シ ス テ ム |
キャンペーン 難易度はEasy / Medium / Hard の三種類。プレイ中に何時でも変更可能。チャプター単位でのリプレイ機能は無し。 セーブ&ロード どこでも自由に行える。オートセーブはマップの先頭でのみ行われる。オートセーブ&クイックセーブの履歴は各1個。問題点としてセーブ画面にはセーブ箇所を20個までしか表示出来ないため、古い物はデータとしては存在しているがアクセスは出来なくなる。 OBJECTIVES マップやコンパス機能は持っていない。現在の目標が表示される事はあるのだが、一度表示された後は再表示が出来ないので見逃すと不味い事になる恐れもある。なおPDAは持っているがほとんどのケースでアクセス出来ない為、今何をするべきなのかをテキスト表示で再確認したりも出来ない。 英語 字幕機能あり。ムービーや一部の会話には付かないが、それ程ないので大きな問題では無い。 |
GAMEPLAY |
全21レベル。難易度MediumとHardを切り替えながらで6時間程度とボリュームはそれ程ない。 スタンダードなアクションFPSで、特別に変わった要素は持っていない。ゲーム製作に取り掛かった当時のFPS業界は90年台後半のシンプルなアクション物からの変化を求めて、ジャンルミックス等の新たな可能性にチャレンジするゲームも増えていたが、製作チームは90年台のFPSのファンだったので、近年そのタイプが減少しているのに反発する意味でも、このゲームはストレートなアクションFPSにしたという話である。 設定はSFで舞台は架空の惑星となり、ロシア産だがロケーション的にもロシア色は感じられない。SF設定のシンプルなアクションFPSであり、ハードロック調のBGMが鳴っている事からもQuake II辺りを連想させる。ロケーションはレベル単位で変えられており終盤には別の星に行ったりもするのだが、大半がインドアの施設なので大きな変化は感じられない。 ストーリーは割と凝っており、最初はこの事件には無関係そうに見えた主人公と、敵役である企業との関係が徐々に解ってくるという形を採っている。その謎が解けてからの展開もちょっとカオスでユニークではあるし、企業の秘書アンドロイドHelgaも時折する会話がバグっており面白い。ただし演出としては低予算故にシンプルであり、レベルの合間等に字幕付きの会話だけで延々と説明がなされるという形式で(良く言えばModern Warfare風)、質素過ぎて盛り上がりに欠けると言わざるを得ない。おそらく多くの人が理解するのを面倒臭がってスキップしてしまうだろう。主人公がフラッシュバックの様にして見る映像と、未来の出来事が突然幻覚の様にして見えたりする様な演出(赤い画面になる)はあるが、それ程効果的には働いていない。 謎解きの要素はほぼ無く、昔のFPSの様に頭を使うのはルート探しが主となる。これは90年台のFPSに比較すれば簡単な部類だが、それでもどうやったら次に進めるのかしばらく頭を悩ませる箇所は幾つか在った。これには必要なアイテムが見え難くて良く探さないと気が付かない, Useキーを使った際に明確な反応が無いので、それが有効だったのかが判断し辛い, チュートリアルやヒントが一度表示されると消えてしまう上に、それが読めないという状況がある、といった問題も絡んでいる。 一つだけだが車両を運転してゴールを目指すレベルがあり、死に易いという点ではここが一番とも言える。ただクイックセーブが可能で、ロードするとダメージが回復した状態からリスタート可能なので、それを利用すれば難易度は大きく下げられる。なおここは敵車両のパーツが一部表示されなかったり、演出なのか不明だが空から敵の車両がスポーンしたりと、問題を感じさせるレベルともなっている。 |
BASICS |
*武器は全て持ち運べる *照準は90年台スタイルの固定形式。移動や連射でも一切変化せず常に撃った場所へと弾は飛ぶ。 *リコイルも同じく無し *アイアンサイトや左右へのリーンは無し *ジャンプはフワリと浮く感じでやや風変わり *スプリントは無し。Walk / Runの切り替え式で、Always Runにも設定可能。 *ヘルスはアイテム回復方式 *アーマーの概念は無い *パワーアップアイテム(メガヘルス, ダメージ倍加, 無敵等)は無し ヘルスの回復に使用するのはRumと呼ばれる特殊なドラッグで、一個あたり+25の回復量を持ち15個まで携帯する事が出来る。適用は任意の時に行えて一瞬で終わる。変わっているのはこのアイテムの使用システムで、このゲームでは基本的にプレイヤーが死なないようになっている。どういう事かというと、普通だとどれだけ携帯用メディキットを持っていようがヘルスが0になったら死亡するのに対して、このゲームではラムの適用は自動である。 プレイヤーのヘルス値が0より少なくなると(1ではなく0が最小値で0では死なない)自動的にラムが消費される。例えばダメージでヘルスが-10になったら、+25のラムが1個同時に消費されてヘルスは+15になるという意味。(これが行われた場合には画面が赤くなってプレイヤーに知らせる)。つまりラムが無い状態でヘルスが0より少なくなった時に初めて死ぬという仕様である。インタビューではクイックセーブ/ロードの多用に否定的な見解を述べているので、なるべくゲームプレイを切らないようにするという意図からのデザインなのかもしれない。或いはクイックロードが遅いので、それを考慮しての設定とも考えられる。 そしてこのラムは別の使い道を持っており、それは定番のスローモーション能力となりアドレナリン効果とされている。このゲームのスローはプレイヤー側も同じくスローになるという方式なので(照準を動かす行為だけは通常速度で行える)、非常に強大なパワーを発揮する事は出来なくなっているが、持続時間は結構長いのと(画面下部にバー表示されて7秒位)、ラムが有る限りは連続して使用可能という利点は持っている。 もう一つラムの持つ能力というのか、正確には副作用という設定なのだが、上記どちらの方法でラムを使ったとしても画面左下に赤いバーが伸びて行くようになる。これは時間経過では回復せず、8個分使ったところでフルとなり過剰使用の副作用が発生する。この状態では画面がモノクロになり、銃器は使えなくなる。その代わりに素手による打撃攻撃で全ての敵を一撃で倒せるというパワーを発揮出来る。持続時間も結構長い。(視覚的には何かの光線を出しているかの様で殴ってはいないし、敵は分解された様に一瞬で消え去る為、Painkillerのデーモンモーフを連想させる)。 よって副作用とは言ったがプレイヤー側に不利となる能力では無い。しかしその間でもダメージは受けてしまうのと、周囲が全然見えないのでそのまま進むとアイテム類を見逃す恐れがある。そしてその間に表示されたヒントのメッセージ等を読む事が出来ないというのは欠点。 弾薬はエネルギー式で、青と黄色の2種類だけを兼用するシステムとなる。武器によってどちらを使うのかは異なり、威力の高い武器ほど一発あたりの消費量が高い。おそらく最も消費量が高い武器の使用可能弾数が99になるまで弾薬を取れるのだと思うのだが、同じタイプの弾を使うサブマシンガンは三桁しか表示出来ないので、999以上になった場合にはそれ以下に減るまでカウンタが変わらないままとなる。 以下はバグ及び問題点。 *プラズマガンの弾数表示が減らない(バグ、もしくは連続使用可能なので弾数は変わらないという仕様なのかも) *キー設定画面にて、武器とキーの設定が一致しない物が在る(グレネードにキーを設定しても、それはグレネードの選択キーにならない等) *落下ダメージの判定が時々おかしく、普通は問題無いのに突然高ダメージが入ったりする *一部の階段は上り辛い *マップ外の視点に頭が突き抜けてしまう箇所がある *ホイールによる武器切り替えが効かない(少なくとも私の環境では) |
COMBAT |
武器は7種類+グレネードが2種類。ピストル, サブマシンガン, ショットガン,
マスドライバー(ロケットランチャー), スナイパーライフル, アサルトライフル,
プラズマガン, グレネード, EMPグレネードとなり、一般的なラインアップで特に変わった物は含まれていない。 幾つか簡単に特徴を書くと、ショットガンはそれ程威力が無くて序盤程度しか使えず、後半は(Mediumで)三発当てないと死なない敵が増えるので弱体化する(装填数が五発でリロードも遅い)。マスドライバーは強力だが一発毎にリロードなので、敵が多い際には使い辛い。また命中判定の範囲が狭く、正確に当てないと敵をすり抜ける様な感じで外れてしまう。プラズマガンは連射が可能だが、撃つまでにややウェイトがあるのと視界が妨げられるという欠点を持つ。よって手に入るのが遅いとはいえ、アサルトライフルが一番使い易い武器となっている。 銃の狙いは(散りとして設定されている以外は)正確に照準の位置へと飛ぶし、リコイルが無いので狙いも付け易いのだが、敵の攻撃が被弾すると視界が揺さぶられるという要素を持っているので、何の障害も無く狙えるという訳ではない。 戦闘全般の感想になるが、一番の問題は難易度の設定である。難易度Mediumでは前半戦が簡単過ぎる設定で、最初は序盤だからと考えていたのだがずっとEasyの様なバランスで続いて行く。回復用のラムも15個フルの状態が長くて取り切れない事が多い。レベル09辺りから難易度が上がってラムの数も10を割ったりする状態が起きたりする様にはなるが、それでも平均的なMediumの難易度に比較すると易しい部類である。ヘルスとダメージのバランスが取れていると感じられるのは終盤のみ。よって先に書いたようなシステムから、運転パートを除けば最後まで一度も死なないでクリアするというのもそう難しい事では無い(上手く行かずにロードし直すケースは在るだろうが)。 簡単な理由としては、被ダメージ量に対してヘルスの量が多いという他だと、弾薬が異常に多いというのも影響している。弾は兼用だがほぼ残弾数を気にせずに使える程度には有るので、プレイヤー側の攻撃力が最後まで落ちない。特にスナイパーライフルが非常に強力で、大量のエネルギーを消費するのに加えて一発毎にリロードとなる欠点を持つが、ほとんどの敵を一発で倒せるほどの威力を持ち、またズームしなくても撃てるという利点もある。よってこの武器の弾に余裕がある状況だと、ゲームが異様に簡単になるバランスブレイカーと化してしまう。 幸いな事にこのゲームでは何時でも難易度変更が可能にされているのだが、残念ながらこの機能もこのバランスを救うまでには至っていない。と言うのは易しいからとHardにしてしまうと、今度はこれがVery Hardかという位に難しくなってしまうからだ。被弾ダメージ二倍, 敵のHPが二倍, 敵の攻撃の命中精度も上昇という設定となり、オープンな場所での撃ち合いが一気に厳しくなる。更に後半の難易度の上げ方が、プレイヤーが今通って来た背後を含めて空間に突然沸いて出るという不意討ち方式が増えるので、初見では死角から滅多撃ちにされたりとほぼ憶えゲーとなる。 ラムが自動適用されるので死なないというのも逆に厄介となり、一度に5〜10個程度減らされるのはザラになるが、それだけ減った物を補充出来るほどラムは用意されていない。よってそのまま続けてしまうと詰む危険性が高い。だから大きく減らされたらやり直すべきなのだが、それには1エリアをクリアしたらクイックセーブの繰り返しという戦法が必要になってしまい、またロード時間も長いのでかなりのストレスとなって面白くない。 推奨としてはHardで開始して、難しいと感じた所からMediumに変えるという方法が良いと思う。 スローモーションは敵が多い際には有効だが、これを乱発しないと辛いというほどには難しくない。モノクロの副作用モードは大変に強力ではあるのだが、自由なタイミングでは発動出来ないので、意図しないタイミングで発動してしまって倒そうにも周囲に敵が居ないというケースも時々ある。例えば後一個で発動するのでヘルスの回復を控えていたら、被ダメージで自動適用されてしまって発動とか。 敵に当たっているのは出血のエフェクトで判断出来るが、血煙といった感じで広範囲が赤くなるので前が見えなくなるという問題があり、またベッタリという風にまだ戦っている敵の体に血が付くのもリアリティにも欠ける。同様にゴア要素も在るのだが、こちらは飛び散った肉片等の表現が原始的過ぎて酷いというレベル。ラグドール表現はあり。 Meqon physics engine(後にAgeiaに吸収される)を導入しており、マップ内の多数のオブジェクトに干渉が可能になっている。Useキーで掴んでからFireで投げる事も出来て、重量とスピードによって計算されるダメージを敵に与えられるようにもなっている。爆発性のオブジェクトもかなり多いので、これを投げたりして移動させてから撃って爆破といった作戦も採れる。 この物理エンジンによるオブジェクトへの干渉を大きな売りとしていたのだが、2006年当時ならばともかくとして、今となってはもう目新しさは感じられない。別に投げて倒す必要があるほど難しくないし、逆に戦闘時は持ってから投げる間に攻撃されてしまうので得策でも無い。これを利用したパズルも無いので、実質あまり意味が無い物としか感じられなかった。Hardだったら敵の出現パターンを憶えた後に、事前に配置しておいて利用するという手もあると思うのだが(バリケードや爆発トラップ)、それも逐一持って運ぶのが面倒である。 敵の種類は人間が8割を占め、ミュータントやロボットなどはあまり出て来ない。人間タイプはスキンの違い等によって動き方は異なっているが、それ程タイプは多くなく、プレイ時間が短いので救われているとも言える。ミュータント系も同様で、もっとバラエティに富んでいる方が良かった。この手のクラシックなアクションFPSでは、やはりモンスター系主体でその能力をユニークな物にする方が効果的だと思うのだが、このゲームではその反対の路線を行っている。なおボス戦は最後のみで、戦闘が単純で且つ簡単なので満足感が足りない。 AIは昔風のFPSと割り切るなら許容範囲内。オブジェクトに引っ掛かる, 近くにオブジェクトを持って放っても反応しない, 自分の視界内で味方が撃たれても、こちらを見付けていないならば反応しない, 視界外からだと自分が撃たれても反応しない時がある等の問題あり。こちらに向けて突っ込んでくるタイプは移動地点をまず決めるらしく、進路上のプレイヤーにぶつかっても打撃攻撃に切り替わるまでにちょっと間がある。巨漢タイプはあまり動かずに撃ってくる事が多く、痩せ形は左右にステップしてこちらを幻惑する能力は持っている。だが総じて非常に単純であるのは間違いない。 |
GRAPHICS |
自社製のエンジンを使用。全体的にクオリティは高くなく、Pixel Shaderを使っているが数年前の第一世代と同レベルという印象。 ワイドスクリーンには対応している。グラフィックスの設定項目はアンチエイリアス, テクスチャのクオリティ, シェーダーのクオリティしかない。 |
SOUND |
まずメニュー画面が全くの音無しでトラブルかと思わせる。 ハードウェアによる3Dサウンドに対応(APIは不明)。しかし敵の話声が壁等を透過したりと紛らわしい面も感じられた。 銃の音などはまあ普通だが、エネルギー系弾薬なので実弾系の音が好きな人には向かないかも。BGMはレベル毎に異なるがハードロック系が多く使われており、これは割と良い出来だと思う。 キャラクターのボイスの方は変だったり棒読み調だったりで良い出来ではない。 |