＜ＢＯＴＴＯＭＬＩＮＥ＞


［ＰＲＯＳ］

◎ステルスと戦闘をミックスして両者のバランスを上手く取っている
◎独創的で優秀なAIと、それを活かした面白い戦闘
◎他に並ぶ物の無いユニークな世界観のFPSでありオリジナリティーが高い
◎新しいスタイルのステルスに挑戦して成果を挙げている
◎敵味方を含めて魅力的なキャラクタが多い
◎難易度設定が何時でも変更可能というユーザーの身に立った汎用性
◎キャラクタのアニメーションを筆頭に、高度でありながら軽さも実現しているグラフィックスエンジン
◎素晴らしいクオリティのサウンド
◎爆笑物の秀逸なユーモア


［ＣＯＮＳ］

×独特なAIの能力の代償で止む負えないとは言え、Respawnの感覚が短くて問題あり
×マップ内探索の比重が非常に大きくて煩雑さを感じさせる
×全体を通しての難易度の調整が上手く行っていない



　RPG要素については不味くは無いがそれ程上手くも行っていないという感じで、差し引きとしては若干のプラスという程度。嗜好としてはスパイ物なのでステルス要素は有って当然と受け止められる人なら問題は無いが、とにかくアクション物が好きでステルスは嫌いというFPSファンにはあまりお勧め出来ないタイトルである。ステルス物が好きという人なら、アクションのパートはやり難ければ難易度を下げてやれば良いのであまり問題は無いだろう。

　前作との対比という点では、ファンサイトからは結構な反発を受けたゲームでもある。業界全体としては幅広く非常に高い評価を受けたタイトルなので、１の熱心なファンだった人の中に不満を感じる人が多かったと言えると思う。確かにゲーム性は結構異なっており、今回の方が一般的には受け入れ易い洗練された作品となっているが、前作の様な個性的で奔放なイメージは後退している。ロケーション及びマップのデザインのバラエティさについても1の方が遥かに幅広い。ただしFPSの戦闘部分に関してはこちらの方が出来は数段上であり、行動の自由度も高くなっているのは確か。Cateのデザインについても評価が分かれていたがこれは好みによるだろう。

　個人的には総合的に見て全体が高いレベルで完成された傑作だと思う。既存の枠に留まらず新しい事にチャレンジしているし、ステルスとアクションの全体のバランス感覚も優れている。前作を大きくリファインした年間ベストクラスの作品と位置付けて間違い無い。なお１，２の両作品ともプレイして貰いたいゲームだが、この2では1の重要な事項についてネタバレを前提としているので、先に1から始めるのをお勧めしておく。



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