REALMS OF THE HAUNTING

                                                   11/04/05



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製作・販売: Gremlin Interactive / Interplay
発売: 1997/01
日本代理店:
無し



※11/03/30 レビュー掲載
※11/04/05 発売情報を更新



                                 ※ 北米版での評価になります

概  要  英国のGremlin Interactiveが開発したアクションアドベンチャー。代理店は北米ではInterplayで、欧州ではGremlin自身が担当している。同社はスポーツやレースゲームを中心に、開発or代理店として80年代中盤から90年代に掛けて活動していた。Actua sportsシリーズや、レースゲームではLotusシリーズやMoterheadなどが有名である。その後Infogramesに買収されて同社の一部門となったが既に消滅している。


 3DFPSとしての戦闘要素と、謎解きとしてのアドベンチャーゲーム要素を組み合わせた作品で、3D空間(正確には2.5D)内を実際に移動して謎解きを行うアドベンチャーとしては先駆的な位置付けのゲームである。

 FMV(フルモーションビデオ)を採り入れているのが大きな特徴であり、この時代のFPSとしては破格のCD-ROM 4枚組という構成。ゲーム自体のプログラム容量は100MB程度で、残りがムービーに使われている。(その後ゲーム容量のみでCD-ROM4枚組クラスの物が出て来たのは7年が経過した2004年頃)。

 PCのみの発売でシングルプレイ専用。


 ここでCD-ROMのゲームに関して余談を少々。90年代に入ってからPCゲーム用に出始めたCD-ROMというメディアだが、その大容量が特に必要とされていた訳ではなく、ゲームのプログラム容量はまだほとんどが20MB以下程度と小さかった。しかしそれまでの配布メディアだったフロッピーディスクでは10枚組を超えるとインストールが面倒な上に、3.5インチでは重さも馬鹿にならないという事情があって、CD-ROMへの切り替えが徐々に発生し始めた。実際にはその大容量を埋めるだけのプログラム容量を持ったゲームは滅多になくて、主にフルボイスによる音声データを収録するか、CDオーディオによる高音質BGM(当時は演奏データをファイル化したMIDIを使っていたので、どんな風にBGMが鳴るのかはユーザーの音源によって異なっていた。)を収録するという形式であった。

 しかし1995年にWindows 95がリリースされてからは事情が一変する。Win95では初めてCD-ROMを必須デバイスとしたので、制作側はWin95対応のゲームであれば、ユーザーがCD-ROMを持っているのかどうかを気に掛ける必要が無くなった。同様にコンソールの世界でも一足早くプレイステーションとサターンがリリースされており、ゲーム業界はCD-ROMという大容量媒体を活かしたゲーム製作に本腰を入れ始める事になる。その過程で一つの新規ジャンルとして90年代に人気を博したのが、俳優を使用した実写取り込みのムービーを多用するFMV形式のアドベンチャーゲームである。PCの世界ではこの95年からの数年程度のピークの間に、CD-ROM 3〜8枚組程度の実写ADVが結構な数製作されている。

 一方でその他のジャンルではCD-ROMを積極的に使おうという動きはまだ少なく、RTSの世界ではCommand & Conquerがブリーフィングに使用して大きな人気を得たのが有名。RPGではLands of Lore: Guardians of DestinyがCD-ROM 4枚組でムービーを実写にするというチャレンジを行っている。そんな中でアクションアドベンチャーゲームとして、ストーリーを重要視してFMVを多用するという試みを行ったのがこのRotHであり、以後FPSの世界では同系統のゲームが出ていないので依然としてユニークなポジションを保持している。


 欧州版が先にリリースされ、3ヶ月遅れで北米版がリリースされており、その内容には若干の違いがある。特に問題となるのが欧州版では操作キーの設定に自由度が無く、固定されたキーを使わないとならない点。また戦闘の難易度設定は北米版しか出来ない。


 古いゲームではあるが、海外AmazonやeBayではまだ新品を売っている所はある。ただし価格は普通の新品並に高い物が多い。
 (2011/04/05追記) GOG.comにてダウンロード販売が開始されている。


 既に公式サイトは消えているが、非公式のファンサイトがまだ残っておりゲームの紹介や解説を行っている。





STORY  主人公のAdam Randallは半年前に牧師であった父を亡くし、現在は父の住んでいた英国コーンウォールの小さな村に来ていた。彼は父の死後奇妙な悪夢にうなされる事が多くなっており、そこには夢とは思えないほど現実感を持った屋敷と、同じく繰り返し登場する女性の姿が在った。

 そんな時に彼は父の知り合いだというElias Camberなる男の訪問を受ける。その謎めいたその男からは包みを渡されたが、その中には奇妙な形状で不思議なパワーを感じ取れるアイテムが入っていた。そしてアダムは生前の父の行動とCamberの話から遂に夢の中に出て来る屋敷が実際に存在しているのを突き止め、悪夢の謎を解く為に乗り込む事を決心したのだが、それが壮大な善と悪との戦いに巻き込まれる始まりとなった。

 アダムは夢の中に出て来た超能力者レベッカをパートナーとして、様々な善と悪のキャラクターが入り乱れる中、4つの世界を旅して世界の崩壊を防ぐ為に戦う事になる。


PATCH

DEMO
 パッチは存在しないが、UK版を英語版仕様に変換する非公式パッチを提供している有志がいる。


 デモが有ったはずなので調べてみたところ、私の所持する物の中では『PC Format UK』誌の1996年クリスマス号に収録されている。しかし当時はインターネット環境がそれほど普及しておらず、更に回線が細い上に従量課金が普通だったのでデモをダウンロードするというユーザーは少数派で、PCゲーム雑誌付録のCDにてデモを配布するというのが一般的だった。メーカー側もミラーサイト等が無いので、雑誌添付のみでネット上ではデモを配信しないというケースも多かった時代である。

 特にこのデモは204MBもあり、当時ネット上でも配布されていたとはとても思えない(10MBでも大きいと言われていた頃である)。しかしその後何年か経過してからオフィシャルなのか不明だがデモが出回っており、こちらは一応落としてあったのを今回確認して見たが、解凍すると同じサイズなのでおそらく上記のUK版のデモと全く同じ物だろう。

 これはUK版のデモなので操作キーの設定等が出来ず、相当操作性の悪いデモだったのを憶えている。(製品版では治したのだと思っていたが、UK版はそのままだったのを今回初めて知った)。リンクが切れていたりで現在でも落とせる場所が在るのか分からないが、ほとんどがムービーのファイルでデモ自体は非常に短いので無理して探すほどでもないと思う。

 
動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU 486DX2 66MHz Pentium 90MHz
MEMORY 8 MB, 16 MB (Win95) -
VIDEO VRAM 1MB以上のVGA対応ビデオカード Vesa 1.2対応のSVGAビデオカード
SOUND SoundBlaster互換 同左
対応OS MS-DOS 5.0 / Windows 95

 ゲームはMS-DOSで製作されているが、Win95のDOSプロンプトに対応と謳われており、性能の低いPCでなければ純粋なDOSでプレイする必要は無い。

 発売当時としては大きめのフルインストール100MBというサイズだが、この頃の定番としてもっと小さなサイズも選択可能。なお当時のHDサイズからしてムービーも全てインストールするという選択肢は無く、ムービーの為にCDを入れ替えながらプレイを進める為に、2倍速以上のCD-ROMが必要とされている。起動時には必ずCD1を入れておかないとならず、その後はフルインストールしていればムービーの読み込みシーンが来るまではCDの入れ替えは要求されない。


 プレイ当時のWindows 98のDOSプロンプトでも安定しており、動作上の不安定さは無かった。パフォーマンスもプレイ当時のWin98マシン(Pentium II 300MHz, MM 256MB, Riva TNT)ならスムーズ。唯一ビデオカードとの相性なのか、ムービーのシーンが非常に暗いというのに困らされた。DOSのフルスクリーンモードでしか動作しないので、ウィンドウズのデスクトップの明るさ設定は反映されないし、ゲーム内の明るさ設定もムービーには効果が無い。仕方が無いので後にムービー一覧から見直す際に、CRTモニタ側の明るさ調整ツマミで輝度を上げるという方法を採っていた。


 [動作検証] SSを撮りたかったので数時間検証してみたが、XPのコマンドプロンプトからではインストーラーが上手く動作せず。なのでDOSBoxからインストールしてやって、セーブデータを読み込んでプレイしてみたがこれなら問題無く動く。関連サイトを見ても現在のDOSBoxであれば問題は生じない模様。DOSBox上での気付いた問題点は以下の通り。

*オープニングのInterplayのロゴムービーが正常に表示されない(これは当時のゲームでは良くあること)
*タイミングの問題なのか、起動時にデスクトップに落ちてしまう事が数回あった(繰り返せば起動する)
*CAPS LOCKが、DOSBoxのキーマッパーから別のキーに割り付けるか、入力を英語モードにしないと上手く作動しない


 Vista/7でもDOSBoxを使えば問題無いと思われる。コマンドプロンプトからでも動くかも知れないが、動いたとしても実用的な速さで動かすのは無理そう。


*高解像度モードに変更出来ない
 640*400以上の解像度にするにはVESA 1.2以上に対応していないとならず、デフォルトの状態では不可ならインストールされたフォルダ内に有るVesafixをDOSプロンプト上から実行してやれば通常は治る。

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