BOTTOMLINE

[PROS]

◎複雑に連結された広いマップ一つだけで構成されているのがユニーク
◎MS-DOS時代のFPS風のデザインなので、ノスタルジーに浸るには良いかも
◎ルートやアイテム探しが好きなプレイヤーには向いている



[CONS]

×全体的に簡単なバランス設定の上に、難易度選択が存在しない
×敵に攻撃が当たっているという感覚が希薄
×短くてボリューム不足
×最初から全部器を所持しているので変化や面白味が生じない
×弾薬や回復系アイテムが多過ぎる
×種類は多いが魅力的な敵がいない
×敵がランダムにリスポーンするので時に不自然に見える
×モデリングやアニメーションの質が低い




 サブタイトルに“Welcome to Hell”とあるが、まさかその意味がゲーム内の地獄では無く、このゲームをプレイすること自体の意味だったとは...というオチのゲーム。難易度が低目で手応えがない上に何故か難易度も選べないし、グラフィックス面でも敵のアニメーションが粗いとか、攻撃が当たっているのか判らない等で、何よりFPSとしての基本部分がしっかりしていない。そうなると世間でのクソゲー評価も致し方ないと言えるし、FPSの戦闘面を最重視する人は無視して構わないゲームである。

 クソゲーと称される物に異端の魅力を感じる層も居る訳だが、このゲームは物凄く変な要素を持っている訳ではなく、全体的にFPSとしてのクオリティが低いという感じなのでその意味でもアウト。また世界観がロシアと関係無いので、あの西洋の製作会社では醸し出せない独特の雰囲気といった魅力も持っていない。


 MS-DOS時代のアンロックアイテム探しを広いマップでより複雑にした設定で、近年では見ないスタイルなのでその点は一回りして新鮮ではある。当時のゲームをクオリティがアップしたグラフィックスでプレイしたいという人になら、500円以下の価格という条件付きで推薦は可能。それと戦闘面は問題だらけだが、複雑なマップ内をアイテムや新エリアを探して走り回る探索要素の方でプレイヤーを引っ張るという面は持っているので、私の様に探索系が好きな人なら放り出さずに持続出来る可能性は高くなる。複雑な構造の最後のエピソードの様なデザインを全てのエピソードに適用して、探索要素をゲームの最重点に置いた方がマシになったような気がする。


 一応幾つか弁護しておくと、まず動作の安定度は高く、“詰まらない+不安定”という個人的にはゲームを投げ出す最凶コンボにはなっていない。次に全体が短いのはアレだが、反面この内容だとこの位のボリュームの方が丁度良いと言えなくもない。詰まらないという評判なのに20時間以上あるゲーム等は開始するまでの気合いが大変だが、各エピソードが2時間前後で終わるのでそれよりはずっと取っ付き易い。また何となくクリアしないとスッキリしないという程度の長さなので、一気には無理としても各エピソード単位ならばモチベーションを持続させるには有利か。

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