点を含めてもより高い評価を与える事は出来ない。「詰まらなくはないのだが」、という但し書きの付いた典型的な70点タイプのゲームである。


 コンソールとのマルチプラットフォームになった点を心配されてはいたが、今回はコンソールのユーザーからも簡単だという批判を受けている訳で、そういう問題以前にバランス調整がおかしいというべきだろう。テスターを招いてのプレイテストは頻繁に行ったそうだが、そのやり方やテスターの選択等に何か欠陥が有ったのではないか。同じく難易度が低い点が問題視されたBioshockとの関連性も感じられる。カジュアルなレベルのテスターの反応を見て予定よりも難易度を下げたという話だったが、このFEAR2でも同じだった可能性は高い様に思える。ここで痛いのはBioshockの方は戦闘の重要度が比較的低いゲームなのに対して、こちらは戦闘が大半の要素を占めているので、モロにそのカジュアル化のダメージを被っているという点。Normalは易しくするにしても、選択可能な難易度を増やしたりして多彩なユーザーに対応出来るようにすべきだった。

 お薦めとしてはその難易度から、FPSに慣れている人よりもあまりプレイした事が無いとか、アクション物は苦手であるという人に向いているゲームだと思う。スローモーによる戦闘時の高い優位性や、難易度を何時でも変えられるという親切な設計も含めて、初めてFPSにトライするといった人にも推薦出来る物であると言えるだろう。

 ホラーとしてどうかという点は感じ方に個人差があるので難しいが、前作をプレイ済みだとパターンが読めてしまって怖さが減少という結果なのは確か。怖さを感じさせるパートは幾つか登場するものの、全編を通じて怖さを強調してくる様なゲームではないので、ホラー好きという理由で買うのは控えた方が良いという意見である。

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