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GAMEPLAY
 キャンペーンを3個収録。難易度Mediumにて10時間程度だったが、パズル等の引っ掛かる可能性のあるパートがほぼ無いので、飛ばすタイプの人ならば7-8時間程度でクリア可能だろう。

 展開の早さが一つの特徴で、次から次へと戦闘の連続で進むスピーディーなアクションFPS。止め時が難しく、3時間程度のキャンペーンを一気にやり切る感じである。ほとんど一本道で分岐の要素は無く、途中に長いイベントシーンやルート探し, パズルの解決といった一息つくシーンもほとんど無いので、終始戦闘で進んで行くという形の非常にアクション性が強いゲームとなっている。そこは本作の魅力の一つではあるが、その反面緩急が感じられないのでプレイ感が最後まで一本調子という面も持っている。

 各キャンペーンはロケーションは同じだが全く同じ様な風景が続く訳ではなく、インドアからアウトドアへ等の変化は付けられている。しかしゲーム全体としてはロケーションの変化不足は否めないし、また展開が早いのでキャンペーンが3個だけではボリューム不足という面も余計に感じられてしまう。もう少しでもボリュームを増してやり、キャンペーンを5-6個程度に分割してハッキリとした区切りを設け、プレイヤーにバラエティさを訴える構成にした方が良かったように思える。


 私は新三部作は宣伝で多少の内容を知っている程度で未見ではあるが、トップにも書いたようにスター・ウォーズ色は薄いという印象のゲームであり、ストーリーにも特に惹き込まれるような面白さは感じられなかった。それとラストは続編への複線という狙いがあったのかは不明だが、不完全燃焼というか嫌な感じの終わり方でこれはマイナス点。


 ゲームは特徴である部隊での行動がやはり中心となるが、別れた隊員と合流するのが目的で単独や4人以下で行動するシーンもそこそこは登場する。他のクローン兵士達は背景程度にしか出てこないので、大規模な戦争が行われているという感覚は希薄。あくまでも部隊による戦闘という面が強調されている。

 その隊員達の動きはかなり優れており、普通の戦闘では特に指示を出さなくても的確な行動を採ってくれる。強力なタレットを操作させたり、敵の地雷の除去処理等、プレイヤーが行える大抵の事は任せられるレベル。多くの部分が自動処理なので、プレイヤーには細かいお守りをするような負担は無い。特にアグレッシブに動くような命令を出しておくと、プレイヤーよりも先行して進み敵とも戦ってくれるのは良い点だと思う。常にプレイヤーの後ろに付いてくる事しか出来ないゲームに比較すると、どっちにするのかプレイヤーが好みや状況に応じて指示を出せるので変化が付いて面白い。また先行させてやれば進行ルートに迷う事も無くなる。
 ただし基本的にはプレイヤーの指示を優先するようになっており、それが無茶であっても敵陣の中のコンソールのハッキングに向かい、危険な状態でもそれを倒れるまで続けるので、その辺の面倒は見てやらないとならない。それと強い敵にも正攻法で立ち向かうので、その際にはちゃんと用意されているポジションと攻撃方法を指示してやった方が良いというのはある。

 コンセプトとしてプレイヤーにはアクションに集中してもらう為に複雑な指令体系は持たせないようにするという狙いのゲームなので、複雑な指令が出せないという点や、予め決められている場所にて決められたアクション以外は実行させられないというのは欠点とは言えない。指示可能な行為は限定されているが、逆に他のゲームではそこまではやれないようなグレネードやスナイパー等の特定の攻撃を指示出来るという利点を持つ。部隊の細かいコントロールを期待する人には向かないが、部隊操作は面倒という人でも最低限で済むデザインなのでお勧め出来るゲームになっている。


 HUDはバイザー越しの視点となり、近距離で倒した敵の体液等が飛ぶと汚れが付くという効果があって、これは自動的にワイパーで拭き取られる。ガラス面を通しているかのようなエフェクトは掛かっていないのでクリアだが、上下方向に視界が狭い印象を受けるのは確か。特に下側左右の表示は大き過ぎる。慣れるとそれ程気にならなくなるとは言え、せめてオプションで小さく出来る様な設定が欲しかった。

 画面モードは三種類で、オプションから細かい設定も可能。“Tactical Mode”は左右にバーが出て視界が遮られるが、視界内の隊員には名前が表示される, 視界外の隊員の位置についてガイドが表示される, アイテム類が近くに有ると音&ハイライト表示されるので見付け易いという利点を持つ。他はこれを切った視界優先のモードと、暗い場所での暗視モード。デフォルトではこの3つのモードをサイクルキーで切り替え。または“Tactical Mode”を常に有効か、常に無効かの選択も可能(暗視モードとの2タイプ切り替えになる)。他には“Tactical Mode”の透明度も設定出来る。


WEAPONS
 所持しているメイン武器はDC-17m Interchangeable Combat Weapon System(ICWS)で、これはアタッチメントを付け替えて三種類の機能を持たせられる。一つ目はメインのブラスター・ライフルでアイアンサイトにも出来る。次にリチャージは遅いが強力なスナイパーライフルで、二段階のズーム機能を持つ。弾薬は20発まで携帯可能。最後がアンチアーマー機能で、グレネードランチャーのようにしてロボット系の敵に特に効果を持つ武器になる。破壊力は高いが弾は4発までと少ない。他にサイドアームとして弾数無限のDC-15sを所持。


 その他に一つだけ別の武器を携帯可能。何時でも落ちている別の物と交換可能だが、捨てた分は消えてしまい再度は拾えない。以下の様な物が用意されている。

*Geonosian Elite Beam Weapon: 溜めたエネルギーをオレンジのビームとして放射する。威力は高いが使い切りタイプ。
*Ls-150 Heavy ACP Repeater: ミニガン。移動速度が遅くなるのとリロードが遅いのが欠点。
*ACP Array Gun: いわゆるショットガンで近距離戦で有効。弾は大量に拾えるので切れる心配は無い。
*LJ-50 Concussion Rifle: 弾速は遅いが威力のあるエネルギー球体を撃ち出す。敵を一時的にショック状態にする効果あり。
*ACP Repeater Gun: 高速連射可能なサブマシンガン。弾は大量に手に入る。
*Wookie Bowcaster: スナイパー用のスコープを持ち、三発までを溜めて撃てる。弾は跳ね返って飛ぶ性質を持つ。
*Wookie Rocket Launcher: 最大の破壊力を持つ兵器。ロックオンも可能。使い切りタイプ。


 結構種類はあるが同時に一つしか持てないのと、ほとんどの武器は特定のキャンペーンにしか出て来ないので、状況に応じての使い分けという要素は薄いゲーム。難易度バランスを考えると仕方のないことなのかも知れないが、DC-17mの三種の機能切り替えで大抵の戦闘をこなすという感じにはなってしまう。強い武器を持たせる代わりに敵側も強くするという箇所がもっと多くても良かったように思える。


 グレネードは4種類を最大で各5個まで携帯可能。

*Thermal Detonator: ノーマルなタイプのグレネード
*Electrostatic Charge Detonator: 対機械系の相手に有効な静電エネルギーを放って、ダメージを与えると同時に動きを一時的に止める
*Sonic Detonator: 貼り付けておいて近接爆破。或いは直撃させて爆破させるのも可能。有効範囲が広いのが特徴。
*Flash Detonator: 生体系の敵に有効なフラッシュバン。自分も見てしまうと影響を受ける。


COMBAT

*視点は一人称固定
*移動による照準の変化は無し
*ズームやアイアンサイトは特定の武器のみ
*マップ切り替え(セクション切り替えではなく)で所持武器や弾はリセットされる
*左右へのリーンは無し
*スプリントは無く、歩きに切り替えられるだけ
*連射によるリコイルは無し
*シールドは自動リチャージ式。HPはステーションでの回復。
*FF有り。ただし誤って隊員を倒してもペナルティは無い(文句を付けられたり非難はされる)。


 難易度は敵の攻撃が激しい二割程度の箇所を除けば、特に難しくも易しくもなくバランスが取れている。シールドのリチャージは早いが、敵の攻撃により削られるのも早いというバランスで、また豪快な撃ち合いになる場面が多いので、プレイヤー自身が倒れてしまう事は結構出て来る。しかし隊員が全て倒れない限りはゲームオーバーにならないので、通常の箇所ではあまり全滅する事はないと言える。ただし隊員には黄色状態でも小まめにステーションでの回復命令を出しておく方が良いだろう。大抵の激しい戦闘エリアにはステーションが用意されてはいるのだが、そこへ辿り着くまでや使用中に攻撃を受けてしまう事もあるので、事前に健全状態にしてから新エリアに入るというのが有効である。


 戦闘における一つ目の特徴は残り弾数の管理が重要という点。大抵のFPSでも強力な武器の弾を温存しておくのは山場での難易度を下げるのに有効となるが、SWRCでは特にその傾向が強くなっている。理由はゲーム内の強い(堅い)敵はほぼドロイド(ロボット)系なのに対して、プレイヤーの基本武器のブラスターライフルはロボット系には大して効果が無く、他の武器や弾が無いと厳しいからである。例えばSuper Battle Droid(SBD)はゲームの序盤から最後まで満遍なく登場する敵だが、最大で300発装填のDC-17mでは結構撃ち込まないと倒せないので、何体も同時に出て来たりすると効率が悪い。一番効果的なのは一撃で破壊可能なアンチアーマー弾だが、これは4発のみでそれ程補給は出来ない。スナイパーライフルでは5,6発必要となり、これも20発装填なのであまり有効ではない。
 そこで重要になるのがグレネードで、EC Detonatorならば大きな電撃ダメージ与える上に一定時間敵の回路をショートさせて停止もさせられるので、特に集団相手には有効となる。その後はSonic、Thermalと有効な物が続く。つまりECを含めてグレネード系をどれだけ所持しているのかが大きく影響してくるのだが、それぞれ最大で所持数は5個までとなる為に、難所までにどれだけ温存しておけるのかがカギとなる。

 節約の方法は、まずその方が早いからと雑魚敵相手に強力な武器やグレネードをやたらと使わない。特にECは2発程度は保持しておかないと辛くなるシーンも出て来る。SBDを相手にするにしても、安易にアンチアーマー弾やECを使ってしまうと更に堅いSpider Droid等の出現時に苦労するので、出現数が少ないのならばスナイパーライフルやSonic、Thermal等の中で現在弾数が多い物を代用したりと、残り弾数の把握とマネージメントが重要となる。一つだけ持てる第二の武器の中で、ロケットランチャーやミニガンの様に強力な物を温存しておくのも良い。或いは隊員にグレネード(アンチアーマー)の攻撃を指示出来る場所が在ればそれを積極的に使って自分の弾を節約したり(隊員は弾無限)、強力なタレットでの攻撃を用いて敵を倒す等で対処する。

 確かに数多くの敵が出現するエリアではそれなりに対処用の弾薬は置いてあるが、入って来た方向に置いてある事は稀で、大抵は広いマップ内の奥側や側面に置かれていたりする為に、それを探し回ったり取りに行くには危険を伴う事になる。その点最初からかなりの量の持っているなら、入って来てそこからすぐに攻撃に移れるので楽になる。実際問題としてそのエリアがどれだけ難しくなるのかは、その時点で持っている弾薬やグレネードの数に最も強く影響されると言っても過言ではない。無駄に使って肝心な場所で対応用の弾が無くなると厳しい立場に追い込まれてしまう。この残り弾数を考えながら武器を選んで戦うというマネージメントの要素は、単純な撃ち合いにはならないという観点から面白さを増している点だと感じられた。


 同じくマップ内での弾薬の探索も大事となる。ほとんど一本道で脇道は少ないのだが、ECやアンチアーマー弾等の重要な物が置かれていたりもするので、それをちゃんと回収するかどうかは大きな違いを生む。広いエリアでの戦闘後には、中を隅々まで探して弾薬の取り残しがないかを確認しておくのも同様に重要となる。現状で弾が足りているなら無理に探す事もないが、逆に最近拾えていないのでこの戦闘は厳しいと感じたら、この場所での戦闘用に配置されていた弾薬を取り残していないかを戻って探した方が良いかもしれない。

 これに関連する要素として刃による近接攻撃が非常に強く設定されており、生体系の敵ならばほぼ1,2発で倒せるので銃を使って倒すよりも早いし、弾の節約という意味でも有効な手段となる。SBD等に対しても有効ではあるが、自分も攻撃を受け易いという欠点はある。或いは他の隊員の相手をしていて背中を向けている敵には特に有効な手段となる。


 このゲームには何回か出て来るボス格の敵は居ても、特定のボス戦は最後まで無く、代わりに山場では激しい敵のラッシュが用意されている。そこを含めて良く使われているのが無限沸きであり、ゲームの二つ目の特徴となっている。例えば敵がやってくる通路を塞ぐシャッター作動のコンソールが有り、そこをハッキングして扉を閉めればクリアとなるのだが、その為にはコンソールを一定時間Useしてやらないとならない。しかし作業中は無防備になるので、隊員を行かせてそれを守るか、自分で行って仲間の援護に頼るかになる。この場合上に書いたように弾の無駄遣いをしないようにするのが重要なゲームなので、如何に早く無限沸きを抑えられるのかは相当影響してくると言える。所用時間は10-20秒程度が多いが難所では1分というかなり時間が掛かるケースや、コンソールが複数有るので同時にやると応戦可能な隊員数が更に減るという設定も出て来る。タイマーは持続式なので、途中で止めても進行状況はそのままになるのは救い。

 同じくよく出て来るのがディスペンサー。これは一定の間隔を置いて中から同タイプの敵が無限に出現する装置で、特にSBDが出て来る物はかなりの脅威となる。これを止めるには装置に誰かが爆薬を仕掛けてから、プレイヤーがUseして起爆させるのだが(離れた場所からでも可能)、設置中は敵が沸いて出る装置のすぐ前で10-20秒間程度無防備になるので、作業者を守るのは難しくなるケースも多い。一番厄介なSBDが出るタイプだとECが十分に有れば動きを短時間止められるので楽になるが、それが無いとなると時間も掛かるし厳しいのは確か。達成前に隊員が倒れてしまうと、それを救助するのが先か、他の隊員に継続させるかの選択にも悩まされる事になる。なお壊す必要が無いケースもある。

 プレイヤーがある目標を達成するまで敵が無限沸きするシーンを含むFPSは結構在るが、SWRCではそれがどうやったら止まるのかを明確に示して、隊員が協力して作業に当たるというシステムにしているので、ストレスではないしむしろ面白い特徴的な要素として活かされている。


 その他の特徴としては、敵の攻撃が激しいエリアを中心として戦い方に自由度が設けられているエリアも多い。正面から戦う以外に、事前に周囲の多数の爆薬缶に近接地雷を仕掛けておいて誘い込むとか、隊員の配置も多数在る中から何所に着かせて攻撃させるのかを選択可能だったりする。複数のディスペンサーが登場するケースでは、どちらから捌いていくかも選択可能。
 難所での一例として、次々と敵が無限沸きするディスペンサー自体が無限沸きするという箇所が在って、ディスペンサーがやって来る扉自体を閉めないとそれは止まらない。対応策として、まずはディスペンサーを壊して安全にしてから扉を閉めに行くという正攻法。或いは扉を閉めるコンソールを先にハッキングに行くという作戦も取れる(その間無限沸きする多数の敵に攻撃されるので危険度は増す)。或いは全てを無視して強引に最終目標となるコンソールをハッキングに行くという手段も(難易度は高くなるが)採れるといった具合。


 射撃については最も良く使うブラスター・ライフルが映画と同じ軽い音なので、ここはマイナスに感じる人もいると思われる。敵に当たった時のアニメーションは用意されているので命中感覚はちゃんとあるし、ドロイドならバラバラになったり、生体ならば体液を吹き出したりといったエフェクトも加わる。ラグドール表現もあり。


 敵はオリジナルの種族も含めて10タイプ以上用意されている。ドロイド系では小型で高速で飛び回りシールドを吸収する厄介なScavenger Droid、滅多に出ないが素早いので敵としては最も強いとも言えるAssassin Droid、丸まって回転して移動するDroidka等。生体系では空を飛ぶ能力を持ったGeonosian、異なったタイプが存在するTrandoshansが出て来る。AIは特に高度ではなく、死ぬまでこちらに向かって攻撃してくるというのがほとんど。なお一番の破壊力を持つのは敵と言うよりもタレットで、キャノン砲は非常に危険な相手となる。グレネードやスナイパーライフル等で早めに退治しないと隊員達も危ない。ただしこちらが確保すれば隊員でも扱えるので強力な兵器として使える。

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