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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度はEasy / Medium / Hard の三種類。途中での変更は出来ない。チャプター単位でのリプレイ機能は無し。複数のプロファイルを作成する事は出来る。


セーブ&ロード
 任意の場所でセーブが可能。セーブスロットは12個。クイックセーブとオートセーブが各1個。


OBJECTIVES
 方向ガイドやマップ機能は無し。ヒントを表示させるキーは在るのだが、状況説明が主で具体的に何をすれば先に進めるのかまでは表示されない事が多い。また後半はほとんど機能しなくなる。その為に次にやるべき事が解りにくいケースもある。


英語
 字幕機能あり。ヒント的な内容を含むので理解出来た方が良いが、クリアの為には重要というほどではない。

GAMEPLAY
 レベルが5つしかなく、難易度Mediumで3時間程度と非常に短い。(私がプレイしている範囲では)Orionの他のゲームが特に短いという事は無いのだが、何故かこのゲームについては異様に短くなっている。


 ゲームの最大の特徴となっているのはエイリアンの世界を視る事が出来るサングラスで、これはあるイベントの後に自由に掛けたり外したりが出来る様になる。これを通して見るとエイリアンが化けている人間や警察官がエイリアンの姿になって見える機能を持つ。映画同様に看板も変化して見えるようになるが、残念ながらこちらはロシア語版のままなので書いてある意味までは解らない。ロケーションがロシアのゲームで看板を英語化する必要は通常無いが、このゲームに限っては何が書いてあるのかを理解する事が重要な要素になっているので、字幕を出すとか何等かの工夫は欲しかったところ。

 このサングラスで大事なのはこれを使わないと見えないオブジェクトがある事で、これが一種のパズルとして使用されている。(視界の変化の例は上の2つのSSにマウスポインタを重ねると視られる)。

 基本的には掛けっぱなしでも良いのだが、世界が少し歪んだように表示されるのと、フィルターが掛けられたようになるので若干だが通常時よりも見辛くはなる。他のゲームでの装着しているゴーグルのガラス面によるエフェクト等を邪魔だと感じる人には同様に鬱陶しいかもしれない。(人によっては気分が悪くなるかもしれないという警告あり)。


 ロケーションは5つだけだが、レベル毎に大きく異なっている。中でもラストの敵の基地は雰囲気もユニークだし、様々な物がアニメーションで動いたりしておりその中では良く出来ている。

 進行は一本道で広い脇道や状況の変化は用意されていない。ただし次にどうやって進むのかが判り辛い事もある。(とりあえずサングラスを掛けていないならば装着してみる)。

BASICS

*武器は全て持ち運べる
*武器は2ndary Fireのモードを持つ
*アイアンサイトは無し
*左右へのリーンやカバーシステムは無し
*照準は移動すると広がるが、連射による大きな広がりは無い。屈むと小さくなる。
*スプリントはスタミナの概念無しに持続可能だが、小股でチョコチョコと走る感じで速くない
*敵の攻撃方向を表示する機能あり
*弾薬は敵の落とした武器から補充出来るが、時間が経過すると消えてしまう
*武器の残弾表示は、武器によって実際の弾数を表示する物と、クリップ数を表示する物に分かれる
*所持弾薬数はレベル切り替え時に規定値にリセットされてしまう


 ヘルスは自動回復方式で、画面左下にカラフルなバーで表示される。このゲームではダメージの累積による視界の変化(周辺部から赤くなる等)が無いのだが、逆にその為に現在のヘルス値が掴み難く、インジケータを定期的に見ていないと危険な状態に気付かずに死んでしまうという恐れがある。


 武器は全部で6個。キー設定ではもう一つ在るはずなのだが、データフォルダを見る限りでは6個だけのようだ。素手, カーマフラー, リボルバー, ショットガン, アサルトライフル, ブラスターとなり、内2つが打撃武器なので銃器は4種と少ない。だがゲーム自体が短いので同じ武器ばかり使っていて飽きるといった問題は無し。

COMBAT
 打撃で戦う序盤は単調で面白くない。最初のレベルはずっと同じ敵相手に左右のパンチを繰り出して戦う事の繰り返しで、無限に回復出来るので引きながら戦えば難しくない。続いて2番目のレベルではマフラーが手に入るが、これは攻撃ボタンを押した状態にしておけば、打撃→敵の仰け反り→そこを打撃のループ攻撃で、次々に出て来る敵を反撃させずに簡単に倒せてしまうという呆気なさ。

 2番目のレベルの中盤から敵が銃を使うようになり、こちらも同じく銃を使える様になるのでようやくまともになる。銃撃戦は普通のアクションFPSと同様で、反射神経重視でスピード感を重視したタイプ。アイアンサイトが無いのでそのままの腰撃ちでも特に攻撃はブレない設定になっている。それ以外には特色はほぼ無いので、銃撃戦の感覚はシンプルであまり個性的では無い。


 戦闘時におけるプレイヤー側の優位点としては、やはり自動回復なので逃げ場が在るのならば有利という点が一番大きい。また隠れているこちらの場所まで素早くやって来るという能力を持つのは一部の敵だけだし、グレネードの様な隠れている場所への攻撃手段も持っていないので、他のゲームに比べて逃げるのがより有効になっている。更にこのゲームではスプリント中でも回復するという仕様なので(武器の交換等の操作も同じく可)、余計に回復面では楽になっている。

 一方で弱点として銃器類にはそれ程の破壊力は無く、ショットガンなども近距離で数発当てないとダメという敵が後半は増えてくる。ヘッドショットで補える敵も居るが、集団で一気に来られると対処が難しい。それに関連してこのゲームではプレイヤーのかなり近くに敵が一斉に湧き出るという設定がよくあり、モタモタしていると集中砲火で一気に削られてしまうので、敵が多数出たらまずは引いて逃げる様にしないと厳しい。付け加えるとバックする時の速度が遅い設定なので、敵から目を切って反転し速く逃げる様にしておかないと危ないともなっている。

 総合的には難易度は普通レベル。クイックセーブもあるのでMedium程度ならば同一箇所で長時間詰まる事は無いだろう。


 アクションFPSとしては弾薬が少な目の設定で、特に三番目のレベルは途中までリボルバーしか無い上に、暗いので敵が落とした物も拾い辛く無駄撃ちするとピンチとなる。4番目以降は武器種類が増えるのでそこまで厳しくはなくなるが、一方でロボットの様にタフな敵が増えるので弾薬数はより必要となるバランス。そしてその弾薬がマップの隅の見え難い場所に置いてあったりするので、熱心に探さないとやはり少な目という設定は変わらない。

 最後にボス戦はあるが、知らないでプレイすると「これがラスボス?」という感じで、流れるクレジットに唖然とさせられる。このボスは特に強くないし、普通にダメージを与えていれば短時間で勝ててしまうので面白味も足りない。


 敵に攻撃が当たると出血(火花)エフェクトは生じるが、離れたりするとあまり良くは見えない。仰け反りのリアクションを持つ敵ならばそちらの方がハッキリしている。死体からの流血表現は簡素だが一応あり。ゴア表現の方は頭が吹き飛ぶというのが用意されているが、肉片の表示はリアルからはほど遠い物。そして死体は順に溶けるように消えていく設定。ラグドールを備えているが、その表現には不自然さも目立つ。


 敵のAIには問題が感じられ、こちらを見失ったりオブジェクトにスタックしたりも見受けられる。プレイヤーが近場のオブジェクトに隠れた際に、散開して回り込む能力は持っているのだが、皆が同じ動きで同じ場所へと回り込もうとする傾向が強く、結果的に次々にこちらの攻撃で倒されてしまう事が多い。それとこれは意図的だとは思うのだが、アンドロイド系のエイリアンは「目的地点までそちらを向いて進み、到達してからゆっくりとこちらを振り向いて攻撃する」という動きをするので、その移動の間に一方的に攻撃出来てしまうという弱点を持つ。

GRAPHICS
 自前のOrion engine V2.0を使用。DX9までに対応している。大分類として5種類のグラフィックス設定を選べるが、個別に多数の項目をいじる事も可能。しかし全てを最高にしても同時期比較で優れているとは言えないレベルに留まっている。ただしその分軽い。

 最初のシーンでNPCの顔が皆同じだったり、キャラクターのモデリングが粗かったりと削るべき所は削っているという感じで、低予算によるグラフィックスコンテンツの劣化が明白に見てとれるゲームの一つ。凝っているのは看板だが、先に書いたようにこれまで英語にする程の予算は無かった模様。

 ワイドスクリーン対応。FSAAは無し。

SOUND
 EAXを使えば3Dサウンドになるが、オフにした状態では私の4SP環境では3Dサウンドにはならなかった。よってVista以降の方だと3Dサウンドには出来ない可能性もある。

 メニューの音楽を含めてBGMはちょっと変わっており、通常時はノイズ混じりのアンビエントテクノが多く、戦闘になるとやや派手目のテンポのテクノに切り替わる。レベルが5つだけにしては種類も多いし(戦闘時のBGMはレベル毎に異なる)、他のゲームに比較すると異質で味がある物が揃っているという印象。この個性的で変なBGMが多いというのは評価出来る点と言える。

 武器のサウンドには迫力が無く、こちらは平均以下となっている。

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