<BOTTOMLINE>
[PROS]
◎ナチスがアメリカに攻めて来るというアイディアは面白い
◎1950年代のアメリカというこれまでには無かった世界でプレイ出来る
◎WWII関連のゲームとしては風変わりな武器が数多く登場する
◎BGM
[CONS]
×フレームレートの落ち込みが発生する(エンジンの最適化不足)
×かなり短くリプレイ性も低い
×個人で戦うシーンが多く大規模戦闘も無いので、戦争物としては地味な印象
×ストーリーが急過ぎて説明も足りない
×こちらを見失ったりとAIの認識処理に問題あり
×Grapple Modeを使う意義が無く、設定が活きていない
×モデリングやアニメーションの水準が低い
×弾が当たっている際のエフェクトや出血表現が無い
取り合えずフレームレートの低下といった問題点を省くとすれば、酷いという内容のゲームでは無い。ただしゲームの内容やAIの水準は5年前といったレベルであり、目新しさや2008年現在の水準を求める人には薦められない。バリュー系のゲームやマイナーな会社からの物にはもっと低いレベルの作品も存在するので最低ランクとは言えないが、それなりに宣伝されており知られた物の中では低ランクに属しているのは間違いない。
初期のCoDやMoHの様なスタイルのゲームが好みであれば悪くは無いと思うが、それも価格が$19.99以下程度に下がっていればだろう。(現時点ではあちらでは投売りだったり、まだ$30台をキープしていたりと店によって様々である)。要は「5年前のゲームが安売りされていたので買ってみた」程度の感覚ならばまあ何とかという意味。またこの程度のグラフィックスでも軽ければ低スペックのユーザーにシンプルなFPSとして薦める事も出来たのだが、SM3.0以上要の上に異様に重いというのでは救い様が無い。なお昔のCoDやMoHを未プレイならば、これではなくそっちを選択した方が良いというのも確か。
制作会社の社長は「UE3に慣れていなかったので作り込めなかった」とか「これはコアなユーザー層を狙った物ではないのでレビューの点数は不当だ」といった反論を行っている。最初からカジュアルなゲームとして宣言されて、$19.99-29.99の価格帯で売られる物だったらその発言も分かるし、またそれならばここまでは叩かれなかっただろう。しかし$49.99(コンソールでは$59.99)という価格で売る以上はそれなりのクオリティが要求される訳だし、期間内に仕上げるという契約をしているのならば一定の水準は確保するべきである。UE3に不慣れという件も、以前のインタビューでは「制作は絶好調で進んでいる」とも話しており一貫性が無い。
背景設定のアイディア自体は面白く、またそれによって他のWWII物FPSとは異なるユニークな雰囲気が味わえるのは強みだが、逆に言えばそれ以外に特筆すべき点が無いというゲーム。同じアイディアを他のまともな会社がじっくりと作れば数段良い物になったかも知れない。
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