BOTTOMLINE

[PROS]

◎FMVによるムービーを長時間収録しており臨場感に優れる
◎3D世界を自由に動き回れるアドベンチャーゲームとして、時代を考えると先駆的な存在
◎複雑で凝ったストーリー
◎多彩で美しいロケーションが豊富
◎パズルのタイプがバラエティに富んでいる
◎敵の種類が多くデザインも良い
◎キャラクタのアニメーションが優れている
◎環境音やエフェクト音のクオリティが高い



[CONS]

×3D化した為に静止画として見ると画質が粗く、取れるアイテムと背景画の区別が付け難い
×完全3Dではないので下方のアイテムを見落とす恐れがある
×常にはマウスルックが行えない仕様
×FPSとしては簡単で手応えが無い
×敵のAIに問題あり
×マップの参照がやり難くて不便




 臨場感やストーリーが良く出来た作品であり、時代としてはグラフィックスのレベルも優秀で、ゲーム内世界への高い没入感を実現している。1997年発売のアクションゲームの中でベスト5には確実に入る傑作だと言えよう。FMVを長時間使用しているという特徴がどうしても目立ってしまうし、実際にその点でユニークな存在なのだが、単にそれだけでは終わっておらずFMVに頼り切ったゲームでは無い。

 FPS(アクション)とアドベンチャーのハイブリッド作品となるが、優れているのはアドベンチャーのパートの方。こちらに属するストーリー, 世界観, 謎解きの要素等は出来が良い。一方で戦闘の方は敵のアニメーションやデザイン等の見るべき点は持っているものの、簡単なバランスで敵のAIも駄目と凡庸な出来映え。その為にアクションFPSとして楽しみたいという人には率直に言って向かないゲームであり、謎解きを重視したアドベンチャー要素が好みという人にお勧め出来るタイプとなっている。

 FPSとアドベンチャーを半々にミックスしたという所が売りでもある訳だが、それが逆に中途半端な物になってしまったという感は否めない。アドベンチャーゲームのファン向けに戦闘を易しくするのは構わないのだが、難易度を上げればアクション好きな人にも楽しめる設定にするべきだった。遠隔攻撃を行うタイプを増やすとか、同時出現数を増すとかやり方は幾らでも在ったはず。


 評価は当時から高かったのだが、それに比較すると知られていないし、また売れてもいないと思われる。その理由としてはまず上記の様なハイブリッドタイプだったので、どちらのファンからも敬遠されてしまったというのが考えられる。次に現在に比較して遥かに情報量が少ない時代だったので、評価の高さが広範囲に伝わらなかったという可能性がある。当時は雑誌メディアが中心だったので、ゲーム雑誌の広告に「こんなに高い評価を受けてます!」といった宣伝を行うのだがメインだったが、その様に派手に宣伝されていたという記憶が無い。最後に雑誌でデモは公開されていたが、これはムービーの紹介みたいな内容で非常に短く、私もそうだったがこれをプレイして購買意欲が沸いたという人は少なかったのではないか。

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