<GRAPHICS>

 発売当時のQ2のグラフィックスは類する物が無いほどの高水準で、John Carmackを中心としたidの技術力の高さを改めて世界に示す物となった。APIには1と同様にOpenGLを使用しており、D3DやGlideを使う他のゲームとはまるで異なった路線を歩んでいた事になる。ただしその分非常に重くて、相応のクラスのビデオカードが無いと快適には遊べないという欠点は持っていた。登場から年月が経った今となってはごく普通の重さ、そして出来となってしまっている。

 前作はとにかくダークなグラフィックスだったが、それに比べると雰囲気は大きく変わった。全体的に無機質で冷たい感じのグラフィックスとなっている上に、金属系をイメージした場所が多いので質感も相当変わっている。赤や青のライティングは一部にしか使用されていないし、茶系統色が大量に使われているのでやはり明るいというイメージはないのは同じ。ただしSFという設定からすると別にもっとカラフルな物を使っても問題は無かった筈で、全体を通して同じ暗い色調が延々と続くというのは難点。これでかなり印象としては損をしていると思う。しかしいずれにしろ当時ではトップクラスのグラフィックスであり、Q1で初めて見せてくれたモニター上に構築されたリアルな3D世界を、より現実味の感じられるレベルに高めたという点で評価されていい作品である。

 建造物のデザインは確かにUnit毎に変えてあるがそれほど大きな印象の変化はない。舞台はほとんど同じインドアだし、もう少しバラエティに富んだ構成にして欲しかった。イメージの統一という点では確かに効果を上げているかも知れないが、飽きが来るのが早いのも確か。テクスチャの細かさや質という点では大きく前進していて綺麗であるが、キャラクタに使用されている部分はそれほどでも無い感じである。
 キャラクターの造形と動作アニメーションの細かさは相当1から進歩している。特に敵が倒れたり首が取れたのに再度攻撃してくるといった演出は印象的だった。ただしいずれも今見る分には時代遅れという感はある。

 エフェクト系ではそれほど新しい事をやっているという感じではなかったが、ダイナミックライティングが非常に綺麗だった。水の表現も良くなっているが、爆発系のエフェクトは大雑把でちょっと減点。武器エフェクトもそんなに感心した憶えは無く、唯一BFGのカッコ良さだけが印象に残っている。どちらかと言うとQ2は画像が細かくシャープになったという点でのクオリティが高く、エフェクト系にはそれほどの進歩は見られないというゲームになるだろう(1を既にGLでプレイしていたユーザーには)。

 それとストーリー性を高めるという意図で導入されたムービーは、画質や内容的に当時のレベルで見てもクオリティは低く悪い出来である。





<SOUND>

 バックに流れるBGMはQ1とは変わって硬質なヘビーメタルサウンド。こういったテイストのゲームにこういうサウンドというのは別に問題無いのだが、テーマ曲等数曲を除くと他はそれほど出来は良いと思えず、当時もBGMはOFFにしてプレイする事が多かった。今となってはもっとテクノ調でも良かったような気がする。

 エフェクトについては前作からあまり変化がないものの、合格点は挙げられる水準である。ただし3Dサウンドが普及する前の作品なので、最新ゲームに比べるとやや寂しい感じがする。SB Live!だと、プリセットに用意されているQ2用サウンドパラメータで反響音を加えるか、EARといわれるオフィシャルではないサウンドパッチを当てる事で3Dサウンドにする、という選択肢が用意されている。


<英語>

 ゲーム途中に何度か長文のメッセージが表示されることがあるが、基本的に無視しても支障はない。F1キーにて表示される短い簡単なミッションのメッセージが理解出来ればそれで十分である。



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