LEFT 4 DEAD

                                  11/05/29


   SYSTEM

   GAMEPLAY

   COMBAT / キャンペーン

   AI DIRECTOR / シングルプレイ

   対戦モード / GRAPHICS

   BOTTOMLINE

   DLC


                                                公式サイト

製作・販売: Valve / Electronic Arts                  STEAM
発売: 2008/11
日本代理店: ズー
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※08/12/22 レビューを掲載
※11/05/29 DLCの追加。AI Directorの内容等を修正。

概  要  2000年辺りから長い期間、シングルプレイのキャンペーンにおいてそれをCo-opでのプレイも可能にするのは、制作の労力が大変過ぎるとして導入は敬遠される傾向にあった。しかし2006年辺りからCo-opの人気が高まって来ており、採用するゲームの数も増加傾向にある。そんな中でCo-opをメインのゲームモードとして作られたFPSがこのL4Dである。

 Co-opの人気というのはある程度限定されており、対戦形式の大人気ゲーム並に常時サーバーに数千人クラスのプレイヤーを集める様な物はこれまでに現れていない。そこでこのL4Dでは徹底してCo-opの面白さを追求して、対戦型マルチプレイの王者である同社のCounter-Strikeの様に、Co-opゲーム界での圧倒的な人気No.1ゲームになるのを目指して制作されている。

 結果的にゲームは大きな成功を収め、2009/09の時点でリテール版の売り上げだけで300万本に達している。Steamでのダウンロード販売本数は公表されていない。2010/10にはMac版も発売。これはPCとのクロスプラットフォームで相互プレイが可能。


 オンラインでの4人Co-opがメインで、シングルプレイ用のストーリーモードと呼べる物は持っていない。オフラインでAI操作のbotと一緒にマルチプレイと同じ形式で遊べるのみ。その他にはオンラインでの対戦モードを装備している。


 発表時点ではCounter-Strike: Condition Zero, Counter-Strike: Sourceの制作に関わったTurtle Rock Studiosが開発していたが、2008/01に同社はValveに吸収されている。

 当初の発売予定は2007/Q2だったのだが、その後9月, 11月と延期された後に2008年へと更に延期に。この頃はプロモーション的な意味合いから、Valveにとっては2007年の目玉であるThe Orange Boxとのバッティングを避けるのを目的とした延期という見方が大勢を占めていた。しかし2008年序盤とされていた発売日はその後も延期を繰り返し、発売前にも短期の延期を繰り返した結果、ようやく11/17に発売に漕ぎ着けている。

 2008/11の発売時点ではPCとXbox 360版がリリース。PS3版は何回か「発売スクープ!」の記事が出てはValveからは否定されるの繰り返しで、この記事でも「何回言ったら解るのか知らないがPS3では出ない」とコメントされており、少なくとも現時点では予定は無いというのは間違いない。ただしCEOのDoug Lombardiは、「自社で開発するつもりは無いが、Orange Boxと同じく他の会社から移植の話が来ればビジネスとして応対はする」と話しているので、再度EA等が移植の話を持って来るという可能性はある。


 動作にはSteamが必須。リテール版はEAから発売されているが、中身は製品DVDと操作キー一覧が書かれたペラ紙一枚、そして製品登録コードのみである。

 Steamからのダウンロード販売の価格は現時点では$19.99。“Left 4 Dead Four Pack”と呼ばれる4個セットも売られており、こちらは一人が購入後にギフト機能で他の3人にプレイ権を送れるというパック。$59.99なので4人が別々に買うよりは安い。

 日本ではズーがLeft 4 DEAD 日本語版を発売している。Xbox 360版は海外と同じくEAから発売。


 PC版はマルチ言語対応で、海外版でもSteamの表示を日本語にして起動すればゲーム内の表示や字幕はちゃんと日本語になる。音声言語には日本語は含まれていない。

 日本では有志によるLeft 4 Dead wikiが出来ており、トラブル、設定変更、サーバーの作成方法を含めて多数の情報が寄せられている。


 このゲームの背景設定は映画『28 DAYS LATER...』の様に、プレイヤーを襲う敵は正確にはゾンビではなくウイルスの感染者(Infected)となる。しかし実際には表記としては統一されておらず、製品版のパッケージや宣伝ムービー、或いはValveのインタビュー等でもむしろゾンビという名称の方が多く使われている。これはおそらくマーケティングの狙いとして、ゲームを知らない人には“感染者”よりも“ゾンビ”と言った方が通りが良いという理由だと想われる。

 Steamを通して得たプレイヤーのStats(データ)はこのゲームでも公開して行くそうだが、現在は実績の達成率を見る事が出来る。後にプレイヤー自身が自分のプレイデータを見られる機能が追加されたが、途中でリセットされたりと不具合もあって正確な値にはなっていない可能性がある。


 PCとXbox 360のゲーム内容にはほとんど違いは無い。相互プレイは不可。Xbox 360でも快適なプレイの為に多数のDedicated Serverが用意されている。以下はXbox 360版がPC版とは異なる点。

*2人までの画面分割Co-opをサポート
*コントローラー使用なので若干のエイムアシスト機能が働く
*高速な視点変更を行えるように180度回転ボタンを装備
*ゾンビが背後から襲って来る確率がPC版よりも低く設定されている


 ドイツではやはり規制対象になっており、検閲されたバージョンのみがリリースされている。以下はその一覧。なお日本のXbox 360版のパッケージはドイツと同じく規制バージョンだが、内容自体には編集は加えられていない。

*パッケージがちゃんとした5本指という、デザインの意味を台無しにした
  バージョンに修正されている(右がドイツ版)
*味方プレイヤーには血の付着無し
*倒した敵はその瞬間に煙の様に消えてしまう(ラグドール無し)
*手足の切断表現は無し
*燃やされた一般感染者はその場ですぐに死亡する(火の点いたまま
  プレイヤーに向かって来る事は無い)
*Xbox 360版では血の色は緑色



 これはゲームのオープニング・ムービー。別制作のCGではなく、基本的にゲーム内のエンジンを使用して製作されている。このムービーはその制作目的としてチュートリアルを兼ねているそうで、登場するボスタイプの感染者の紹介や、アイテム類の機能紹介についての内容を短い中に詰め込んでいる。そうしたのはゲーム開始前に実際にプレイヤーに体験させるスタイルのチュートリアルは、テスターに好まれないという結果から。

STORY  時代設定は現代のアメリカだが、事件の背景についての詳細な説明は行われていない。謎のウイルスが蔓延して人々が感染し、それに襲われた人間も次々とゾンビ(Infected)と化して行くという設定だが、そのウイルスが自然発生なのか、何等かの実験の失敗によるものなのかは不明である。

 このウイルスに対しては免疫を持っている人間もわずかながら存在しており、そういった人々や感染者から逃げようとする人が安全地帯への脱出を試みていた。主人公となる4人のメンバーは偶然出会って、やはり同じ様に脱出を目指すという設定になっている。見た目としてはこの4人が感染地域に存在する最後の生存者の様に感じられるのだが、何故この4人がすぐに脱出せずに取り残されていたのかについての説明は無い。


*Bill
 ベトナム戦争にも米国特殊部隊として参戦していた経験を持つ歴戦の勇士。戦争後にこれといった目標も無く平穏に過ごしていた彼だが、遂に望んでいた戦いの場を与えられる事になった。

*Francis
 "Hell's Legion"に属するバイカー。ガッチリした身体に刺青が特徴的。口が悪くいつも悪態をついている。ウイルス感染者発生時には、皆が隠れて待機する中で積極的にゾンビとの戦闘に向かっていたという好戦的なキャラクタ。

*Louis
 IT産業のシステムアナリスト。真っ白なシャツに赤いネクタイというビジネスマンスタイル。これまでとは全く場違いの、しかも失敗は許されない新たな仕事に挑む羽目に陥いる。

*Zoey
 進級の危機を無視しサボって寄宿舎でホラー映画を見ていたのが幸いし、感染者の襲撃から生き残った若い女子学生。学校が全滅したので進級の危機は免れたが、代わりに生命の危機に晒される事となった。


 ストーリーの繋がりについてもあまり重視はされていない。例えば各キャンペーンの終わりには、その都度救援に来てくれたヘリやボートで脱出に成功しているのだが、その次のキャンペーンの冒頭では再び4人だけで取り残されてしまっているという状況が続く。当初は各キャンペーンの最初に、何が起きて再び4人だけになってしまったのかを解説するムービーを入れる予定だったのだが、テスターからは「ムービーを見るよりもすぐにゲームを始めたい」という要望が多く、ストーリー解説よりもテンポ優先で全てカットしてしまったそうだ。


PATCH

DEMO
 パッチがリリースされているが全て自動的に適用される方式。パッチの履歴は参照可能である。


 発売前にはデモが公開されていたが、発売と同時にプレイ出来なくなっている。これまでの例として将来的に一週間程度の短期間、宣伝用にフリーでゲーム全体or一部が一般公開される可能性もある。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 4 3.0GHz Intel core 2 duo 2.4GHz
MEMORY 1 GB 1 GB
VIDEO VRAM 128 MB, Shader model 2.0対応
ATI 9600, NVidia 6600以上
Shader model 3.0対応
NVidia 7600, ATI X1600以上
SOUND DirectX 9.0c 互換 同左
対応OS: Windows XP / Vista / Vista64
DirectX 9.0c以上要


 Steamを通じてプレイするので、Steamを入れていないのならばそのインストールとアカウントの作成は必要。シングルプレイについてはSteamをオフラインモードにしておいても起動可能であるが、実績のクリアを行うにはオンラインに接続しておかないとならない。


起動しない
 コマンドラインパラメーターに -nosound -window -dxlevel 90 +mat_forcehardwaresync 0 を付けてみる。SteamのL4Dの「起動設定」の欄内か、デスクトップのショートカットならばリンク先の後に半角空けて付ける。設定の仕方や各パラメーターの解説はソースエンジンのトラブルを参照。

 例) ....\Steam\steam.exe -applaunch 530 -nosound -window -dxlevel 90 +mat_forcehardwaresync 0

 この「サウンド無し・ウインドウモード」で起動するのならば、各パラメータを削ったりしながら原因を切り分けて行く。


ロード後にゲームが落ちてしまう
 Steamの設定→フレンドタブの中でニックネームが設定出来るが、ここに2バイト文字が含まれていると発生する恐れがある。


起動はしているようで音はするが、画面表示が行われない
 画面プロパティよりモニタの垂直同期周波数を60Hzやデフォルトに設定する。


サウンドがループして落ちる、フリーズする
 ソースエンジンのトラブルとしてHL2: EP1時代に有名になった問題だが、今回もそれに関するトラブルの可能性がある。詳しくはソースエンジンのトラブルの中の同項目を見て欲しいのだが、Paged Pool Memoryが足りないと発生する障害。これは仮想メモリの事ではなく、OSがDirect3D等のワークエリアとして確保する特殊なメモリエリアの名称で、足りなくなるとDirect3Dを使っているアプリケーションがクラッシュする。

 今回はこのPaged Pool Memoryの確保エリアの容量をビデオ設定から変更可能になっているので、トラブルが発生するのならば設定を下げてみる。


不定期にフレームレートが落ち込んでカクカクとなる
 設定の中のマルチコアレンダリングをONにしていると発生する可能性あり。ビデオカードのドライバのバージョンによっても影響されるようだ。


画面表示が一部異常になる
 ライティングの処理が正常に行われなくなるといった問題。ビデオ機能やドライバの問題という可能性もあるが、Alt+Tabで作業切り替えを行うと発生するという情報有り。一旦終わらせてから再起動しかない。


NOD32(アンチウイルス)を使用しているとウイルスとして検知されてしまう
 "How do I exclude certain files or folders from real-time scanning?"にて検知対象から除外。その後L4DのGCF Cacheに破損が無いかどうかの検証をおこなう。


残虐表現のレベルを下げたい
 コマンドラインパラメーターに -lv を付ける(Low Violence)。

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