BOTTOMLINE

[PROS]

◎特殊能力やステルスを使うという自由度あり
◎ショットガンとグレネードで派手に暴れられる
◎敵の種類がバラエティに富んでいる
◎敵兵士の障害物を利用した動きはランダムでダイナミック
◎3Dスキャナーが便利
◎グラフィックスのクオリティが高い


[CONS]

×インプラントによる特殊能力の重要性が低く、特に必要とされない存在で終わっている
×様々な要素のバランス調整が上手く行っていない
×難易度が低目で手応えが無く、Hardにしてもあまり変わらない
×メディキットやアイテム類が過剰に多い
×銃のサウンドが遮蔽物越しの様にこもって小さく聞こえる
×多くの武器の命中精度が非常に低いので、戦闘方法が近距離戦に偏ってしまう
×AIのグレネード自爆やスタックが発生する
×操作性に関連するバグが多い




 特殊能力を使って戦えるという点が最大の個性でゲームの売りでもある訳だが、そのハンドモードによる発動能力が5つだけと少ないし強大でも無いという設定。武器戦闘とスローダウン&シールドの常時発動能力だけで乗り切れてしまうので、その必要性が薄いという根本的な部分が中途半端に終わっているのが痛い。もっと強力で多彩な能力を用意して、そちらをメインでも進められる様にバランスを取るべきだった。

 それでも普通のアクションFPSとしてプレイ可能ならばまだ良かったのだが、特殊能力系の使用を考慮したバランス設定が随所に設けられており、それがゲームの難易度を下げたりと悪影響を及ぼしている。総合的には高得点を与えるのは難しく、大手代理店から出ているメジャーなゲームに比べると完成度において遠く及ばない。ただレビュー記事すらほとんど書かれない様なマイナーFPS内での比較ならば上位に入る部類だと思えて、まるで駄目なゲームという感想でもなかった。

 前半は武器の精度が特に低いし、特殊能力レベルも低い。しかし敵も弱いので特に難しくはない、という感じのグダグダ感が強く、ロケーション的にも暗くて地味な印象。しかし中盤辺りからは威力の高い武器が出て来てスピード感がアップするし、敵のタイプもバラエティに富むようになる。更に明るくて綺麗で未来的なロケーションが増えるので、後半戦に入ると数段良くなるというのは確か。もし全体を後半パートの様な感じにして、まともなゲームバランスが実現出来ていたら結構面白くなったと思うのだが、アイテム類過剰等による難易度の低下は後半でも如何ともしがたく、あくまでも比較的面白くなるという事に過ぎない。


 本文の内容をまとめると、向いているタイプは以下の要素が好きな人。ショットガンによる近接戦, スローモーション+ラグドールで敵を吹き飛ばす, 特殊能力を使う, グレネード(ランチャー)での攻撃, アップグレードによる改造。

 反対に向かないのは以下の要素が好きな人。難易度が高い, サブマシンガンやアサルトライフルでの中距離戦, 銃器の命中率が高い, スピード感,  銃のサウンドが良い。


 ゲーム自体のデザインやアイディアは特に悪くなく、ただそれをゲーム内で実現する方法が間違っているという感じである。素材はそのままで別の能力のある会社が作っていたら面白くなったかも知れないゲームと言っても良い。会社が存続しているのか不明だが、グラフィックス面では高い能力を見せているし、今回の反省を活かせるのならば次は良い物が作れるかもという期待感は持っている。

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