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SURVIVAL MODE
 2009/04にリリースされた無料配布DLC。止む事の無い敵からの攻撃に出来るだけ長い時間耐える形式のCo-op系ゲームモード


 マップは各チャプターのクレッシェンドイベントのパートを切り取って、それに若干の改造を加えた物となっている。プレイ可能なマップ数はデフォルトでは16個で、後に追加キャンペーン分の中から幾つかプラスされている。マップ内には武器の他に投擲アイテムが多目に置いてあったりとフィナーレの設定に近いが、その他に燃料タンクやプロパンガス缶も多く用意されているのが特徴。こういったアイテムを事前に要所に配置したりしながら体勢を整えて、準備が完了したらスタートのトリガーを操作してゲームを開始する。

 フィナーレ以上に敵の攻撃が激烈なモードであり、通常感染者のラッシュ, 特殊感染者の出現, Tankの出現の間隔が短く設定されていて、更にそれは時間が経過するに従ってドンドン短くなっていく。例えばTankは最初の物が1分も経たずに出現し、その後は1分半の間隔から徐々に短くなり、12分を超える頃には30秒以下にまで短くなる。特殊感染者もキャンペーンとは異なり同じタイプが同時出現する様になっており、時間が経過すると全体での数も相当な物になる(Witchは登場しない)。

 こちらは発表時の出現間隔グラフで、現在では修正されているかも知れない。



 フィナーレと同様に復活の手段は無く、死んでしまったらその後は観戦モードになる。ゲームはチームが全滅するまで永久に続けられ、耐え凌いだタイムが記録として残る。基準としては4,7,10分というタイムが設けられており、それぞれ突破すれば銅・銀・金のメダルを入手出来る。(全てのマップをそれぞれのメダルでクリアするという実績あり)。このタイムはフレンド同士でなら参照が可能。

 難易度は固定で、敵のHPや被ダメージ量の設定はNormal相当となっている。それとタイムアタックという観点から、キャンペーンとは異なり初期状態での武器やアイテム類の配置は固定である。


 キャンペーンとは若干ルールが変わっている点もある。

*殴り攻撃の連打に制限(L4D2と同じで、連続して使うと疲労によるウェイトメーターが照準に表示される)
*Hunterが跳びかかった際に近くにいると仰け反りのアニメーションが入るが、その時間が長くなっている
*Boomerの胆汁による視界の悪さがより強調されている


 ダイレクトにシングルプレイとして行う項目は設けられていないが、実質オンラインで一人だけしかサーバーに居ない時と同じなので、AI三体とのプレイは可能だし禁止されてもいない。チートコマンド(sv_cheats 1)を有効にしなくてもプレイ出来るので、達成記録もちゃんと保存される。現在ではメニュー構成が変わったので、コンソールを出さなくてもプレイは出来るようになった。フレンド専用でロビーを作成してローカルサーバーを選べば、知らないプレイヤーからは見えなくなるのでそこからプレイすれば良い(当然フレンドからは見える)。

 この変更前はオフラインでプレイするにはコンソールコマンドが必要で、現在でも他人からは見えないオフライン状態で起動するにはこのやり方になる(L4D2とは方法が異なる)。

1.どこでも良いのでシングルプレイでキャンペーンをスタート
2.コンソールを出して mp_gamemode survival を実行
3.インターフェイスがサバイバルモードに変わる。チャプターによっては対応していないのでそのままプレイは出来ない。
4.投票機能から好みのチャプターを選択して切り替え


 ただしAIとのプレイにはいろいろと問題もある。特にこのモード用に動き方を調整されてはいない様であり、その為にオフラインモードとしてメニューからは選べないようにしたのかも知れない。まず投擲アイテムを一切使えないので、キャンペーンのフィナーレと同じでそれらを有効活用出来ないのが大きなハンデとなる。また事前準備の燃料タンク等の配置もプレイヤーが一人で行わないとならない。次に優先してある地点へ皆で動こうという状況でも、周囲の敵の排除を優先して立ち止まってしまったりする。それとこの設定でのプレイでは、プレイヤーが死んだらAIが生き残っていてもそこで終了となる。



 実際のプレイについてだが、敵の攻撃が凄まじいので非常に忙しく、また難しいモードとなる。特に銅メダルの4分を過ぎた辺りからはかなりのカオス状態となり、どうなっているのかが把握出来ないというケースもしばしば。一人がダウンしてしまうと、それを助け起こす間を作る為に周囲の感染者を排除する事になるが、進むに連れて連続ラッシュとなるのでその間を作るのさえ大変になる。時間稼ぎの定番となるパイプボムもそれ程ある訳では無い。

 マップにもよるが銅メダルの4分を達成するのも結構難しいという設定。ただ最初から「銅メダルで良し」と割り切るなら、火炎瓶やパイプボム等を惜しげもなく使う事で難易度は軽減出来る。しかしそれ以上を目指すとなると、攻撃が激しくなる後半に備えてアイテム類を温存しておかないとならず、前半戦での戦いをアイテム消費を最小限にして切り抜けるスキルが要求されてくる。


 とにかく敵の攻撃方向を限定出来る場所に籠もる作戦が定番となる。周囲が開けているアウトドアのエリアではSmokerに引っ張られる危険があり、ある程度経過するとそれが2体3体と同時に出現するので、引っ張られた仲間を助けようと動いた所で自分も吊られたりしてしまう。Hunterについても同様で、感染者のラッシュ時に何体ものHunterが全方向から跳びかかってくるのに反応するのは至難の技。新規マップの“灯台”なども一見すると上部に固まる事で下方からの敵に対して優位に見えるのだが、横の林や下方からSmokerに吊られて引き摺り下ろされてしまうので、周囲に空間が存在する上の方には問題あり。そこで出来るだけ攻撃経路を絞れる屋内の閉じた場所に位置する事で、Smokerから引っ張られても窓枠で止めたり、Hunterに乗っかられる危険も減らせる。

 Tankの扱いもキャンペーンとは異なる。燃やした方が早いのは確かだが、次々に出てくるので燃やすアイテムが足りない。難易度がNormal設定なのでTankのHPは4000と低く、チーム全員の一斉射撃でも倒せるレベル。そこで好スコアを狙うのならばTankは銃で倒して、燃焼アイテムは通常感染者のラッシュ時に使用するという作戦が有効。

 しかしそこで問題となるのが弾薬。Tankに限った事ではないが、やたらと敵が多いので弾薬が尽きるのも早い。よって定期的に弾薬を補充に行かないとならないのだが、籠もっている場所からそこまで取りに行かないとならない。単独で行ってはHunterかSmokerの餌食になる恐れが高いので、チームで連携してタイミングを見計らって移動し、補給したらすぐにまた帰るという風にしないとならない。(その意味ではAIは弾無限なので優位)。

 理想的には籠もる場所に弾薬のキャッシュが有るというのが最高。或いは補給に行く際に開けたエリアを出来るだけ通らないで済む位置に有るのも良い。最悪なのは籠もりに適した場所が弾薬のキャッシュと相当離れているというケース。各マップの難易度も、この籠もり場所と弾薬キャッシュの位置関係に大きく左右される。


 最後にこのモードの評価だが、あまり良い物とは言えないという結論。Co-op可能なキャンペーンが4つしかなく、リプレイ性を謳っていたとは言えユーザーからの不満が増加。そこで既存のコンテンツを使って新しいゲームモードを早急に追加したという形だが、短期間での制作になっているので完成度は高くない。

 第一にキャンペーンのクレッシェンドイベントを再利用しているので新鮮さが足りない。新規のコンテンツを使ったマップは「The Last Stand」の一つだけである。第二に敵の猛ラッシュから耐えるモードなので、長時間のプレイは無理ですぐに疲れや飽きが来てしまう。第三にあまりに敵の出現率が高いので、テンションが高くなるというよりも、何が何だが解らないといった感じになってしまう事もしばしば。連携どころでは無くなってしまうというのもある。非常に緻密な連携と作戦により記録にチャレンジするという面白さがあるという点は否定しないが、相当人を限定すると思われる。難易度設定を設けて、激しいにしてもそのレベルを調整可能にした方が多くの人に楽しめたのではないか。

 実際に人気は高くなく、現在ではプレイしているサーバーを探すのは難しいというレベル。これにはキャンペーンと違って長時間続けられないので、入った人が抜けるのが早くて集まり難いというのもあるのだろう。タイムアタックによる競争での盛り上げという件も、バグで感染者がスタックして出て来なくなり延々と時間が経過したり、敵が決して攻撃出来ない安全地帯を見付けて時間を延ばすという手法が蔓延したりと、問題も発生して上手く行かなかった。



CRASH COURSE
 2009/09リリースの初の公式追加キャンペーン。本編リリース後から追加キャンペーンの要望が多かったにも関わらず、これをリリースするまでには相当な時間が掛かっている。PC版は無料。

 [No Mercy]と[Death Toll]の間を繋ぐ位置に属し、[No Mercy]でのヘリによる脱出後にパイロットの感染が判明。それを殺した結果ヘリが墜落して再び地上での戦闘を余儀なくされるというシナリオ。

 マップ数は2つだけと他に比較して短いキャンペーン。これに関しては「対戦モードの時間が長過ぎるという声に応えて、30分ほどで決着が着くようにする事を重視したため」とコメントされている。しかしL4D2の発表後、「L4D1への十分な追加コンテンツを出さないままに新作を出すのは許せない」といった批判も出ていた経緯もあって、何かを早急に出す必要があったがL4D2の制作もあって十分な時間が取れなかったので、これだけの長さにしか出来なかったとも受け取れる。


 時期的にL4D2で新たに追加された機能が、こちらにも新規に追加されている。

*アラームの鳴る車の配置がランダム
*上位武器の出現種類が場所によって変化する(常に3丁セットでは無い)
*バリケード等で塞がれている箇所がプレイの度に変化する



 戦闘面では他のキャンペーンと特に変わった所は無いが、TankとWitchの出現頻度が高いような印象。フィナーレも用意されているのだが、チャプター2をある程度進んで来てから最後にフィナーレという構成になっている。フィナーレ前に短いパートが用意されているケースはあるが、ここではその最後に到達するまでに結構時間が掛かるので、フィナーレで失敗すると再挑戦までのやり直しの時間が長くなってしまう。

 フィナーレの形式は従来とはやや異なっており、脱出用の武装トラックを使う為に門を開くのが目的。まず門を開くのに発電機を起動させる。すると音を聞きつけた感染者のラッシュが始まる。感染者の出現位置は全方位に渡る上にかなり多目であり、計2回出現するTankも倒さないとならない。また途中で発電機が停止してしまうというイベントも発生するので、誰かがそこまで行ってやる必要がある。

 ただし車両を組み合わせた屋根の上に籠もり場所が用意されており、Advanced辺りまでで4人居るならここが守り易い。上から全方位が見渡せるし、弾薬の補給や発電機の再起動にも近くて有利。土嚢が高く積んであるのでSmokerから吊られてもそこで引っ掛かる可能性が高くなっている。Tankの時だけ降りて戦い、倒したらすぐに上に集合という形になる。欠点は最後の脱出時にトラックまでの距離が長くなる事。

 他には建物内にて、マシンガンが設置してある上階部分で籠もるか、下の部屋の中で籠もるという方法もある。この方が敵の攻撃方向を絞り易いが、弾の補給や発電機の再起動に向かうのに遠くなるという欠点あり。


 他のキャンペーンから大きく雰囲気が変わったという感じもしないし、短いのであまり長くはプレイ出来ないといった点から、高得点は与えられないDLCという結論になる。ただし実績重視のプレイヤーからは、キャンペーンを通して何等かの条件を達成するタイプの実績が、長さが短い分だけ数段簡単になるという観点から評価を受けたりもしているようだ。

THE SACRIFICE
 2010/10リリースの追加キャンペーン第二弾。PC版は無料。L4D2でも同じ物がリリースされており、内容的にはほぼ同じ。L4D2の方では2で追加された武器, アイテム類, 特殊感染者が登場する点が異なる。


 オリジナルの最後のキャンペーンである[Blood Harvest]での脱出後、生存者4人は軍の施設に保護されたが、その場所にも感染者が襲って来た結果、そこから脱出してまたしても逃亡の旅を続ける羽目に陥ったというストーリー。詳しい内容は公式サイトにコミックスとして掲載されている。L4D2のDLCである[The Passing]では2の生存者がこちらの1の生存者と遭遇するが、その直前に1の生存者達に起こった出来事を描いている。


 チャプター数は3個で最後がフィナーレという設定。これまでのキャンペーンに比較して明るい時間帯に設定されており、雰囲気が異なるし視界も良好になっている。システムに新規要素はほとんど追加されていない。

*撃つと大きな爆発を起こして燃えるドラム缶が登場
*水中を移動すると速度が低下する





 クレッシェンドイベントの形式にはやや変化が見られる。CH1では道を塞いでいる列車の扉を開けて通るのだが、その中にTankが閉じ込められており、開けると中のTankが飛び出すと同時にラッシュもスタートする。ここはシングルプレイだと扉を開けるのはプレイヤーが行わないとならず、しかも扉を開いている間に仲間AIが自分の近くに寄ってきてしまうので面倒な事になる。

 CH2では急角度な岩山を上りベルトコンベアを通じて船へと移動するイベントになる。上ろうとするとカラスが飛び立ち、それが合図になってラッシュが開始される。この斜面では移動速度が低下してしまうので、囲まれてしまうと脱出して上へと逃げるのが難しい。ベルトコンベアの部分も一人分の幅しか無い為に、敵に襲われると対応がし難くなっている。

 フィナーレはこれまでには無い特殊な形式となっている。目的は3台の発電機を稼働させて橋を動かす事。マップ内には3台の発電機が設置されており、これを全て動かす事で橋が一番下まで降りてくる。橋が降りたら全員でそれに乗り込み、今度は橋に備え付けられたスイッチを押す事で、再度橋を上方へと稼働させて脱出するのを目指す。

 発電機を動かす度にTankとラッシュがやって来るので、計3体のTankを相手にしないとならない。なお発電機は一気に複数台を作動させてもOKだが、シングルプレイではそれは不可能。アイテム類は豊富だしTankから逃げられるエリアも広いので、比較的フィナーレの中では戦い易く簡単な部類に入る。



 問題は最後のパートで、皆が橋に乗って上昇スイッチを押した後、発電機の一つが停止してしまい途中で橋が止まるというアクシデントが発生する。ここでは誰かが下に降りて発電機を再起動しないとならないのだが、一度橋から降りたらもう戻れないのでそのプレイヤーは犠牲(Sacrifice)となってしまう。つまりこのキャンペーンのフィナーレは4人全員での生還が不可能という設定

 下に降りて発電機を再起動するとは言っても、この段階で3〜4体程度のTankが同時出現すると共に、無限の感染者ラッシュがスタートするので簡単にそれが達成出来る訳ではない。発電機の再稼働自体はそれまでとは異なり数秒で完了出来るが、敵の攻撃をかいくぐってそこまで行き実行しないとならない事になる。ただしキャンペーンでは再稼働に向かうプレイヤーを優先的に狙っては来ないので、残っているプレイヤーが上からパイプボム等で援護出来れば成功率は高いとは言える。HPが最も高いプレイヤーが行くのが基本だが、残っている全員が赤状態というケースでは難易度が高くなる。それとストーリー通りにBill役のプレイヤーが犠牲になる事で“Kill Bill”の実績を(全員が)達成可能。


 なお下に降りるプレイヤーの数に制限は無く、ここでの制限は「行動可能なプレイヤーが少なくとも一人は橋の上に残っていないとならない」。よって一人目が失敗になった時点でまだ2人以上が橋の上に残っているなら、別のプレイヤーが発電機へと向かっても良い。或いは下へと同時に複数人で降りる事で達成の可能性を高められるが、Tankは橋の上まで来られるので上に残ったプレイヤーがやられて失敗になる恐れの方は高まってしまう。またこのルールからこのフィナーレに限っては、最後のイベント前に死者が3人になった時点でゲームオーバーとなる(最後に必ず2人は残っていないとならないから)。

 シングルプレイではフィナーレの最後は難所となる。下へと降りての再起動はプレイヤー以外には行えないので、それが失敗すれば残りのAI3人がまだ生き残っていてもアウト。また早めに下に降りてしまうと、AIが自分に付いて来ようとして全員一緒に橋から降りてしまってゲームオーバーとなる危険がある。とりあえずTankが襲って来るまで待って、AIがそれに応対している間に降りて達成するのが狙うタイミングとなるが、その時点ではかなり敵が密集しているのでパイプボムが無いと厳しくなる。


 Crash Courseに比較すると景観的にもマップデザインとしても新鮮味が感じられる。ボリュームはもうちょっとはあった方が良いと思うが、出来としてはこちらの方が上だろう。


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