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SYSTEM

難易度
 Just a Flesh Wound, Damage Control, Heroic Measures, Flatlinedの4種(Easy>Very Hard)。難易度はプロファイルによって管理される方式となり、プレイ中に一旦ゲームを終了させてからプロファイル内の設定を変えて、その後再度ロードすれば途中でも難易度の変更が可能である。

 ただ今回新たに試してみた印象としては、難易度を変えてもあまりハッキリとした違いが判らない。敵のHPと攻撃の正確性が変化するようなのだが、こちらの被弾ダメージには変化が無い様なので、ちょっとプレイしただけでは明確には差が感じられないレベルである。

SAVE&LOAD
 チェックポイント方式を採用。任意のセーブはクイックセーブを含めて不可。履歴としてはマップの最初のみを保存し、マップ途中のセーブポイントはメニューの中のResume地点を上書きして行く方式。セーブした際の表示が小さい為に、何時行なわれたのかが明確に判らないのはちょっとした問題点である。

OBJECTIVES
 現在の目標はテキストにて参照可能。方向を示す機能は持っていないが、そもそも道に迷うようなデザインでは無いので特に問題は無いと思われる。基本的には緑色のパネルを探してUSEすれば扉が開くといった形で進んで行く。

EXTRAS
 アンロック要素の類は存在しない。


体力&治療
 HPはブロック式で、各ブロック単位であればダメージを受けて減っても一定時間後に復旧する。ブロックの数は最初は4個だが、最大で6個まで上昇させる事も可能。最後の1個になるとアラーム音が鳴って知らせるようになっている。

 消えたブロックを復活させる為の治療はMasonが持つ医療用のツールを使用する方式で、内部に収納される治療用カートリッジ1個に付きブロック1個分を復旧させられる。カートリッジは主に敵が落とした物を回収し、最大で8個まで同時所持が可能。これは何時でも適用は可能だが、以下の様な制限を持っている。

*適用動作には一定の時間が必要なので敵の正面等ではやり難い
*適用は武器をHealing Toolに持ち替えて体内に注入する方式なので、その間は攻撃が出来なくなる
連続して適用すると副作用によって短時間だが視界が残像が残った様に歪む。これは連続回復ブロック数が多くなるほど顕著。
*カートリッジは最大で4個までしかHealing Tool内部に装着出来ない為に、場合によっては詰め替えのリロード動作が入ってしまう

WEAPON
 ゲームの最大の特徴とも言えるのが武器のアップグレード機能。6種類の武器と治療用のツールの計7種はそれぞれが三段階に改造が可能である。この他に接近戦用の武器となるBone Sawと、ゲームの最後に登場する特殊な武器が存在するがそれは改造不可。Grenadeは存在しない。
 改造にはWeapon Energy Cores (WEC)という物を使用するシステムで、これは一種のエネルギー・アイテムであり、改造レベル数に応じた数が必要となる。Level 1なら1個、Level 3への改造なら3個必要という具合。この改造は何時でもメニューを呼び出して行なえるが、一度行った改造を戻す事は出来ない。

 一つの武器を最大レベルまで改造するには1+2+3=6個のWECが必要となる計算になるが、WECの半分程度は脇道に置いてあったり、シークレットの様にマップ内に隠されていたりするので、そう簡単にアップグレードが出来る訳ではない。どの武器を最大まで改造するか、またはどの武器を優先して改造して行くかといった点はプレイヤー任せなので、自由度の高さとリプレイ性を兼ね備えているというのが製作側の主張である。実際問題として全てのWECを発見すれば全武器を最大限まで改造が可能なのかは(各6個×7種 = 42個必要)定かではない。


武   器


LEVEL 1



LEVEL 2


LEVEL 3

Bulldog
(Assault Rifle)
連射能力UP 命中精度UP  ダメージUP
Frag Rifle
(Shotgun)
リロード速度UP 外れた分の破片弾が周囲に残り
次の弾の際に吸い寄せられて
ダメージを増加させる
敵が死亡後も破片が残り
別の敵への攻撃の際に
ダメージを増加させる
Grenade Launcher リモート爆破機能 周囲の金属片を集めて飛んで行き
爆発の際のダメージを増加
敵に貼り付く機能
Plasma Rifle 溜め撃ちすると
周囲の敵に攻撃を加えながら飛ぶ
球体を発射する
張り付いてしばらく残り
近付いた敵を自動的に攻撃する
球体を発射する
最終的に爆発を起す
球体を発射する
Sniper Rifle
熱探知ビジョン


クリップサイズUP


ダメージUP

Rocket Launcher 熱探知追尾機能 同時に2人の敵をロックオン可能
分割された弾頭を発射
同時に4人の敵をロックオン可能
分割された弾頭を発射
Healing Tool
適用時間の短縮


ブロック数を5個にUP


ブロック数を6個にUP



GAMEPLAY
 全18章から構成されており、8-10時間程度のボリューム。飛ばせば6時間程度でもクリア可能と思える。別に短い事が悪い訳ではないのだが、発売前は12-15時間程度といった話をしていたので、その意味でプレイした人から話が違うといった批判が起きてしまったのは確か。

 アウトドアとインドアの比重は7:3程度で、アウトドア中心のデザインとなっておりそのロケーションは多彩。疾走する電車や飛行機上での戦闘なども存在している。進行ルートはほぼ完全な一本道となっており、WECや弾薬が置いてある脇道やシークレットが幾つか存在しているのみ。パズル要素も希薄で詰まる場所は少ないだろう。リプレイ性をどう考えるかは人によって異なるだろうが、具体的な変化としては武器の改造をどうするか以外には存在していないゲームである。
 発売前にはプレイヤーはKarinaと一緒に協力しながらゲームを進めて行くという設定だと聞いていたのだが、実際には一緒に行動するシーンはほとんど存在せず単独行動がメイン。その他のNPCと一緒に戦うというシーンも含まれていない。


 ゲームは非常にストレートなアクションFPSとなっており、ステルス要素の様な物は存在していない。

*照準はコンソール系の大きなサイズとなり、敵にピッタリ合うと色が赤くなる
*命中率を高めるズーム機能有り(武器による)
*Leanは出来ない
*武器の所持数制限はシングルプレイには無い(マルチプレイは2個)
*動きながら撃っても照準の広がりは無し
*短時間ならダッシュ可能。その間は武器は撃てず視界もボヤケる。
*敵の落としたアイテム系は時間が経つと消える

 照準のサイズについては弾の散らばりを示しており、Bulldogではしゃがめば狭まったりと視覚的にもハッキリと判る。だがその他の武器ではそういった変化が無い物が多く、例えばFrag Rifleではしゃがんでも命中率は変らないようだ。Autoaimの設定は存在しており、おそらくゲームパッド使用時に有効になるのだと思うが(照準の中に入っていれば当る)、私の環境ではゲームパッドが認識されないので検証出来ず。照準は正確に敵に合っていなくても若干のズレ程度ならば赤くなり、その状態で撃てば当るのでPCの一般的なFPSに比べるとアバウトな印象は受ける。FOVは70と狭い設定だが、メニューからの変更は出来ない。

 FPSとしての基礎部分の出来はかなり良く、アクション重視のFPSとして爽快感も高い。サウンドを含めて銃を撃っている感覚は良好だし、敵に当たった際にはリアクションのアニメーションやBloodのエフェクトが加わるので当っているのかも識別し易い。爆発にや銃撃によって敵が吹き飛んだりというラグドールのエフェクトも用意されている。移動速度はそれ程高速では無いが特にストレスは感じないレベルだし、弾薬数も相当豊富なので撃ちまくる事が可能。
 難易度としてはNormal(Damage Control)設定ではやや簡単な部類に入る。そこそこMedikitが多いのでそれを貯め込んで、危なくなったら何時でも適用出来るので死に難いバランス。難所としてはボス戦的な数ヶ所のみという印象であり、任意にセーブが出来ないという点もあまり気にならないと言える。FPSに慣れた人ならHard以上の難易度から始めても良いだろう(不味かったら途中で変更も可能だし)。

 武器による能力格差は大きい部類。Bulldogは最高レベルにすると非常に威力が高く効果的。また敵がカバーに隠れると動かなくなる傾向が強い点から、Sniper Rifleは極めて効果的な或る意味では強過ぎる能力を持っている武器と言える。他にこのゲームではGLの破壊力と使い勝手が良く、敵を宙高く飛ばす爽快感も持っているので誰に取っても多用する武器となるはず。Plasma Rifleは基本のビーム弾は使っていて面白いが、改造すると可能になるエネルギー弾攻撃は最高レベルに達するまではあまり効果的でも便利でもない。
 一方でショットガンに当るFrag Rifleは近距離では威力はあるが、何故か敵がラグドール効果で吹き飛ばないので爽快感に欠ける。そして他の武器を使ってしまえば間に合うので必然性も魅力も薄い。RLも単発式のタイプで最大で4発しか持てないので威力と効果は今一つ。通常のFPSの様な爽快感を持ったRLでは無い。破壊力は確かに有るのだが、ロックオンするまで敵の前に出ていないとならないのも問題。

 AIは基本的にUnrealエンジンの物を使用。これにチーム行動の能力と、カバーを見付けてそれを使える能力を組み合わせている。敵の種類は一部ロボットや自動砲台系を除くと人間のみとなり、盾を持っていたり火炎放射器を使って来たりとタイプはそこそこ用意されているが、バラエティさにおいては物足りない感もある。一応その種別によって使われるAIの思考ルーチンが異なるようで、序盤はあまり動いて来ないし攻撃を受けても突っ立ったままの弱い奴が多く登場するが、徐々に動き回って狙い難くしたり、積極的に向かって来るタイプも増えて来る。カバーに隠れて攻撃は行えるがリアルタイムでの判断機能は持っておらず、予めアサインされた移動ルートを通って動けるのみの様だ。配置されたルートをこちらに気が付くまでは巡回しているか、或る地点に到達するとスクリプトによって出現するという方式になっている。
 問題点としては、まず確かにカバーを使う事は出来るのだが、それを過信する傾向にあって一度隠れると動かない事がほとんど。よって御互いが隠れた状態からの撃ち合いが多くなったりするのだが、このゲームの敵の命中精度はそれ程高くないので、そうなるとこちら側の方が相当有利になってしまう(こちら側は撃たれても隠れさえすればHPが回復するので)。それとカバーからの射線が通るのかの判断が変になり、目の前の障害物に攻撃を当てて自爆というケースも時折見られる。或いは近距離に居るのにこちらを認識出来ないというのも偶に有った。他にはバランス調整の意味と思うがロケットを持った敵兵士の反応や動作が鈍くされており、それがちょっと鈍くし過ぎではないかという位に遅い。後はAI同士が戦っているマップにおいては、その戦闘はお互いにノーダメージとなっており、プレイヤーが何かしなければ同じ事を何時までも続けているという設定で見た目に不自然。
 総合的には優れているというレベルには達していないが、アクションFPSの敵キャラとして見るなら合格点を与えられる出来。手応えの無さは難易度を上げて調整する事になる。


 ゲームがメインに据えている武器のアップグレードについてだが確かにこれはシンプルなゲーム性に独自の色を添えるという意味では機能しているし、プレイヤーによる自由度や変化を付加して面白い要素としても働いている。それは評価出来るのだが、実際には問題に感じられる点も有ってそれ程上手く行っているとは言い難い。その理由とは、根本的にアクション系のFPSにおいては武器の威力や爽快感は非常に重要な要素となっているのに、それに制限を掛ける様な形になっているからである。プレイヤー側があまり戦闘が強くないという設定のゲームだと話は変わって来るが、そもそもアクション重視のタイプとは噛み合わないデザインに思える。
 ゲームの進行に応じて誰に取っても武器がアップグレードして行くのならば問題は無い。しかしこのゲームではWECをどれだけ入手出来るのかが改造度合いに関わって来るというシステム。そして改造するとパワーアップする以上は低いレベルでは能力制限をしないとならず、それは武器の弱さや爽快感の減退に繋がってしまう。よってWECを探さないで直線的に進めるプレイヤーに取っては、製作側が想定する平均レベルよりも低い性能の武器で最後まで戦い続ける事になり、武器がショボくて爽快感の感じられないゲームと受け取られてしまう危険性がある、と言うか実際にそういうケースも多かったようだ。

 難易度設定との関係についても問題あり。WECを必死に探さなくてもクリア出来るようにする事を考えたら、それ程設定を高くする訳には行かなくなる。しかしそうなると今度は積極的に探してパワーアップを推し進めたプレイヤーに取っては簡単なバランスになってしまうという問題が生じる。普通のFPSではその時点でどんな武器を持っているかはほぼ固定なのでバランスを取り易いが、プレイヤーによって改造度合いが変化するとなるとそれが出来ない。一応難易度を途中で変える事が可能なのは救いだが、その辺を行なわない(変えられるとは知らない)プレイヤーに取ってはアンバランスなゲームに映ってしまうという面を持っている。
 逆に難易度とのバランスを考慮した故に生じている問題点も存在する。どうやら武器のアップグレードによって極端に性能が変化してしまうと上記の様な難易度バランスが取り難いと考えたらしく、あまり派手に性能がアップするという武器は少ない。その為に折角集めたWECによって武器のレベルを上昇させても、あまりそれによる性能アップの満足度が感じられないという風にもなってしまっている。


 マップ内のオブジェクトの幾つかは破壊可能となっており、敵の隠れたカバーを破壊したりとか、柱であれば削って壊してしまうといった行為が可能。一部大きな建造物ごと壊せるという箇所も存在している。ただほとんどの場所では破壊して壁や建造物自体を壊すというのは無理で、例えば柱ならば周囲のコンクリートは壊して細く出来るが、メインの骨組となる支柱部分までは壊せない(出来ないというよりも、やってみたがそれは詰まらないという事からこういう仕様になったそうだ)。
 これらの破壊された物体には当たり判定もあるので、オブジェクトを破壊して敵の頭上から降らせたりするといった攻撃も一応は可能。ただし実際に狙える場所はあまり無いし、下手をすると自分自身がダメージを受けてしまう可能性も持っている。なお使用している物理エンジンはKarmaではなくHavok。

 4種類存在するVehicleでの移動や戦闘も導入されているが、あまり効果的ではなく面白くも無いという印象を受けた。操作性が良くない上にマシンガン系の武器の命中率が悪くてストレスが溜まるし、更には破壊された時に乗っていると即死なので、必要で無い場合には降りて戦った方が早いというレベル。逆に人の運転する車で攻撃を担当するシーンでは簡単過ぎて詰まらない。上手く操作出来ないとクリア出来ないといった箇所は無いので欠点とまでは行っていないが、単なるアクセント程度に留まっており上手く活用は出来ていない。

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