BOTTOMLINE |
[PROS] ◎弾薬数が減った事により、考えて戦うというスタイルになって戦闘の面白さが増した ◎アイテム回復方式の良き緊張感を味わえる ◎スプリントの導入によりスピード感が増している ◎広大なエリアでの障害物を利用しての戦闘は新鮮味を感じさせる ◎新武器に優れた物あり ◎敵に面白い者が何タイプか加わった ◎グラフィックスのクオリティが高い ◎3Dサウンドにより全方位からやって来る敵の位置把握が実現されており臨場感が増している △Co-opのネットコードは非常に優秀 [CONS] ×ユーモアの要素がほとんど無くなり、Serious Samらしさが大分薄れてしまった ×チャプター4まではこれまでとはゲーム性が異なりあまり面白くない ×ロケーションの変化に乏しい(個性的なエリアが少ない) ×敵から逃げ易いエリアではそれが有効過ぎて難易度が下がっている ×Witch-Brideをメインとして、要らないと思わせる新敵が数タイプ加わっている ×戦っていて詰まらない雑魚敵の出現比率が高い ×ラストのチャプターはあまりに無茶過ぎる ×暗いエリアにスイッチ探し等が組み合わされている 新しいユーザーにもSerious Samを楽しんで貰いたいというCroteamの意図は成功しており、今回のデザイン変更はこれまでシリーズを敬遠したり興味を示さなかったアクションゲームのファンにも十分にアピール出来る内容だと思う。アクションFPSとしての完成度は高く、これまでの作品の中で最も万人受けする物だと感じる。現在流行する自動回復方式を否定する物としても、アイテム回復方式の緊張感を味わえるという意味で良いアピールが出来ているのではないか。 特に弾薬数が減少した事により、その長期的なマネージメントと、戦闘時における瞬間的な使用武器の判断が要求されるようになった点。そしてスプリントの導入と多数の障害物によるカバーの利用という要素が加わった事により、頭を使って上手く戦うというゲーム性が増しており、総合的には戦闘が深くて面白い物へとグレードアップしたと思える。大量の敵の出現という面は変えずに、以前とは異なった戦闘の感覚を持ち込んで成功しているという点は高く評価出来る。 全体としては新武器が非常に良し。対して新モンスターには評価が悪い者が多かった。雑魚敵を繰り返し固めて出し過ぎという設定もマイナス。なお武器と敵についてはストーリー設定上は一番前の話になるので、旧作との矛盾点は当然在るがその辺はゲームなので気にしなければ問題無い。 「とにかく沢山有る弾を撃っていれば良いゲーム」とか「ひらすら敵の攻撃を避けて動き回る純粋な反射神経型アクション」という印象をお持ちで、そういうのは好きでは無いという方、或いは過去作をプレイしていてもう同じ様なゲームは結構という方もいるだろう。しかし今回は反射神経だけではなく戦闘時の作戦や立ち回りが重要になっているので、一味違った感覚で楽しめると思う。敵がモンスター, 武器が実銃では無い, 敵が大量に出現するのはダメ等の拒否反応が無いのであれば、広くお勧めしたいゲームとなっている。 ただし旧作のファンからすると問題もある。このゲームはSerious Samらしくは無くなった。個人的にはここで減点となる。ユーモアの要素は大幅にカットされており、雰囲気は真面目路線となり大分印象が異なる。それとチャプター4までの前半戦パートはこれまでとはゲーム性が変わっており、不要な変化という考えから低評価である。また上で書いた様に弾薬数の減少における戦闘の変化という所は評価しているが、強力な武器を撃ちまくれるというシーンを大幅に削ってしまった点については満足していない。ここは撃てる所とそうでない所を織り交ぜながらの方がより良かった。例えば大量に撃てるチャプターの後に武器消失させてバランスを取るとか(TSEなんかはこのタイプだった)。 次回作でより一般的なアクションFPSに近付いた物、即ちクオリティは高いがSerious Samらしさを更に失った物を望むのか。それともアンバランスになってでも旧来の様式により近くなった物を望むのか。私としては後者であり、敵の数を増やしつつも武器の乱射だけには終わらない、そんな新たなゲーム内容をCroteamが提供してくれる事に期待している。 |