<BOTTOMLINE>

BOTTOMLINE

[PROS]

◎Zone内の世界が高い精度で作り込まれており、実際にその世界に居るかの様に感じられる
◎オリジナリティが高く、現時点では似たようなゲームが存在しない
◎引き込まれる魅力的なストーリー展開
◎敵の戦闘AIが優れており戦闘に緊張感が有って非常に面白い
◎難易度のバランスが絶妙で厳しいサバイバル感の演出に一役買っている
◎エリア移動の制限が少なく、自由に広範囲のマップを行き来可能
◎リアルタイムで変化する時間帯とランダムに変る天候
◎地下や夜におけるホラー感覚の表現
◎写実的という点では極めて高いレベルを実現しているグラフィックス。特に廃墟の表現は特筆すべき物がある。
◎環境系のサウンドの使い方が上手くて良質



[CONS]

×開発途中で多数の革新的な要素がカットされてしまっている
×カットされずに残された要素が高いレベルで実現されていない
×最大の売りとしていたA-Lifeはそれ程ダイナミックな動きをしてくれない
×クエストの進行及びシステム的な面においてバグが多数存在しており、安定性・パフォーマンスという面でも現状では問題有り
×ステルスのシステムが上手く機能していない
×重量制限にはストレスを感じる
×PDAの使い勝手が悪い




 厳しい表現を使わせてもらうならば、革命的なゲーム性を実現しようと動き出したまでは良かったが、実際にやってみると多くの見込み違いから修正を余儀なくされた上に、残された実現可能と判断した要素については自分達の能力では完成の域までに到達する事が出来ず、アイディア倒れに終わってしまったゲームであると言える。だが逆の意味で驚かされたのは、彼等GSCが単なる理想を追うだけの能の無い集団ではなく、素晴らしく面白いFPSを製作する能力を持っていたという点である。もし彼等が最初からこの様なスタイルのゲームを計画し、2001年の開発開始から2004-5年頃に完成させていたとしたなら、当時は大きな賛辞を集めていた事だろう。

 革新的とされた要素が大幅にカットされてしまい、謳い文句だったオープン・ワールドがそれ程上手く機能していないという点は、大きな期待を持っていた人々からは失望の念を持たれるのは避けられないと思う。しかし予備知識を持たない状態からの、純粋に一本のゲームの評価という観点からすると、このゲームは非常に面白くてクオリティも素晴らしい。更にゲームをプレイしている際のリアルに存在するかの様な世界を旅する感覚はこれまでには無かったものであり、高いオリジナリティを感じさせる作品ともなっている。これだけ熱中してクリアまでプレイし続けたFPSに遭遇したのは久し振りである。

 FPSの話題作が多数予定されている2007年でもあるのでまだ早いが、このゲームが年間ベストの座を争えるレベルにある点には異論は無い。今後パッチによって治せる箇所には修正が加わっていけばもっと良くなる可能性も秘めている。

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