<BOTTOMLINE>


[PROS]

◎三人のキャラクタを選択可能なのでリプレイ性あり
◎AIがまともに動いている時は、結構まともにプレイ可能
◎幾つかは面白いシチュエーションも含まれている
◎GFW - LIVEの実績を装備している珍しいゲームなので、実績解除が好きな人には向いている



[CONS]

×AIのバグ的な奇妙な動き
×短くてボリューム不足。特に最初のキャンペーンが短過ぎる。
×三人のキャラクタによるプレイ感の変化が上手く出せていない
×マップにはインドアの割合が高くて閉塞的な印象。また単調でもある。
×敵のリアクション速度が遅い
×自動回復に掛かる時間が長く、また止まっていないとならない為に戦闘のテンポが悪い
×出血表現が一切無く、また死亡時のアニメーションやラグドールが不自然なので倒している感覚が薄い
×グラフィックスのクオリティが全般的に低い




 バグが多かったりと全体的に完成度は低く、ボリュームの少なさや予定されていた要素のカットという点からも作り掛けという印象が強いゲームである。率直に言ってこのレベルのゲームを納得して発売するとはちょっと考えられないので、Xbox 360のハード解析やUE3での開発環境に慣れるのが遅れて制作が間に合わず、これ以上発売を延ばそうにも予算が無いのでもう出すしかない、となって仕方なく発売されたのではないかと想像する。MidwayからのBlacksite: Area 51などと同じパターン。

 年間でのクソゲー大賞の件については、読者投票の分はやや割り引いて見る必要があるだろう。レビュアーと違ってこちらは当人がプレイしていないとクソゲーとしては投票は出来ない事になるが、そうなると誰もが買おうともしない様な真に酷いゲームは逆に票が入らない。その点でこのゲームは、実績解除によるXbox 360でのゲーマースコアの向上を狙うプレイヤーから、「短時間で高ポイントが稼げるゲームは、値崩れした時点でゲームの内容に関係無く実績解除目当てで売れる」に当て嵌まる一つとして、それなりに売れたのが他機種のノミネートされたゲームに比べて不利に働いたとも推測出来る。

 個人的にはAIが相当酷いという予備知識を持ってプレイしたが、考えていたほど頻繁にはAIはおかしな動きをしないので、想像していたよりは酷いゲームではなかった。これなら同年だとBattle for the Pacificとかよりは全然上である。ただし本文で書いたようにAI以外にもいろいろな問題を抱えているゲームなのは確かであり、それなりに宣伝されて知られたタイトルの中でなら最下層ランクのゲームであるのは否定出来ない。他にプレイしたいゲームがあるなら特にこれに手を出す必要性は感じられないが、WWII物のファンで、且つ安い価格で買えるのならば検討してみても良いかという程度。外れたと感じても短いのですぐに終わるのは良い点とも言える。

 nFusionの過去作については個人的にもプレイしていて、予算さえ与えられれば面白そうな会社と期待していただけに今回の結果は残念である。調べたところ現在でも会社の人員は15人程しかいないらしく、足りない分はアウトソーシングしたりして制作しているようだ。開発のスタートはXbox 360の発売前からなので、かなり甘い見込みで低予算(少人員)での開発をスタートさせてしまったのが、この結果に繋がってしまったとも考えられる。クレジットを調べてみるとDeadly Dozenの頃とは開発メンバーも大きく変わっており、そうなると今後の同社についても期待薄かも知れない。



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