S.T.A.L.K.E.R.
        SHADOW OF CHERNOBYL

                                  07/04/10


   SYSTEM

   ZONE・FACTION・A−LIFE

   OPEN WORLD・QUEST

   GAMEPLAY

   GRAPHICS・SOUND・MULTIPLAY

   BOTTOMLINE

   ヒント・バグ情報

                                                公式サイト

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製作・販売: GSC Game World / THQ
発売: 2007/03
日本代理店: 無し




                              ※V1.0001でのプレイによるレビューになります

概  要  ウクライナのGSC Game Worldが開発しているが、延期に次ぐ延期でDuke Nukem Foreverと共にVaporwareと噂されて有名になったタイトルでもある。アナウンスされたのは2001年になり、この時のサブタイトルは"Oblivion Lost"。遥か未来のSF世界を舞台にしたFPSだったのだが、その後設定は地元のチェルノブイリ原発の以後の事件という別の近未来設定に移し変えられた。THQが版権を獲得してからShadow of Chernobylへとサブタイトルも変更されている。
 何回も延期された為に近年ではキャンセルされるのではないかという話も出ていたのだが、最終的には2006年の前半に「2007年のQ1に延期するがこれは最終決定」とされていたのが遂に実現して発売されている。元々の発売予定は2003年の夏だったので、結果的には3年半遅れた事になる。

 特殊メタル缶入りのLimited Editionが存在している(全世界で17,777本限定)。これはBonus DVD・サバイバルガイド・Zoneの全体マップ・マルチプレイ用の追加スキンのダウンロード特典等が付けられた物。

 北米では発売された週のPCゲームのセールスチャートで一位を獲得している。

 日本での発売は現時点では未定。一応THQは日本代理店を持ってはいるので可能性は有るが、完全日本語版となると期待薄である。


 このゲームの元になったと言われる作品について解説しておこう。ソビエトのSF作家ストルガツキー兄弟の著作"Roadside Picnic"(1972)と、それを映画化したタルコフスキーの"Stalker"(1979)である。"Roadside Picnic"は、或る異性人が別に地球人に興味が有る訳でもなく、単に宇宙旅行中に地球に寄り道した(原題の意味はここから来ている)事から始まる。その短期間の間に彼等が某小国の一部区域に遺していったゴミの類は人類からしたら未知のテクノロジーが含まれた物であったが、その区域には重力の変化等の異常現象も発生しており、政府は完全にその区域を遮断して出入り禁止にしてしまう。しかしその中に住む者の中には区域内に命懸けで侵入して貴重な遺物を回収して回る者も存在しており、これをストーカーと呼んだ。こういった設定によるSF小説である(未読)。
 一方の映画の方はタイトルを"Stalker"と言い、小説の設定を使ってはいるが話は別物となっている。ただしストルガツキー兄弟はこの映画用にシナリオとなる小説を別に執筆しており、これには若干近い設定らしい。けれどもこのシナリオも没にされているので、実際には内容は異なっているそうだ(映画も未見なのでどの程度似ているのか分からない)。

 では製作側はどういう風に話しているのかと言うと、最近のインタビューでは「映画や小説とは全く関係が無い。舞台設定はチェルノブイリ原発事故になっているし、異星人がZoneを作ったという話でも無い」として強く否定している。実際にゲームのクレジット等にも作品への言及は見られない。しかしゲーム内にはどう考えても映画の内容から持って来たと思われるような設定も含まれており、そこまで否定する理由が分からない。製作初期の段階では影響を認めるような発言も見られるので、現在では認めると権利関係の問題が生じるので立場的に否定する方針になったとも想像される。
 それに関連してもしあなたが映画"Stalker"の内容を知らないのであれば、ネタバレ的な要素を避ける為に映画の内容を調べたりする前にプレイした方が良いかも知れない。ただ知っていたからと言って、ゲームの謎の核心に迫る様なネタバレにはならないので影響は少ないとも言える。

 
STORY  1986年にメルトダウンを起こしたウクライナのチェルノブイリ原発跡にて、2006年に再び謎の爆発が発生する。政府による極秘の実験が行われていたという噂もある中、区域一帯は再び侵入禁止となり軍の管轄下に置かれる事となった。それから数年の間に汚染地域は広範囲に拡大し、依然として何が原因で再び事故が起きたのかも不明の上に、中心部へと調査に向かったグループがそのまま姿を消してしまうという事件も起きる。更に現場近辺では突然変異を起こした奇形生物が出現し、生物を死に至らしめる程の"anomalies"と呼ばれる地球の物理法則では説明出来ないタイプの危険地帯も数多く存在するようになった。
 そして時は2012年、"Zone"と呼ばれるようになった現場周辺には”Stalker”と呼ばれる人間達がうろつき回る様になっていた。彼らの目的は、事故によって生成された特殊物質(Artifacts)の収集・売買、謎を究明しようとする科学者グループへの資料の回収作業、様々な依頼によっての危険地域への侵入、といった仕事を請け負っての賞金稼ぎが主である。

 そんなZoneの内には"death trucks"と呼ばれる謎の運搬車が存在し、このトラックはどこからともなく現れて多数の死体を捨てて行くのだが、その中には偶にまだ生きている人間も含まれており、彼等は知られた顔のStalkerだったり身元不明の人間だったりする。そんな彼等の共通点は体に"S.T.A.L.K.E.R."の刺青がされている事であった。
 主人公はこの印を付けられた人間(The Marked One)の一人であり、全ての記憶を失っている。過去を探る為のヒントは、所持していたPDAに記録されていた"Kill Strelok"というメッセージと写真のみ。主人公は自らの過去を探る為に再びStalkerとしてZoneの中に踏み込んで行く事になる。



PATCH

DEMO
 V10001パッチがリリースされている。これはUS版とその他の国の物とはパッチが別である。未パッチ状態のV10000とはセーブデータに互換性が無いので注意。プレイする前に確実に適用しておく事。


 マルチプレイ用のβ版デモ有り。シングルプレイ用はリリースする予定は無いとコメントされている。要望する声は多いのだが、この手のオープン・ワールドの形式のゲーム(GTA3系列, True Crime, Scarface, Boiling Point等)はデモにし難いという面を持っている。理由は「マップが広いのでデモにするとサイズが大き過ぎる」、「自由に様々なプレイが体験出来るので、遊べ過ぎてしまってデモで満足して製品版を買ってくれなくなる可能性が出て来る」、「機能や広さを制限したデモを作ろうとしたら、新たに専用の物を製作しないとならない為に手間が掛かるし、またそれでは製品版の自由度を体験してもらう事が出来ない」、といった点である。

動作環境

トラブル
必要環境 推奨環境 最高レベル環境
CPU Pentium 4 2.0 Ghz
AMD XP 2200+
Intel Core 2 Duo E6400
AMD 64 X2 4200+
Intel Core2 Duo E6700
AMD 64 X2 5200+
MEMORY 512 MB 1.5 GB 2 GB
VIDEO VRAM 128MB・DirectX 8.0対応
GeForce 5700 / Radeon 9600
VRAM 256MB・DirectX 9.0対応
GeForce 7900 / Radeon X1950
VRAM 512MB・DirectX 9.0対応
GeForce 8800 / Radeon X2800
SOUND DirectX 9.0 EAX EAX
対応OS  XP (Service Pack 2) / 2000 SP4
DirectX 9.0c以上要


 対応OSにVistaは含まれておらず、実際に現時点(2007/04)ではVistaでの動作には幾つかの問題点が指摘されている。これはビデオカードのドライバがまだ未整備という点も有るだろうし、ゲーム自体側に起因する問題も含まれている。

 媒体はDVD-ROMのみ。HDDの必要容量は10GBという記載が有るが、実際のインストール容量は6GBに満たない。10GBとは仮想メモリ領域やワークエリアを含めての量と思われる(確かインストール時に仮想メモリを4GB確保して欲しいといったメッセージが表示されていた)。

 ビデオカードの性能はVertex & Pixel Shaders 2.0以上に対応している事が必要。全ての設定を最高にしてプレイするには相当な性能のPCが必要なのは確かだが、逆に下の方は結構広い範囲までカバーしている。ノートPC等では無理な物も多いと思われるが、それ程パワーの無いマシンでもStatic Lightingを選択すれば相当軽くなる。
 メインメモリの容量は非常に重要であり、1GBでもプレイ中にローディングが多発したり、マップのロード時間が長くなったりするので、テクスチャの設定を低くしたりしないとならない。1.5GBは欲しいところ。またCPUの速度にも強く影響されるタイプのゲームとなり、ビデオカードさえ高性能ならCPUはそこそこでもfpsは良くなるという物では無いようだ。最初からマルチコアにも対応している。

 ゲームの細かな調整・設定ファイル内のパラメータの意味・コンソールコマンド等についてはTweakGuidesに詳しい。


Quick Save & Load
 マニュアルには記載されていないのだが、F6とF7キーがそれに該当する。しかしVistaではLoadが上手く行かないという情報も有り。またこのセーブ用のデータにはユーザー名を含んだ名前が自動的に付けられるので、ログオン時のユーザー名にスペースが含まれていると正常に動かないという声も見受けた。或いは日本語のユーザー名だと不可かも知れない。この場合には管理者権限を持った別のユーザー名(半角英数のみでスペースを含まない)を作ってやって、そのユーザーでログオンしてプレイすれば良いだろう。

設定ファイル・セーブデータ・SS等の保管場所
 C:\Documents and Settings\All Users\Documents\STALKER-SHOC内に存在する。

ローディングが多い・遅い
 "C:\Program Files\THQ\S.T.A.L.K.E.R. - Shadow of Chernobyl\bin\XR_3DA.exe" -noprefetch の様にして-noprefetchパラメータを付けるとデータの先読みをしなくなるので、メモリが少ない場合には効果が有る模様。

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