<GRAPHIC>
SinはQuake2のグラフィックエンジンをベースにして製作されており、かなり改造はされているそうだがHalf-Lifeの様に同じQ2エンジンを元にしていながら全く違う印象になってしまった物と比べると、元のエンジンの特徴を残している作りとなっている。ただしダークで単調な色彩のQ2とは違い、全体に明るい色が多い。大胆な色使いが大きな特徴であり、原色系の色彩で彩られたオブジェクトを多数見ることができる。緻密さという点になるとQ2よりは多少細かさも増してレベルは上がっているが、やはり今見ると荒っぽくて精緻さには欠けるという感じだ。
ただしこの豪快な印象のグラフィックはゲーム内容と非常によくマッチしており、ゲームの印象を損なわないという意味では非常に優秀と言える(PCのゲームだけでは無くゲームの背景やコンセプトと全然イメージの違うグラフィックを作ってくる作品が有るが、それは綺麗とかそういう以前の問題だろう)。
エフェクト系ではそれほどリアルでは無いにしろ影がちゃんと表示されるのは評価出来る。銃器のエフェクトも綺麗な部類だろう。Gore系も体がバラバラになって飛んだりとか、血が壁にベッタリ付いたりとか割と派手な方だ。爆発等はQ2そっくりのレベル。後はゲームの途中に時々挿入されるムービーがあるのだが、これは(今では珍しくない)ゲームのエンジンをそのまま使った物となっており、この三人称視点での動きに関してはモデリングの出来とアニメーションの荒さが目立ってしまっており、あまり良い出来とは言えない。
エンジンのスピードについてもよく練られており、綺麗さの割には軽い方だろう。オリジナルのQ2よりは重いと思うのだが、Q2発売後からこのSinまでの1年が丁度ビデオカードが一般的に普及しだした時期なので、ゲーマーの間ではそれほどは重いという評判ではなかったと記憶している。また実際に測って得られるフレームレートの値よりもはるかに軽く滑らかに感じられる出来だ。多数の敵の出現でもfpsに然程変化が感じられない点は良いといえるだろう。
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<SOUND>
SinはA3DとEAXに対応しており、対応カードがあれば非常にリアルな3Dサウンドを体験することができる。特に環境音はよく出来ていて、ドアを開けたり閉めたりでちゃんと外の音が変化したり、また上下方向の音の再現性もいい。他に歩く場所によって足音が変化したりという細かいところにも気を使っている。ただしリアルさを追求するあまりか、工場のような場所では音が鳴り続けているのでうるさく感じられる部分もある。武器のサウンドについては出来不出来が激しく、もう少し詰めてもらいたかった気感じだ。しかし全体的に高水準という印象。
またバックに流れるBGMが非常に良い出来である。単純にハードロック調の物だけではなく多彩な物が用意されており、かなり力を入れて作成したのが感じられる。このゲームではキャラクタの台詞関連も多いのだが、これに関してもかなりの水準で作成されておりゲームのイメージを損なっていない。
2003年の今聞くとやはり音は薄い感じがするが、この時期の物としては水準以上といえる。また最新パッチにて3Dサウンドが問題なく使用出来て、音抜けの問題も解決されたのは大きい。
<INTERFACE>
印象としてはQ2風の滑るように動くという感じではなく、”ドタドタ”と大男が動いているのを表現するような動きに特徴がある。ただ今のゲームはこういう表現の方が多いので違和感は無いだろう。プレイ中に気が付いた基本操作上の問題点としては以下の通り。
・SHIFTを押しながらの微妙な動きが出来ない。かなり1歩が大きいので、壁からちょっと顔を出すといった行為はやりにくい
・梯子を降りられない。これは本当に難しい、というかどうやって降りるのか(+_+) 向かい側から飛び付くとかしない?
・変なところにハマルことがたまにある
・ドアが進行方向に開いてくれるのは助かるのだが、ロッカーのような物だと開けにくい上にアイテムを取るときの立ち位置により挟まれてしまう事がある(USEキーが誤って閉めるという風に解釈されてしまうため)
・最悪なのはドアに挟まって死ぬことがあること。強力なドアには気をつけよう
・ジャンプの距離感が掴みにくい。ある時は物凄く飛べるのに、別の場所ではダメとか
ただし微妙な操作を要求される所がほとんどないので、あまり気にはならないとも言える。ジャンプして渡ったりとか、移動に時間制限のある所とかもあるのだが、それらは大して難しい設定にはなっていないので。
ゲームを通じての特徴としてはコンソールが上げられる。ゲーム中のいたる所にコンソール画面が存在し、USEキーにてMS-DOSのようなTEXT画面に切り替わる(時間は止まらない)。ここでセキュリティを解除したりパスワードを入手したりするのだが、こういった場面がかなり多く存在している。操作は特に難しくはないが、とにかくこれを使わないと先へ進めない個所が多いので、端末があったら必ずアクセスするのが大事である。
SaveはQuake同様にスロット数が10個しか用意されておらず、これだけ長いゲームでこの数は少ない。Option系の設定は項目別に分けられていて分かりやすい。その他の注意すべき操作としては、
*F11キーにてインベントリーリストが見れる。実はこれを見ないと進めない個所があるのだが、これについてマニュアルでは言及していないという点が批判されたことがある。これはF1キーにて操作全般を見る事で分かるのだが、これは人によっては見ない場合もあるので。
*セキュリティカメラが各所にあるが、これを見ることによって先行きの敵の状況を知ることが出来る。
*Iキーにて三人称視点との切り替えが可能。これが重要な意味を持つ場所があるので憶えておこう。三人称だと本来は自分から見えないはずの所が見えるので。
*USEキーが3種類ある。ドアを開けたりアイテムを取ったりする一般的なUSE,アイテムを使うときのUSE,武器モードを切り替えるUSEの3つ。
*シークレットは存在するMAPとしないMAPがあるが、シークレットらしきところは各所に存在しており基準がよくわからない。
Sinでクールというか洒落ている点といえば、Hardcorps内にある訓練場Headquarterである。メニュー画面より選択していつでも入ることが可能で、戦闘の訓練を行うことができるようになっている。射撃用訓練施設ではスナイパーライフルを使用して遠くの動く標的を撃ったり、一般人と敵が的になって次々に表示されるのを的確に狙ったりといった訓練が4つ用意されている。
この訓練施設の作りが非常にカッコ良く、使用したい時には目的の部屋に入って端末にアクセスし、名前を登録するとゲートが開いて使用が可能になる。各セクションのハイスコアはメインホールのパネルに表示されるようになっていたり、ホログラムを使用した施設があったりと全体が未来的なイメージで統一されておりかなり楽しめる。
また実践用施設には3つのタイプの場所で敵との仮想対決をすることが出来るようになっており、武器の使い方を訓練するのにはうってつけの場所となっている。武器と戦場を選択してやるとゲートが開き対決が始まり、全ての敵を倒して光るスイッチを押すとまた敵が現れてという感じで戦闘が続いていくようになっている。
<英語>
ゲーム中のミッション内容はかなり平易な短い文章で表示されるので、それほど問題はないだろう。またコンピュータ端末にアクセスする場面が非常に多いが、これも簡単な英語なので特に気にする点はないはず。後は会話をするシーンがちょくちょく出てくるが、Optionでテキスト表示をONにすることが出来るのでこれも何とかなるだろう。ただしテキストは流れて消えていってしまうので、あまり得意でないという方は困るかもしれない。ほとんどがBladeとJ.C.との会話なのだが、かなり重要な情報をやり取りしたりするケースもあるので出来れば聞き逃さないように。これから自分がどういう風に動けばいいのかとか、或いは現在のストーリーの状況が分からなくなったりするので(まあ分からなくてもクリア出来なくなるという事は無いと思うが)。所々に挿入されるムービーについては画面を見ていれば意味はほぼ分かると思うので、ここはそれほど心配無いだろう。
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