BOTTOMLINE

[PROS]

◎Gravity Gunと物理エンジンの融合により、ユニークで新しいプレイ感を味わえる
◎戦闘とパズルを上手くミックスして構成されている
◎全体を通してのゲームの流れに緩急が付けられており、プレイヤーを誘導する構成が巧みである
◎章毎に非常にバラエティに富んでおり飽きさせない
◎アウトドアの描写のリアリティが高く、本当にゲーム内に居るかの様な臨場感を生んでいる
◎キャラクタのアニメーション(特に顔の表情の変化)
◎ストライダーのデザインと動きは見物
◎海外版でも日本語に対応している



[CONS]

×全てが明快には解説されずにモヤモヤが残る終わり方のストーリー
×武器の種類が少なく、またユニークな物があまり無い
×RPGが命中させ難い上に所持可能弾数が少なく、これを使わないとならないシーンは補給作業が冗長になりがち
×Source Engineにいろいろと問題が発生している




 2004でのFPS界の基準で言うなら90点をあげても良い出来だが、当時のHL1のインパクトに比較したら75点といった所だろうか。とにかく発売前の期待感が非常に高かっただけに、そこまでは達していなかった時の失望感も大きかったゲームである。けれども前作を知らない人なら純粋に楽しめるはずだし、今からプレイするならむしろHL1よりもこちらの方が評価は高くなるかもしれない(何しろ昔のゲームになので)。
 本文内では不満もいろいろと書いたが、それはどうしても採点基準が厳しくなってしまう故の結果である。その多くはFPS界全体での基準で計るならば、特別に問題として追求するほどの物では無い。特に妙な癖が無いし日本語対応でもあるので、初心者も含めて幅広い層にお勧め出来るゲームである。FPSのプレイヤーならばプレイしておくべきゲームの一つとも言えるだろう。

 本文でも書いたようにこのゲームは、純粋なアクションFPSとして見るならば「メインのマシンガン系の武器が当たり難い」、「最大所持弾数が少ないので無闇には使えない」、「リロードが多くなる」といった点から、タクティカルな方に寄ったデザインとなっている。またパズル中心で戦闘がしばらく起きないような箇所も多いので、一般的なアクションFPSと比較するとゲーム全体における戦闘シーンのパーセンテージは少ない。この辺は戦闘好きな人にはちょっと受けが悪いかも知れない。

 一方でGravity Gunがパズルと戦闘の両方に深く関わっており、物理エンジンの組み込みにより新しいプレイ感覚を生んでいる点は優れている。戦闘シーンのシチュエーションやパズルの解法に関しても、目新しいアイディアが使われている箇所が多いので、FPSに慣れている人でも新鮮な気持ちでプレイ出来るだろう。

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