<GAMEPLAY>
最初に導入部が有った後に(デモで遊べるNYの地下鉄とウガンダの列車マップ)本格的なミッションがスタートするようになっており、そのミッションは全部で8つ、それぞれが3つのマップから構成されている(最終のみ4つ)。ゲーム全体では一つのストーリーになっていて、随所にムービーが挿入されて進行して行くようになっている。全体のボリュームは15-18時間程度では無いかと思われるが、難易度によっても大きく変るだろう。
このゲームはリアルさを演出という観点から作られているために、マップ自体のデザインに奇を衒った様な所はほとんどなく、非常にオーソドックスな作りとなっている(アクションFPSの様な奇抜でトリッキーな物は無い)。単調にならないようにマップのロケーションがバラエティに富んでおり、その場所によって出てくる敵は全て固有のグラフィックを持っているので、そういう意味では飽きの来ない構成になっている。なおロケーションには日本も登場するのだが、そこに描かれた日本では忍者が登場してマシンガンを乱射・Yakuzaが普通に道で一般人を射殺・女スパイなのか妙な格好の戦闘員と、実に勘違いされた世界となっている。
進行そのものは非常にオーソドックスなタイプで、敵を倒してはボタンやスイッチを入れて進んで行くという感じである。画面に表示される情報も非常にシンプルだ。謎解きについては簡単な部類に入り、ほとんどの場合進む道は1本しかないのでそういう面では楽である。詰まったら辺りを見回して壊せそうなダクトか上れそうな台がないか探すか、爆発性のドラム缶を撃つかでほとんどの場合解決する。元々戦闘重視の姿勢という感じで、謎解きに凝って勝負というゲーム性ではない。 (追記)私の場合このゲームとは相性が良かったという事なのか謎解きは簡単に思えたのだが、その後の大勢の意見を聞いてみると意外と分かり難い部類で詰まる人も多いようだった。
通常のFPSゲームでは画面上で照準が合っていればそれは当たるというのが普通であるが、このゲームでは狙った弾がブレるという要素が含まれているいうのも慣れないとやりにくい点である。確かにブレが全く無いFPSばかりではなかったが、SOFでは精度の悪い武器だと目の前にいるのに当たらなかったりするし、連射すると弾が散ったりとかという要素も考慮されている。(追記)当時としてはこういうゲームが珍しかった。
Medium程度まではそれほど問題になる場面は少ないが、HPが減っている時には死活問題にもなりかねない。したがって距離が離れている所から100%正確に着弾するスナイパー・ライフルの使用が非常に重要である。戦闘を避けてMedikit等が手に入るまで粘るにはこれが必須となってくる。SOFではヘリや戦車を除けば敵は人間であり、スナイパーライフルで頭を狙ってやれば全ての敵は一撃で倒せる。つまり敵がこちらを見る事が出来ない状態で一方的に狙えるというシチュエーションが数多くあり、その為危ない状態でも何とかなったり、敵の数の多さの割には楽に進むことが出来るのである。逆に視界が悪い(吹雪や霧で離れた敵が見えない)マップは難しい部類に入る事になる。
戦闘面での最大のポイントはLean(傾く)操作である。これは何かというと障害物の陰等から体を傾けて一部分だけを覗かせる動作である。このコマンドによって姿を隠した状態で向こうを見る事が可能な上に、この状態でそのまま敵を攻撃出来るようにもなっている。(追記)Leanが可能なFPSはこれが初めてでは無いが、アクション物への導入は珍しかった。
しかもこのLeanの状態は敵からは見えないという形で処理されるので、一方的に先制攻撃が仕掛けられるとなって相当な優位に立てる。この能力が大きく戦闘時の難易度を減らしていると言っても過言ではない。(追記)Leanしても見付からないという点はパッチによるAI修正で変更されている。
Personal Audio Detection Device=PADDもユニークな要素となっている(画面下のメーター)。これは何かというと音の大きさを知らせるセンサーであり、主に武器の発する音を検知するようになっている。プレイヤーの足音にまで関連してくるような微妙な物ではない。これがどのようにゲームに影響してくるかと言うと、大きな音を出すと敵に検知される=敵が湧いて出てくるというシステムになっている。実はこのゲームでは初期配置以外の出現する敵の数が決められておらず、音に反応して敵が出て来るようになっているのだ。よって次のような事をするとメーターが上がって行って警告音を発するようになり、その大きさに応じて敵が発生してくる。
・音の大きな武器を使って攻撃する
・(音の小さな武器であっても)武器を連射する
・敵に音の大きな武器で攻撃される
・敵に叫び声を立てられる
この出現箇所はポイントがアサインされているのでそれが無い場所には敵は発生しないが、逆にアサインされているなら物理的に出現しようのない閉じていてクリアした場所等に突然現れたりという事もある。だからなるべく音を立てないようにして戦闘するというのがセオリーとなってくる。ただこれはMediumレベルまではそれほど気にする必要もない。というのはこの難易度までは敵が騒音によって出てくる率が低く、出て来た所でこちら側が何とかなってしまう程度の強さを持っているので。逆にChallengingよりも上だと、これを気に掛けないと全く進む事が出来なくなる。
武器の所持制限はかなりキツい縛りとなっている。アクションFPSでは強力な武器が手に入ると楽になるというのがこのジャンルの特徴でもあるのだが、逆にこのゲームでは強力な武器は使いにくいという設定になっている。武器を多く持ち運べないために、弾薬が少な目である強力な武器を持って移動するのはある種のリスクを伴う事になり効率が悪いのだ。また大量に弾を撃ち込まないと死なないようなモンスターの類は出て来ない。要はたまにしか出番のないヘビー級の武器を持つよりは普通の武器を持って歩く方が効果的という事。そういう意味ではこういうゲームは、沢山の武器を使い分けながら進むのが面白いとか、強力な破壊力のある武器をガンガン使って行くのが楽しいという人にはあまり向かないと思う。一応難易度をCustomにして武器制限を軽減するという方法も有るが、これだと今度は難易度のバランスが崩れて簡単になってしまう恐れがある。
多くの人はまずMediumでプレイすると思うのだが、この難易度でも武器は大して持つ事が出来ない。どのミッションでもスナイパー・ライフルは是非欲しい所であり、そうするとそれとナイフでまず3スロット。ここで例えばロケットランチャーを選べばこれは3スロットなのでそれで終わりである。スナイパーライフルとロケットランチャーとナイフというのが如何にバランスが悪いかは容易に想像がつくと思う。確かに現場で他に2スロット分の武器は拾えるが、最初から普通の武器で進んだ方が楽であるのは確実。つまり強力な3スロットの武器を持つ為には武器を最低でも2つ捨てねばならず、バランスを考えるとあまりお薦め出来ない。8つある武器が7つに減るのはどうという事もないが、4つの武器が3つに減るのは痛い。ライフル(2スロット)・マシンガン(2)・マグナム(1) +現地調達という形で選択してやった方がバランス的に楽に進めるはずだ。なお武器は捨てれば持ち替えは幾らでも出来るので、基本的に強力な武器については敵が落とした物を要所で使うのが通常の使い方になるだろう。
それともうひとつ重要な事として、ミッションによってかなり手に入る弾薬に差があるという点がある。基本的に弾薬は敵が所持していた物を手に入れる事になるが、地域によって通常持っている武器が違うので選択を間違えるとちょっと困る事になる。ダメだと思えば武器を捨てて交換すれば良いのだが、マップによっては全然登場しない武器もあるのでこの辺は注意が必要だ。これは現地で調達すれば良いから違う武器を持って行ってみようと考えてみたら、その武器が手に入らないというケースも起こり得る。例えばスナイパー・ライフルを持って行かずに現地にも無いとなるとこれは厳しい。なお選択については一応武器の選択画面で下段のスクロール表示の部分にお薦め武器というのが表示されるようになっているのだが、基本的に最初は3スロットの武器は持って行かない方が良いだろう。現地で使っている武器を奪う方が弾薬も手に入り易く利口なやり方である。
弾薬については多く手に入るので残量の心配はほとんどする必要がない。ただしミッションによって弾が手に入らない武器があるので、この場合は敵の持っている武器と交換してしまおう。敵の落とした銃は早く消えてしまうという設定になってはいるが、安心して拾える範囲の武器だけで充分に弾数は足りるので(ミッション毎に武器はリセットされるので溜め込んでも意味が無い)無理して拾いに行く必要は無い。慌てて飛び出してスナイパーに狙撃されるような危険を犯す事は無い。
Friendly KillについてはMediumまではそれほど気にする必要もない。特殊部隊物のように人質が一人死んだところでゲームオーバーというような物ではないので、気を付ける位で何とかなるレベルだ。人質がいようが突っ込んでいって人質もろとも銃でなぎ倒そうがOK。また自分の身を危険に曝して守る位なら、襲われている人間を見殺しにした方が楽である。この要素を考慮して進まないとならないのはコソボの3面、NYの3面と日本の2面位だろう(Mediumにて)。なお敵側の武器を持っていない職員や技師については殺してもかまわないようで、誰が数にカウントされるのかはミッションによって変わるようである。その数はメインメニューから現時点での成績が確認出来るようになっている。
SOFでは難易度によって大きくゲーム性が変化するようになっているので、その辺についてプレイ感を含めて解説。
普通は最初に遊ぶのはMediumになると思うのだが、この難易度の最大の特徴はスナイパー・ライフルが主役という事である。とにかくこの難易度ではLeanしながら敵をスナイパー・ライフルで狙撃するというのが基本スタイル。言い替えると直接戦闘はなるべく避けるというゲーム性となる。何故かと言うと、そうするにはMedikitやArmorが足りないのだ。デモで遊べるマップではそんな事を気にしなくても何とかなってしまうのだが、本編のミッションでは一つのマップの大きさがデモの何倍もあるし、それが3つ連続しているので敵の数が段違いに多い。そしてこのゲームでは敵の武器の90%が銃なので弾が撃たれた直後に着弾するため、弾を見ながらかわして攻撃という技術が大して役に立たない。またデモでは登場しなかった遠方からのスナイパーというのも出てくるので、いきなり撃たれた後に辺りを見回して探し、こちらも遠方攻撃型の武器に持ち替えて...などとやっている内にガンガン撃たれてしまう。デモとは違い非常に広い空間が結構出て来るのと敵が迷彩で見つけ辛いという点も合わせて、遠方からの攻撃には対処が難しい。特に自動砲台等の攻撃は狙いが正確で、スナイパーライフルで対処しないとどうにもならない。総じてどんどん前に出ていって戦闘するというスタイルだと、そのうちにHPが足りなくなること必至である。
根本的にこのゲームは製作者側の意図として”なるべく隠れて行動”というコンセプトになっており、そういうのが嫌いという人にはこの難易度は向かないと思う。もちろん正面から豪快に撃ち合って戦える場面も用意されているのだが、それはせいぜい全体の半分程度だろう。他のゲームとの比較ではMediumまではやや簡単な部類と思うのだが、それはあくまでもちゃんとLeanを使ってライフルで戦闘を中心としてのプレイスタイルでの話であり、「とにかく突っ込んで直接戦闘だ!」という人に取っては、このMediumでも難易度が高くなるのではないかと思う。先に書いたように正面から撃ち合って敵を倒す事自体は容易なのだが、弾が見て避けられないという点が通常のアクションFPSとは異なっており、どうしても戦闘に連れてHPの一定量を削られて行ってしまう事になるのだが、それを補うだけの回復アイテムが用意されていないのである。
この難易度だとセーブは5回までOK(マニュアルの3回から変更されたらしい)。実際は3回程度でも問題ない難易度だが、最初にやる時はこの先がどうなっているのか分からないので気軽にセーブが出来ず、そのタイミングに頭を悩ましながら進んで行くので手に汗握るという感覚も出て来る。ゲームはやや簡単なバランスなのだが、それと釣り合いを取るようにセーブ回数の制限があるので緊張感を持ってゲームを進める事が出来た。この辺は制限が厳しいと逆にストレスにもなりかねない点だが、テストプレイをやり込んで調整したのかバランスとしては非常によく出来ていると感じた。
スナイパーとしてチマチマと戦うのは性に合わない、とにかく面と向かって戦闘という人だとこのEasyが適した難易度になるだろう。が、これにはちょっと問題も。まず敵が弱過ぎる。具体的にいうと攻撃力が弱過ぎるので戦っていて変な感じになる。敵にガンガン攻撃されているのに平然と対処出来てしまうので、何だかチートを使ってプレイしているような印象になってしまうのだ。スナイパーに狙われても十分に対処可能な程度のダメージなので、平然と突っ込んで行く事も出来るようになる。次にスロット数が3つ増えるために強力な武器を持てるようになるが、これが更に拍車をかけてこちらを強くするように働くのも難点。この難易度を選ぶならばCustomにして上手く調整を図った方が良いと思う。
Challengingでは一転して非常に高い難易度となる。まず敵の攻撃力が非常に高く、Shotgunで撃たれようものなら一発で相当なダメージを食う。よって直接対決は避ける方向で進んで行かないとならないのだが、救出に関する制限が厳しくなるので仲間や一般人を助ける為に自分が体を張らないとならない場面もあり辛い。セーブが2回のみというのもかなり厳しい設定である。少なくともいきなりここからで先の流れが分からないと無理がある。
しかし一番の問題はPADDによる敵の出現である。音に対する反応が非常に敏感になっており、これを常に気を付けないと全く進む事が出来ないと言っても過言ではない。大きな音を立てる武器を使うのが不味いのはもちろん、音が小さい武器を連射してもダメなのだ。連射するとメーターがドンドン上がって行くので、一旦下がるのを待ってから再び攻撃する必要がある。よって常にPADDを見ながら武器を発射しなければならない。更に敵が撃つ音でもメーターは上がってしまうので、敵に武器を撃たせてはならないという条件も付く。つまりどれだけ敵を倒せても音を立て続ける限りは実質無限に敵は湧いて来るので先に進めなくなる。自分の後ろから敵が湧いて出たりもするので、いきなり背後から攻撃されて即死というケースも。
よってこの難易度ではそれまではほとんど使う必要の無かったナイフを上手く使わないとならない。とにかく隠れてナイフやライフルで倒していくという事をしていかないと先へ進むのは難しい。音を立てる武器は出来るだけ使わない事が肝要だ。使う場合は必要最小限、つまり頭を正確に狙って一撃で倒すという技術が要求されてくる。当然FLASHや手榴弾、また使いにくいC4もうまく活用していかないと身が持たない。(追記)自分は通してプレイした事は無いのだが、海外のForumなんかの発言だと一度コツを掴んでステルスに徹すればそれほどの難易度でも無いとの話。
いずれにしろアクションFPSとして難しくなるのではなくて、ステルスで進む事を余儀なくされる事になるので、通常のFPSの感覚でこの難易度を選んでしまうと外れる事になる。普通に敵を撃って倒すゲームをしたいならばMedium以下か、Customでの調整しか残っていない。
結論として難易度設定によるゲーム性の変化や、更にカスタム設定の自由度を含めてリプレイ性が高くプレイ時間の短さを補っていると言える。
ゲームのデザインとしては元特殊部隊のアドバイザーが付いているという事も有って、単に豪快に撃ちまくれるアクションFPSにはしたくなかったようだ。ライフルで狙撃して行く点に重きが置かれているし、通常の戦闘中でもLeanによって体を隠す必要性というのを訴えている感がある。実際にゲーム中に強引な撃ち合いが可能となるのは半分程度になるだろう。
しかしその正面切っての戦闘シーンでの爽快感は非常に高くなっており、それは高度なグラフィックスエンジンの影響が大きい。特にShotgunの豪快さは他に類を見ないような出来栄えである。直接戦闘重視となっているマップでのスピード感は特筆すべき物があり、ライフルを多用するのは好かないという人でも、そういうシーンでは我慢しながらでもゲームを先に進めたくなる位の爽快感とアクション性を持っているとも言えるだろう。
ゲームにおける最大の問題がAI。発売前は史上最高のAIとか派手に宣伝されていたので期待していただけに失望も非常に大きかった。壁に身を隠しながらのHIT&AWAYというのも見せてはくれるものの、全体的にその出来には非常に疑問が残る。時々壁に向かって走っていたり、引っ掛かってその場で足踏み状態になっているといったバグ的な点も含めて、どうもその動きに不自然な点が多い。
まず目の前にいる同僚が撃たれてもまるで反応しない。倒す側としては楽ではあるが、ちょっとこれは不自然でならない。スナイパーライフルで狙ってやると音が聞こえないという設定からなのか、全然反応しなかったりも多い。どうも敵によってその場を動けるのかどうか固定設定されているような気がする。例えば二人いる時に動ける方を撃つともう片方は反応せず、動けない方を撃つと動ける方はちゃんと反応してこちらに向かって走ってくるようだ。
攻撃に感付いてこちらに向かって走って来ると思いきや、角の所で停止して動かなくなり簡単にLeanの餌食になったり、攻撃されているのに身を隠そうともしないとか不自然な所が目立つ。また逃げる(いったん引く)という概念がないようで、とにかく攻撃というスタイル。かわすという動作もほとんどなく、小刻みに動いて照準を付け辛くするような工夫もしてこない。ローリングしたりはするが全く適当に行われている様だ。とにかく多勢に無勢というのが最大の強さで1対1ならまるで問題にならない。モンスターならば馬鹿でも耐久力があれば強いと言えるが人間ではそれも無いので。
敵の出現はスクリプトによる物が多く、ステルスで行動していても敵は出てくる場所があるので注意(ある地点を過ぎると敵を発生させるようなプログラムになっている)。また何も無い空間に出現させたり、クリアして来た背後に出したりもあるので、人がいないのを確認してから前進しても背後から狙われる可能性は残っている。
Goldパッチによる修正点としては、一番の変化はLeanが気付かれるようになった事。これまでは一方的に自分から見る事が出来たが今度はちゃんと敵に気付かれる。またLean状態でも敵の弾もちゃんと当たる。ただし予め敵によってその場所から動ける者と出来ない者が固定されているようなので、気付いたからといって全員が駆け寄ってくる訳ではないのであまり怖さはない。それと敵の攻撃がLean状態でも当たるとは言っても確率は低いのでそれほど難しくなるという感じでもない。他にはしゃがみ動作が多くなったのと若干反応速度が上がったようだ。基本的にはMedium以下ではそれほど変わらないという印象。
次のページ