BOTTOMLINE

[PROS]

◎大きく異なる能力を持った二人のキャラクターでプレイ可能
◎敵AIが活きてくる多階層構造の戦闘エリアが増えた
◎スローモーは相変わらず使っていて爽快感あり
◎アクションゲームとして捉えるならチャレンジは効果的に働いている
◎ランクアップでの能力値変化によるリプレイ性の向上
◎流血やゴアが派手
◎ホラー系の環境音は良い出来
◎別の能力を持った者同士でのキャンペーンCo-op対応



[CONS]

×チャレンジを無視するならキャンペーン自体は短い
×ホラー要素はこれまでで最も低くほとんど無しというレベル
×ホラーゲームとして捉えるならチャレンジのシステムやCo-opは相性が最悪
×武器が2丁だけしか持ち運べない
×マルチプレイのロビーシステム
△日本語モード時の声優が酷い




 立ち位置が明確では無いゲームという印象で、今回導入されたチャレンジによるランキングシステムにしろ、キャンペーンCo-opにしろ、それ自体は現在業界で人気の要素であるし面白くもあるのだが、両方共にホラーとの相性は最悪だと言っても良い。チャレンジの様なスコア稼ぎはプレイヤーの意識がそちらに向いてしまって怖くなくなるし、ただでさえ強いキャラクターが二人組んでしまえば当然恐怖感は薄れる。このゲームが純粋なアクションゲームとして宣伝されているなら納得なのだが、制作側の推しはあくまでもホラー。

 完全な新フランチャイズを起ち上げて勝負するには莫大な宣伝費が必要だし危険度も高い。一方で既に定着しているフランチャイズを使えば宣伝面では有利。幸いな事に全く異なる能力を持った者同士のCo-opを実現するのに適したキャラクターも居るし、F.E.A.R.の新作として作ってしまえば良いのでは?と決定。そしてスコア獲得&ランキングシステムも人気だしこれも入れようとなる。明らかにホラーとは相容れない要素だが、ホラー要素を全部カットしてしまってはこのフランチャイズの意味が無いのでそちらもそのまま残したい。そこで大半はアクションだが、定期的に戦闘が発生しないホラーの演出シーンを挟み込むという形式にしてみたのだが、その肝心のホラーシーンの出来自体が良くないし、どうしてもアクションパートに負けてしまい怖くならない。結果的には元々このフランチャイズのメインだったホラー要素が台無しに、といった感じが漂う作品。


 最初からアクションゲームとして捉えるならば悪くない作品。反対に過去のシリーズ並の恐怖演出を期待するとガッカリさせられる事になるだろう。それとキャンペーンCo-opの他にもCo-op形式のマルチプレイを複数用意していたりと、トレンドであるCo-opにこだわっているゲームなので、その辺に関心の無い人にも受けが悪いと思われる。

 一度クリア後に基本能力が異なるキャラクターでリプレイ出来るのでそこは強みだが、フェッテルは特殊なプレイスタイルなのでポイントマンに比べると合わないと感じる人も多そう。キャンペーンがそれ程長くないだけに、クリア後のフェッテルでのプレイを気に入るかどうかは評価に結構影響すると思うが、私としては特異なキャラクターとして新鮮で楽しめた。

 問題点が沢山在るというゲームでは無いのだが、同時に大きな強みも持っていないので、やはり全体的にはそこそこの出来という評価に落ち着かざるを得ない。そして過去作の雰囲気を気に入っていた人に対してはお勧めし辛いタイトルになってしまっている。

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