<GAMEPLAY>
全部で14個のミッションが有るが、普通に進めていても一つのミッションのクリアには1〜2時間は掛かる物が多いので、クリアまでには20時間は掛かるのでは無いか。難易度がミッション単位で自由に変更出来る他、アウトドアのマップでは夜間ミッションも選べるのでリプレイ性が高く、長時間遊べるゲームとなっている。
まずは戦闘についてから始めよう。基本的にはリアル系という事で命中率の概念を導入しており、照準の位置に必ず弾が飛ぶというようにはなっていない。移動しながら撃つと照準が大きくなって当り難くなるのも同様。姿勢による命中率が導入されているのかは不明だが、立った状態だと銃のリコイルが激しくてメイン武器のマシンガン等は激しくブレてしまう。よって最低でも膝をついて撃つか、理想的には伏せの姿勢で撃ちたい所。ここに更にキャラクタのパラメータとして命中率が加わるので、これの低いキャラを操作すれば更に当らなくなるのは言うまでも無い。
次にこのゲームでは撃たれると一瞬体が「ウッ」という風に停止するので、お互いに向かい合っての撃ち合いによる戦闘はやりにくくなっている。特に3DFPS風に素早く動きながら複数の敵相手に撃ち合うというのはArcadeでもなければちょっと無理な感じとなる。一人で三人位を相手にした場合、自分に弾が当る毎に間が入る(動きが止まって撃ち返せなくなる)ので、一気に殺されてしまう事が多々ある(Normal)。
HPについてはMedikitが少ないがArmorはリチャージが可能なので、その装置が有るマップでは多少は死ににくくなると言える(主にインドアマップに存在)。そのArmorは強化型のSeraphimを着る事でより防御力を高められるが、相当重くなるのでStrengthが高く無いと無理。なお吸収力としてはダメージの多くを吸収してくれるといった感じでは無くて、全ダメージの半分位しか受けとめてくれないようだ。Armorが完全に無くなってからヘルスにダメージが加わり始めるのシステムでは無い。
取りあえずNormalではどんな感じなのかを見ていこう。敵の弾を見て避けられる訳では無いので、直接戦闘を挑むとある程度はダメージを受けてしまう割には回復薬はほとんど無い。また弾薬もあまり無いので、特にライフルの弾は適当に撃っていると後で泣きを見る事になる。また最初に重いからといってMedikitを選択しない場合、回復薬は全く持たずにミッションに臨む事になりこれはキツイ。かと言って持った所で回復薬は3種類有るのだが、それぞれ5〜20でランダム、10、1〜10でランダムと回復量もかなり低い設定になっている。よって通常2人とも装備にMedipackを持って敵の死体の持つ回復薬を全て手に入れたとしても、全部で250前後程度の回復しか出来ない計算であり(二人合わせて)、これで敵と普通に戦闘をしているとまるで足りない計算になってしまう(まともに撃ち合うと50程度は簡単にダメージを受けるので)。
よってアクション要素を取り入れているとはいえ、直接的な戦闘はここぞという時に限定して、普段は敵から攻撃を受けないようにして倒すというスタンスが基本となる。具体的にはライフルを使った狙撃や、上手く陣形を取って有利な状態で戦って反撃を受けない様にして倒すという風になる。なのでどんどん撃ち合って進んで行くようなアクション要素をこのゲームに期待すると外れる事になるだろう。一度の戦闘で大きなダメージを受けたらロードしてやり直す位でないと厳しくなっている。移動速度は速いし、多数の武器を持っており、被弾しても即死する訳では無いが、全体的なバランスで見るとリアル系のシューターの様にシビアなバランス設定となっているゲームである。
しかしEasyだと結構楽になる印象で、回復薬と相談しながら撃ち合える回数が増えるという感じになる。特にアウトドアでスナイパーを倒すと手に入る回復薬が貴重。つまスナイパーが多いマップは撃ち合いもし易いと言える。またほぼ弾薬切れの心配をしなくても良いのも大きい。最後にArcadeはゲームとして別物と考えた方が良いだろう。このバランスでプレイしたいなら、遭えてこのCOを選択する意味が無い(アクション・シューターとして見るなら、あまり出来の良いゲームではない)。
私の場合一応全てNormalでクリアしたが、当初考えていたほどは難しく無かったという感想だ。理由としてはデモで遊べるミッション6が(広大なアウトドアの長いマップ)、実は全ミッション中でもトップクラスの難易度であり、他はほぼこれよりは楽だったから。普通デモには特別に難易度の高い物は持って来ないと思うので、これよりも数段難しい物が多数有るのを想像していたのだがそうでも無かった。
次に隊員が成長するので、能力を上げてくると相対的にミッションは簡単になってくると言うのがある。一応最初から段々と難しくなって上記M6でピークになるのだが、その後は隊員の能力上昇に比較してミッションの難易度は上がらないのでやや楽になる感じがする。時間制限のあるM8, M11もそれほどキツイ感じは無いし、同様のラストもそれほど難しく無い。難しいのはM6の他は、ラス前のM13と最初の方の隊員が弱い頃のM3とかになるか。基本的にはデモのM6を難しいと感じる人でもNormalで通して大丈夫だと思う。中でも一番の要因は無限セーブ機能だろう。これが有るので大きく元に戻ってやり直す必要が無くなり進み易くなった。ただしクリアには結構な時間が掛かるし、ロードしてやり直したりですいすいと進めるようなゲームバランスで無いのは確か。
ミッション目標その物は分かり易く作られており、次に何をすれば良いのか?といった事はあまり考える必要は無い。パズル的な要素は少なく、基本的には敵を倒して進めばOKというシンプルな造りだ。個人の好みでステルス行動で出来るだけ戦わない事を選ぶのも可能だし、このゲームではステルスを強要するミッションは無いのでそういうのが不得意という人でも心配無い。ただし敵の数は通常圧倒的に多いので、どうやって倒すかといった事に頭を使う必要はある。
ミッションの進行自由度に関してはそれほど無いが、その攻め方はいろいろと工夫は出来るので違ったアプローチでのリプレイも楽しめる。例えばAIを連れて歩くのか分かれて行動するのかを選べる。連れて行く場合は大量の敵への応対能力も上がるし、周りのカバーもしてくれる。特にAIが発見した敵にはボックスマークが付くので、敵を先に発見するのにはこの能力は大変重宝する。或いは分かれて行動して別々の方向に進ませ、片方を戦略的に重要なポジションにおいてもう一人のクリアを助けるという手も取れる。例えば片方をもう一人が侵入する建物を見渡せる場所に予め張らせておいて、侵入に気が付いてやって来る敵の援軍を背後から一掃するとか。また敵のAIが良く出来ているのでプレイによって反応も変化し、そういう意味でもシチュエーションが毎回同じとかにはならずに楽しめるのも良い点である。
自由度といえばアウトドアでは夜間と日中の選択が可能なのも面白い試みである。基本的には敵の配置等は変わっていない様なのだが、かなりゲームスタイルは異なってくる。普通に考えると夜間の方が辺りが見にくい分難しく思えるのだが、このゲームではむしろ夜間の方がやり易いかもしれない。
まず夜間の有利な点としては、敵の視界が悪くなるのでこちらの行動が気付かれにくいというのが大きい。敵の索敵範囲は半分程度の距離まで落ちるようで、日中だと慎重に進まないと気が付かれてしまうシチュエーションが軽減される。またNightVision
Goggleを使用する事で敵の姿が浮き上がるので、発見及び狙いが付けやすいという利点も生じる。それと弾のTracerが見易くなるので、敵の撃って来ている方向が非常に分かり易いのも大きな利点だ。いずれもステルスで行動する場合も含めて大きく有利に働くと言って良いだろう。
逆にゴーグルを付けたままだと少し離れた場所の物の形状が掴みにくかったりするので、監視塔といった重要な物を見逃してしまう怖れがある。また完全に暗い所ばかりでは無いので、戦闘中にちょっと明るい所に出た時に視界が緑色に潰れて見えなくなってしまうという問題もある。ただ総合すると夜間の方が行動はし易い印象であり、難しければ難易度はそのままでこれを変更するというのも一つの手だろう。何にせよこの機能はユニークで面白いと思う。
一方でインドアではどうしても近距離での直接的な撃ち合いが増えてしまうが、そればかりではやはりバランス的に辛い。AIを狙いのポイントが見渡せる位置に伏せさせてからチェンジしてやり、その場所まで敵を扇動して誘い出してやり後はAIに任せるのが有効。他には通路の様に通り道が細い場所を見渡せるような位置からの攻撃が効果的。何にしろアウトドアに比較するとその面白さは落ちるという感は否めない。
スタイルは基本としてスナイパー重視であり、慎重に歩を進めながら敵を倒して行くというゲームになる。インドアではややこういった面は薄れるものの、次々に部屋に飛び込んで行って撃ち合うというゲーム性では無い。安易に未知の領域へ走って入り込んだりするのではなく、じっくりと辺りを偵察して一人ずつ倒しながら進めていくスタイルのゲームである。そのゲーム構成やシステムと同様に、プレイの感覚はHidden&Dangerousに非常に良く似ていると思う(ただし操作性やバランスから言ってあんなには難しくは無いが)。
直接戦闘も可能だが作戦重視のスタンスで臨む事になる。普通に撃ち合ったのでは到底HPが持たないので、如何に有利な状況で戦いを挑めるか、その様な状態を作るかが重要となる。もちろんAIの助けを借りないと難しいバランスであるのは言うまでも無い。つまり自分の戦闘能力で勝つという面白さでは無く、AIを上手く使って相手を作戦通りに料理する事を楽しむゲームとも言えるだろう。もちろん戦闘が好きという人にはバランスを軽減したEasyという難易度が用意されているのでその辺は好みと言う事になる。
ステルスに関しては特殊な能力としてTessla Generatorという機能が防御スーツには備わっており、これは半透明化して敵から見えにくくなるという物。これをONにすると体が消えて敵に気付かれにくくなる。ただしこれを使うとArmorの値がドンドン減って行き、解除後には回復するのだが時間が掛かるのと完全に元の値までには戻らないので結構マイナス面もある。また使用中は武器を使えないし、切っても3秒間は武器が作動しないので敵に見つかって攻撃されると悲惨な事になる。インドアでより効果的な能力であり、またチャージャーのあるインドアで無いと使いにくい。
もう一つ隊員は標準で迷彩カモを装備しており、草木のある場所等で伏せれば自動的に装着される。これを使っている場合は目の前を見張りが通っても気が付かれない。アスファルトの道では無駄なので草木の茂っている場所を通って、見張りと戦闘せずにその場を通過したい時に使えば効果的だ。
幾つかのミッションで見られる制限時間については緊張感を高める意味で良い試みだと思うが、どうせならば全てのミッションでON/OFF出来るようにしても良かったのではないかと感じる。またミッションが「ストーリーとして連続しているのでメンバーも装備も変更出来ないケースがある」というのはアクセントとして面白いが(これは他のゲームでもあるが)、1箇所だけでしかも非常に長い場所というのはバランスとして変な印象。
ダメージの大きさがあるのでアクション・シューティングの様には楽しめないと繰返し述べては来たが、それでもこのゲームはTactical系ゲームの中では相当アクション寄りの要素があって新しい感触を持っている。今までに存在しなかったようなタイプのゲームを作成したい、という製作元の挑戦は成功していると言えるのではないか。予算的な問題からか細かな詰めに甘い部分もあるものの、一度始めたら止められない面白さを持っているのは確かだ。
<問題点>
ミッション全体の質がもう少し高ければという感はある。特にインドア系ミッションは変化に乏しく、もう少し工夫して欲しかった所。それとアウトドアに関しても、これはグラフイックとの関係もあるが、全てがもっと違う様に変化を付けて欲しかったというのがある。森系の物は出来が良いのだが、スタンダードな物はちょっと構成が似ている部分が有って残念。
隊員の成長度に比して後半のミッションは難しくならない。よって後半から終盤に掛けてやや物足りなさが残る構成だ。更に難易度を上げてもっと厳しい物にするべきだった。これは隊員を死亡させて進む人や、マルチプレイでのバランスに考慮した物かもしれないが。
隊員の構成についても疑問が残る。隊員ごとに特性(タイプ)が3つに分かれてはいるのだが、この点にそれほどの違いを感じられない。他のゲームだとSniperはSniper、DemolitionはDemolitionと明らかに違う能力という風に分類される物が多いが、COはそれなりに何とかなってしまうというレベルである。特に隊員が成長してしまうと更に差が分からなくなるので、隊員選択の面白さは少々薄い。これもまた最初は結構変わるので選択の妙があるが、後半大味というのは変わらない。
ミッション前のブリーフィングにしても結構大雑把で内容が掴みにくい物がある。やるべき事は明確だが、隊員としてどのタイプを選べば良いのかとか、武器の構成はどうすれば良いのかとか、そういった情報はあまり与えられないのでやや不満。マップがある物は事前にそれを見られても良いと思うのだが。
もう一つちょっと面倒だなと感じるのがミッションの管理システムだ。例えば一度クリアしたミッションは一覧から選択出来るとかにしてくれればと思うのだが、このゲームではセーブを読み込まないとそこへ行く事が出来ない。ミッションが終わるごとにAutosaveは行われるものの、任意のミッションを簡単に選びたければ終了毎にM2,M3と言った名前を付けてSaveをしておかないとならず不便に感じる(それ以外の方法としてはLANでマルチを起動してCoop形式でプレイするかになる)。
I/Fや操作系にも問題は結構多い。例えばアイテム系の操作。まず直接隊員同士での受け渡しが出来ない為に一度DROPしてからもう片方が拾うのだが、この落とす場所が自分の周りにランダムに散らばるので、場所によっては見失う可能性もある。また死体を調べるのが重要なのだが、この時に死体が重なっているとかなりこの操作がやり難い。
ヘルスの表示方法も変っており、左腕に付けられたバンドに表示されるのだが、これが見えなくなる事が有る(アニメーションで腕が動くので)。それとこの更新が若干の間をおいて行われる為に、危ないと思った時にMedikitの使用キーを押すタイミングが間に合わなかったりとかという事も。
ハシゴの操作は落ちにくくなっていてそこは良いのだが、降りる時がちょっと分かりにくい。上を向いて普通に降りないと、下を向いたままで降りるとハシゴから離れられない。ジャンプキーで離れる事は出来るがヘタをすると高い所から落ちてダメージを食う。或いはハシゴに背を向けて下を向いて降りるかになる。急な坂を登れるかどうかは姿勢にも影響するし、逆に降りる時は勢いが付き過ぎるとダメージを受ける事があるので注意が必要となっている。
バグとして非常に厄介な問題点は、壁を通して検知されてしまう事が有るという点。壁の厚さにもよると思うのだが、壁を挟んで向う側から認識されたりこちらがしたりと言った現象が起きる。例えば壁際を歩いている時に向かい側のAlienの卵が反応して孵ってしまったりとか。まあAlienの場合は人間では無いからという風に考える事も出来るのだが、敵のAIが壁を通してこちらを認識して、壁を挟んだ状態にも関わらずこちらを撃って来るというのは困り物。また味方AIも同様で、壁が目の前に有るのに向うの相手を狂った様に撃ちまくるという現象が起きてしまう。
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