問 題 点 |
画期的な新機能として宣伝されたRandom Mission Generatorというモードが収録されている。これは適当にシード(文字列)を入れるとそれをキーとしてランダムな地形をその時点で作成し、その作られたマップにてミッションを行えるという物。暗殺・脱出・潜入・爆破といった設定が存在し、その他地形の種類や昼夜の選択、制限時間や難易度も選べる。これによってシングルプレイのクリア後も幾らでも好きなタイプのミッションを作成してプレイを楽しめるという触れ込みだったのだが、残念ながら想像していたほど面白くない。実際にメディアからの批判が集中していた要素でもある。 難点は似たようなアウトドアしか生成出来ないのですぐに飽きてしまう点。インドアが無いので(固定形状の建物がランダムに置かれはする)マップは確かに変化していてもプレイ感覚は一緒なので数回プレイしたらもう終わりという感じ。ハッキリ言ってこれならシングルで使ったマップ上にランダムに敵を配置して全滅させればクリアという方がまだ面白かったと思う。もしCoopをサポートしていれば無限にマップを生成出来るとして有用な機能になったと思われるが、それも無しでは意味が無い。しかもセーブをサポートしていないので、一度死んだら最初からとなってしまうのも大きな欠点である。 更なる問題点としてゲームの長さが挙げられる。前作はやや短めであった点が批判されていた為に、今回は全体で20-25時間程度というボリュームになっている。しかしこれが逆効果となっている感があり、その理由はゲームの進行が単調な点に有る。SOF1と違って豪快に戦って良い場面と慎重に戦う場面のバランスが取れておらず、とにかく隠れて戦う個所が多いので戦闘(戦法)が一本調子になりがちなのが一つ。その為に最初から最後までずっと同じ様な戦い方をしている印象が強く、プレイ中に飽きが来てしまうという感を受ける。 次に長さを増すという件を「訪問するロケーションを増やす」という方式で行っていれば良かったのだが、場所の数には変化は無く「それぞれの場所でのプレイ時間を引き延ばす」という手法を採用している。よって同じスタイルで長く進行する個所が有ったりしてテンポが良くなく、場所によっては一体何時終わるんだ?という位に長さを感じてしまう所が有るのも欠点。ゲームプレイは同じでも、前作で使った日本・中東・アフリカ等場所を増やして目先を次々に変えれば飽きも来なかったと思うのだが、グラフィックスのデータをそこまでは用意出来なかったという事なのだろう。 ステルスに関しても消化不良という印象で、完全なステルスを要求されるマップが一つで、これがかなり難しい。他に2つほどステルスで行かないと不味い事になるマップが存在する。このマップではアラームが鳴らされると敵が発生してこちらを追ってきたりとかなり不利な状況に追い込まれる仕組み。どちらのケースでもどこまでがOKなのかという判断基準が曖昧だし、やたらと敵の反応が良いという問題有り。一度鳴ったアラームはOFFに出来ないという厳しい面が有る割には、監視カメラを撃って壊せるといった適当な面が混在している。残りの通常マップではステルスで接近するのが有利な個所も有るが、どうやって移動しようがスクリプトで敵が発生する個所も多くて判断に困る。少なくともステルス行動を要求されるリアリスティックなゲームと言うには、その水準に達していない。 謎解きについてはルート探しがほとんどだが分かりにくい個所が幾つか有って、その謎解きも良く出来ていて解決するのが面白いというレベルではなく、単に不親切で分かりにくくなっているだけというケースが多い。 |
INTERFACE |
I/F関連には問題点が多い。 *USEキーを使う個所で、それが有効になるスポットが小さいケースが有る(Objectの中心部にカーソルを合わせないと反応しない) *相変わらず装備の選択はミッション開始前ではなく、その前のミッションの終わりでやる方式であり不便 *セーブしたデータを読むと、武器のモード設定が変わってしまう事が多い *Brightness調整が出来るが、ゲームの指示する最適調整値が明らかに暗いという印象 *ホイールでは二丁持ちは選択出来ない *Weapon Special キーを4つ保持しているが、これはハッキリ言って分かりにくい *Weaponの切り替えモードを複数持っており(best, safe等)、誤ってゲーム中にキーを押してしまうとある種の武器が出て来なくなる *武器の選択とZoomを同時にマウスのホイールに割り振れない *WalkとRunの切り替え。またCrouchやLean、Proneといった動作がToggleに設定出来ない。 なお最後の2つについては、Q3系エンジンなのでスクリプトによって実現する事が可能である。以下はリリース時に誰かが作成していた物をちょっといじったconfigファイル。敵に発見されないように行動する際には座ってや歩いての移動が重要となり、その場合ずっとCrouchキーを押さえていないとならないのは疲れるので便利。戦闘時でもしゃがみながらLeanといった操作をするのが簡単になるのでお勧め。そういう行動を主体とするゲームと言うのならば、この程度の機能はメーカー側で用意して欲しい物である。 1.このspecial.cfgというファイルをbaseフォルダにコピー 2.sof2sp.cfgを開いて以下を好きなbindに割り振る(例 bind C "vstr crouchtoggle")。もしも通常の「押している間だけ効く」キーを使わないならそのキーにアサインしてもOK。 "vstr mwselect" "vstr crouchtoggle" "vstr pronelock" "vstr walktoggle" "vstr leftlean" "vstr rightlean" 3.起動時のショートカットのコマンドラインに +exec special.cfg を付け加える 4.これでゲーム中にキーを押すとモードの切り替えが可能になる。例えばmwselectキーを押すとホイールの機能が「武器選択」と「Zoom」機能に切り替わる様になる(画面上にモード名が出る)。 |
MULTIPLAY |
マルチプレイについては私自身がコメント出来るほどプレイしていないので特には書かない。しかし非常に人気が有って評価も高かったのは事実で、マルチプレイのみが目的で購入しているという人が相当多かった。言い替えればマルチプレイのみのゲームとして捉えても買う価値有りの作品として高く評価されていたと言う事である。 |
GRAPHICS |
グラフィックスエンジンには前作で使われた物の拡張版となるGHOUL II Technologyを使用。一番の特徴であるHitzone(人体のパーツ別ダメージ判定)とDismemberment(四肢の切断)についてはより細分化されている。当たった個所の判定が36箇所になる事でそれによる敵の反応はより細かくなっており、例えば前作では単に首が飛ぶだけだった頭部についてもそれぞれがパーツ別に吹き飛ぶように変更されている。更に敵の持つ武器や腕に当ればちゃんと武器を落とす所まで再現されている(しかも生きていれば再度落ちている武器を拾う)。前作同様に死体を撃つ事で体をバラバラにしたりも可能である。ただし死体や流血関連は設定にもよるが時間が経つと消えてしまう仕様。 Skeltal Animaionもより細かくなって、関節のカクカクとした動きを感じさせない滑らかな動作を実現。撃たれた相手が転げ回って痛がるシーンや苦悶する描写など、今回も敵のダメージ関連描写には相当な力が入っている。物理計算エンジンは使用していないが、武器とそのダメージによって体ごと吹き飛んだりとか回転したりとかアニメーションは実に細かい。またHitした状態のアニメーション中にも当り判定がちゃんとあって、手を吹き飛ばされて叫び声を上げて痛がる所へ頭に連続して当るとちゃんと頭が吹き飛ぶ。また前作にもあったDeath Danceも健在(死んで前に倒れようとする体と連続して撃ち込むマシンガンの弾の威力が釣り合って、倒れられない死体がユラユラと踊っているように見える状態)。ゲーム内のエンジンをそのまま使ったムービーシーンでのFacial Animeationも高いレベルである。 風景描写のクオリティも高く、ジャングルの茂った草木の表現も秀逸。ゲーム全体として使われているTextureのクオリティも高い。最新のDX8の機能を存分に活かしたタイトルに比較するとエフェクト系は旧来の物だが、それでも全体的なクオリティは非常に高い部類に属すると言って良いだろう。ただ影に関しては私のビデオカードの問題なのか、正常に表示されないという面も有った。 敵が多く発生しても処理落ちが発生するといった面での重さはほとんど感じられないが、Textureを贅沢に使用している関係でグラフィックスの設定が高くなるとHDへのスワップが多発して、長時間プレイしているとカクカクと重くなって来るという問題は見られる。動作環境の項にも書いたが、VRAMとメインメモリを相当量必要とするゲームというのが難点である。 |
SOUND |
通常の状態でもクオリティは高いが、Advanced HD(EAX3)をONにすると更にクオリティが向上する。特に武器サウンドはより低音が綺麗にブーストされる感じで迫力有り。このサウンドがどれだけリアルなのかは分からないが、射撃の迫力は物凄くて数有るFPSゲームの中でもTOPクラスに位置する出来映えだ。また3Dサウンドの定位感も非常に優れており、敵の放つ銃弾が周囲や背後で音を立てるのが感じ取れたりとEAX3の能力を存分に味わえるゲームである(ただし何故かヘッドフォンでは効果が薄い)。一方でBGMは特に印象に残らず平凡な出来。 |