RETURN TO NA PALI

                                  09/08/16



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 製作・販売: Legend Entertainment / Infogrames
 発売: 1999/05
 日本代理店: サイバーフロント





概  要  Unrealの公式にして唯一の拡張パック。本編の続編となるシングルプレイシナリオを収録している。オリジナルのUnrealを製作したEpic GamesはUnreal Tournamentの開発を行っていた為に、外部へ開発を委託する事となった。制作を担当したLegendはこの作品の後にWheel of TimeUnreal IIの製作をしている。

 単体のオリジナル版は動作に本編のUnrealが必要と謳われているのだが、実際には単独で別のフォルダにインストールする形式であり、UnrealがPCにインストールされている必要は無い。


 最初は単体のパッケージとして発売されたが、その後Unreal本編とのセットであるUnreal Goldとして再発された。現在でも他の製品とのパッケージとしてなら入手は容易である。

 日本ではDVDケース入りの廉価版スタイルでサイバーフロントから発売されている(\2,980)。

STORY  前作のラストにて脱出用ポッドによって惑星なNa Paliから脱出した主人公は、宇宙空間を漂っている所を軍の戦艦によって救出される。元々罪人であった主人公は再び囚われの身となったが、軍からある条件と引き換えに自由の身になる提案を差し出される。その条件とは、惑星Na Paliに墜落して行方不明となったUSS Prometheus号を探し出し、そこから機密データの収録されたディスクを回収するという物である。彼等としてはNa Paliをサバイバルして生還した主人公がその仕事には適任と見なしての申し出であった。断れるはずもない主人公は、再び生還したばかりのNa Paliの地を踏む事となる。

PATCH

DEMO
 発売当時のオリジナル版を購入した場合はV224相当の為、RtNP用のV226パッチが必要となる。Gold版を所持している場合は既に226なので、Gold版専用のパッチを適用。

 バグとしてパッチを適用しようとするとCDのエラーになる場合がある。これはUTでもそうなのだが、パッチを入れる時にCDからファイルを読み出すようになっていて、その時にドライブによっては相性でエラーになってしまうため。対策はCD上のSystemフォルダをハードディスクに丸ごとコピーしてやり、パッチを起動してCDの場所を指定する時にそのディレクトリを指定してやるという方法でOK。例えばD:\work\Systemにコピーした場合、CD指定の時にD:\workを指定してやる。

 残念ながら本編同様にデモはリリースされていない。

動作環境

トラブル
 製作エンジンの拡張等は無く、基本的に動作環境はオリジナルのUnrealと同じ。Unrealが動くならばこちらも問題無いはず。


 おそらくデフォルトではレンダリングのAPIがD3Dになっていないと思うので、Advanced OptionからDirect 3Dになっているか確認が必要(V226にしておけばメニューから出来る)。しかしV226はUTのインターフェイスを持ち込んでいるので、メニューには出てくるが設定出来ない項目もあるという中途半端な作りとなっている(例えばDecal)。

 fpsが低いという件については、Unreal同様にd3ddrv.dllを他のバージョンの物と差し替えてやる事で改善される可能性もある。

 ゲーム上のバグとして有名な物は、セーブしたデータを読み込む時に“Server is already at capacity”のエラーが出るケース。これはSystemフォルダにある unreal.ini を開いてやり、[Engine.GameInfo]セクションの MaxPlayers=16 を32にしてやれば治る。

新 要 素
 拡張パックとくれば新武器, 新アイテム ,新モンスターが収録されるのが定番だが、RtNPでもやはり新たな物が追加されている。


◎Combat Assault Rifle (CAR)
 超高速で400発の弾を撃ち出すライフル。弾の威力は低いが高速で移動するSkaarj等の相手に役に立つ。高速過ぎて弾がすぐ無くなるのが欠点。ALTでは5発の爆発性の弾を一度に撃ち出す。Minigunとの差別化が薄いのが難点。

◎Grenade Launcher
 その名の通りにグレネードを発射する武器。これまでの8ballの物と違う点は単発である事だが、一番の利点はALTでは起爆式のグレネードを撃てる点。発射後に再度ALTを押す事で起爆出来るので敵の側で的確に爆破が可能。物陰に隠れながらとか応用範囲が広くて役に立つ武器である。3種類の武器の中では一番面白い追加だと思う。

◎Rock Launcher
 単発式のロケットで、8ballに比べると弾速がやや速い印象だが威力は弱いか。ALTで発射後に起動を曲げられるのが特徴だが、これを敵に命中させるのは難しくて実用的とは言えない。ちょっと新武器としてはユニークさに欠けて弱い。




※Spider
 毒液を飛ばしてくる蜘蛛でそれほど怖くない存在。ただしグラフィックスが非常に細かく書かれており、沢山出てくるとかなり気持ち悪い。

※Pack Hunter
 小さな恐竜型モンスター。特に攻撃力が高い訳では無いのだが、早送りで移動しているかの様にとにかくスピードが速くて、足元に入られると倒すのに苦労する。大抵は集団で攻めてくるので、上手くうまく高台に乗って攻撃するようにしないと一気にやられてしまう可能性もある。

※Space Marines
 モンスターではなく地球軍に属するエリート兵士。CARやRLを装備しており、移動速度も人間離れというレベルで非常に高速。集団で来られると凄まじい破壊力を誇り、Unreal本編を通じても最強クラスの敵である。しかし動きが速い上に弾を連発してくるので、ロケットでの自爆も多かったりする。




 マルチプレイでは4種類の新モードが加えられた。

*Marine Match: Space MarineとのBotmatch
*Cloak Match: 一人のプレイヤーのみが透明化出来る装置を使えるモード
*Terran Weapon Match: 追加された新武器のみで戦うモード
*Gravity Match: 重力を解除したモード


 新マップは6個追加されている。しかし人気という面では盛り上がらず、半年後にはUTが出てしまったのでそのまま消える結果に。新マップのクオリティが今一つであるのも原因だろう。

GAMEPLAY
 まず最初に書いておくと、この拡張パックは発売当時大きな批判に晒された作品である。結構な数のサイトにて低い点数を付けられており、実は私自身もその評判に買う気が薄れてしまって、しばらくしてから購入している。一般的に言われるこのRtNPの欠点としては以下の物が挙げられる。

1.全体的に短い
2.新規なチャレンジをしている部分がほとんどなく革新性に欠ける
3.追加新武器の出来が良くない
4.Co-opが出来ない

 個人的には1,4番目は確かにそう思うが、2番目は内容が面白ければ特に革新性は無くても構わないと思うし、3はそれほど悪いとは思わない。


 肝心のゲーム内容に関してだが、このゲームは本編と違って2つのパートにハッキリと分けられている。前編がUSS Prometheus編とでも言えるパートで、後半はネタバレになるので詳しくは明かせないがその後の話という形。これら両方合わせてもマップ数は本編の半分以下しかなく、この短さは確かにRtNPの大きな欠点といえるだろう。本編Unrealでの壮大な世界の冒険を体験したプレイヤーからすると、相当物足りない長さである。

 次にこの前後半両パートがうまく噛み合っていない印象。ストーリー性から言えば前半パートはオリジナルな面が感じられて面白いし、新武器と新モンスターの登場頻度も高く新鮮味があると言えるのだが、8つのマップは全体的に短くてそのクオリティも今一つとなっている。一方の後半パートは9個のマップから構成され、それぞれのボリュームもアップして内容的にもマップ単体での比較では前半部よりクオリティは高くなっている。しかしストーリーに関しては単調で浅い物となってしまっており、淡々と進んで突然終わりという感があるのは否めない。また後半部は新武器や新モンスターの登場頻度が低くなっており、Unrealと似ていてそれも単調さを感じさせる原因となっている。よってどちらも欠点を持っているので、全体的に低調という印象が拭えない。

 戦闘関連についてはUnreal並の難易度という感じであり、結構敵は数多い出てくるので楽しめる。しかしラストにオリジナルで新たなボスを用意するとかのサービスは欲しかったところ。実質戦闘のハイライトは前半部終了時のSpace Marinesとの戦いであり、後半部は敵の数は増えるものの単調さが感じられてしまう。ストーリーとして最後に再度Space Marinesとの戦闘を組み込むのは不自然では無いと思うし、そうなると思ってやっていたのだが、ラストが呆気なく終わってしまうのも悪い印象を与える原因となっている。

 敵モンスターは結構BruteとMercenaryの登場比率が高くなっているのだが、その分Skaarjの登場は減っている上にスタンダードなタイプ以外はあまり登場しないというのもちょっとバランスが悪い。


 このRtNPがどのような製作過程によって製作されたのか、言わばアイディアや構成にどの程度Epicサイドcが関わっていたのかはよく分からない。Epicが出した原案をLegendがアレンジしてゲーム化したという話なのか、それともほとんどの部分がLegendのオリジナルなのかは不透明である。ただこのゲーム中にはオリジナルのUnreal発売前に公開されていた画像で、Unrealには収録されていなかった場所が幾つか見受けられる。その事からオリジナルには収録しきれなかった分のマップをEpicから受け取って、それを改造したりして利用しているのは確かだろう。実際に収録マップには製作者がEpicの人間の物が何点か含まれている。別にそれらが没マップだったという事は無いのだろうが、譲り受けるのならばその分自分達で追加マップを多く作成してボリュームのアップを図ってもらいたかった(マップ作成は2人だけで行われている。Unrealでは6人。)。


 お勧め度合いというのを考えてみると、一応Unrealが面白いと思った人ならお勧め出来ると言える。既にかなり安く手に入れられるし、時間的にもクリアにはそれほど掛からないはず。評価としては本編よりも数段落ちるという考えだが、新要素が多い前半部分だけでもプレイする価値はあると思う。

GRAPHICS
 エンジンその物に変化が無いので本編と同レベル。デザインとしては雪のマップが目新しい位で、それほど新規な要素も含まれていない。

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