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BACKSTORY
 Unrealの原型となったゲームの開発は1993年頃から始められた。当時カナダを拠点とするEpic Megagamesにいたのはたったの三人、創設者のTim SweeneyとJames Schmalz、Cliff Bleszinskiである。Schmalzは結構売れたピンボールゲームの作者として、Bleszinskiはアドベンチャーゲームの作者として数本のゲームを世に出していた存在であった。

 彼らの考えていた次なるゲームは中世を舞台にしてファンタジーやSF要素を取り込んだ物で、空飛ぶカーペットに乗って峡谷のような場所を飛び回り、兵器を撃って敵を倒すというシューティングゲーム(Magic Carpet風のゲーム)。特徴としてはこれまでに無かった様な広大で美しい世界を描画するという点で、当時主流の256色ではなく16bitカラーを採用するという野心的な物であった。

 その後社会現象とまでなったDoomの大ヒットがあり、彼らもまたこのゲームにはまる事になる。そしてアウトドアの描画用プログラムの原型が出来てきた所で、「これを使ってDoomの様なFPSゲームを、アウトドア主体という要素を盛り込んで作成するというのはどうだろう?」という意見が出だし、1995年中には方針転換が行われる事となったのである。

 ゲームのタイトルとして候補に挙がっていたのは、一番がDark Earthで次点がSin。しかしこれらは2つとも他の会社が既に使用権利を押さえており、仕方無く暫定的に使用されたのがUnrealという名前になる。実際の所もっと良いのを思い付いたら変更しようというレベルで、それほど開発メンバーお気に入りのネーミングという訳では無かったらしい。


左)最初の公開イメージ
中)最初のUnrealロゴ
右)初期のHUD

 当初の発売予定は1997/04で、これはかなり確かな情報として流されていた。しかし結局の所発売は延びに延びて1998/6月になる事に。大きな原因としては、あまりにもゲーム自体が長くなってしまい、これでは不味いという事でマップ自体のサイズ変更と全体の構成の見直しを迫られたという点になる。実際に発売された製品版はかなり長いゲームであるが、それでも多くのパートをカットして再構成し直したそうだ。それとネットコードの開発が上手く行かないという面も存在していた。こちらは発売当時でも見切り発車の感が強く、ある程度まともになるまでには結構な時間を費やす事となった。

 当初のアイディアでは中世というイメージからモンスターにドラゴンを出す事が考えられており、実際に一番最初に出たイメージにはドラゴンが描かれている。これは開発途中で中世からSF的別世界に舞台が移されたのでゲームから排除された。

 Unrealは発表当時から発売されるまでに相当仕様に変更が加えられたゲームであり、事実発売前までに公開されていたグラフィックスには製品版に含まれていなくて「これはどこなんだ?」という物が少なく無かった。製品版のパッケージ写真に載せられている数点の画像ですら、ゲーム上では御目に掛かれなかったりする始末である。パッケージを発売を見込んで早目に作成してしまい、それをそのまま使用したからというのが原因。

 Unrealの大部分は6人の人間によって作成された。その6人全員がPCをMaxまでチューンするタイプの人間だったので、Unrealの動作基準は「自分達のマシンで動けば良し」という設定になっており、それがあの重さを生んだとも言える。

 8ball Launcherは何故6連発なのに8ballなのか? これは最初は8連発だったのが、マルチプレイのバランスを考えて6連装に変更されたからである。同様にSniper Rifleが単にRifle、或いはAssault Rifleとされているのは、最初はALTがズームではなくて3連発のバーストモードだったから。

 ASMDが何の略語なのかは明らかにされていない(と言うか私は聞いた事が無い)。ただこの武器は元々炭坑にて採掘出来るTalydiumを、Stingerの様な原型ではなくて圧縮したエネルギーとして発射する為の武器として作成されたという解説はあり、それからすると語尾はMining Deviceの略語なのかとも思える。例えばAdvanced Supercharging Mining Device。

 初期バージョンではAmplifierの威力が強く、これとパワーアップされたDispersion PistolさえあればTitanでも怖く無いというバランスだった。現在のEnhanced Shockrifleに近いと言える。これは不評だったという事からかパッチ(220辺り)で変更された。

 本編では採用されなかった武器にQuadshotがあり、これはその弾薬のShellsと共にチートにて呼び出す事が出来る(使えないが)。なおこれはModのOldskoolにて武器として使用可能になっている。



 あまり知られていない事だが、Shieldbeltにはバージョンアップ版としてPowershieldという物が存在しており、これはSBの100に対して200の防御力がある。ただゲーム中ほとんど出て来ない。

 Unrealは非常に優秀なBotを登場させた事で知られるが、このBotはCoopでも使えるようにする予定だった(現在でもメニューにその名残はある)。発売後パッチで対応という話もあったのだが、何時の間にか自然消滅。

 Unrealはノベライズされており、ゲームの世界を基にしたオリジナルストーリー本が2冊ほど出ている。タイトルは「Hard Crash」と「Prophet's Power」。現在でも入手は可能な様だ。

 プレスのレビュー記事用の最終レビュー版では、いきなりNyleve's FallにてWarlordが登場する。出てくる場所は護送船の下を潜った後の崖の付近の人が倒れている個所で、ここにプレイヤーが来た時点で製品版では死んでいる人間をWarlordが食べているというシーンが入るようになっていた。プレイヤーが攻撃すると飛び去って、例のリスト装備のテレポート装置にて消えるという演出だったそうだ。多分プレイヤーの攻撃が当ると反撃してしまって、この時点では到底敵わないという事から修正されたのではないかと想像している。

 Bruteは最初Big-Manという名前で、その後BehemothとBruteに分離、最終的にはこの2つのデザインも統一された(直前まで両者は外観が違っていた)。

 Krallは最初牛型のモンスター(ミノタウロス)だったのが、途中から現在の様なデザインに変更された。またEliteは当初外見も違っていたのだが、最終的には色違いという形に。

 チートで出せるSquid(イカ)は没になった物がそのまま残されている。

 Mantaは3種類デザイン違いが存在していたのが、大きさと色を変更するだけで一つに統一された。


左)初期のKrall Elite
中)ゲーム上のドラゴン
右)一番最初のBig-Man


 本編でも書いたがCreativeのSB Live!に一時期体験版が添付されていた。EAXのサウンド部分を強化した物で7面(10面までという物も有るとか?)まで収録。

 シークレット関連は結構存在しているのだが、その中でも非常に分かり難い物、或いは有用なアイテムが多く手に入る物、一般的にSuper Secretなどと呼ばれるシークレットについて何点か紹介しよう。ネタバレ有り注意。

※Dark Arena
 アリーナでのTitanとの戦闘時にせり上がる中央の柱(Naliがぶら下がった)の天辺の窪みにSuper Healthがある。アリーナに入ったら8ballを取らずに柱の周囲の上がっていく部分に急いで飛び乗る。やがてTitanが登場してその部分がせり上がるが、この時中心部に位置して視線は真下に落として待機。ここでTitanが地面をドンと踏み鳴らした時に体が遥か上方へ跳ね上がるので、ここですばやく空中で姿勢制御して窪みに降り立ってゲットする。

※Outpost(Skybase)
 教会にて2Fの壁の隠しスイッチを押すと出現するシークレット部屋からエレベーターで最上階に行くとアイテムが取れるが、ここにある彫像2体を押して下に落とすと壊れて中からShieldBeltとSuperHealthが出てくる

※Bluff Eversmoking
 開いた大きな扉から到着するメインとなる建物から、湖を挟んで非常に離れた高台に磔にされているNaliを撃つと、Superhealthが稲妻と共に出現する

※Cellars at Dasa Pass
 回せるハンドルがあるがバーがあるので入れない場所。この廊下にある蜀台の下に樽を運んで来て乗ってジャンプ。蜀台を頭で押してスイッチが入るとバーが開いて、ハンドルを回すと床が開き下の水に落ちられる。次に戻る為のエレベーターの下にてShieldbeltが手に入る。

※Mothership Lab
 途中テレポートして行ける区画の通路(脇に落ちると即死の場所)、そのある場所にて(下が赤い霧)下を覗き込むと暗がりにSuperHealthがある。更にここから戻る為のエレベーターの途中にはShieldBeltも。ただしSHは小さな板の上に乗っているのでそこに落ちるのは非常に難しく、更に乗った途端に折れてしまうのですぐにジャンプして飛び移らないとならない。

※Mothership Core
 山形に盛り上がって十字形に交差した通路の、外部の区画のある部分にてSuperHealthが高台に乗っているのだが、これはロケジャンで取るのではない。十字の部分に連結された緑色のプレート状通路から行ける部屋の窪みにHealthがあるが、この奥は実はすり抜けられる壁(撃っても良い)になっていてJumpbootsが置いてある。


 UnrealにもEaster Egg(製作者が冗談として仕掛けたゲームとは関係の無い様々な物やメッセージ)が存在している。シークレットを探しながらプレイしている人でも一つも知らないかも。これを全部知っている人は相当なUnrealマニアと言える。

☆Serpent Canyon
 これはおそらく一番有名なEaster Eggであり結構有名。最初からボートに乗って水車小屋へと移動するマップにある。ここでボートに乗って移動中に洞窟のある場所の壁に「看板」が据え付けられている(2番目の長い洞窟の向かって左側の奥まった部分)。これは暗闇なので明かりで照らさないと見えない。
 実はこれには更なる秘密が隠されており、こちらは知らない人も多いはず。ボートのある個所にて通った扉の両側に炎が燃えているが、これの台の部分を左右共に数発撃つと(正確な数は分からないというか、台座の当り判定がどこまでなのかというものある)、その看板の部分に変化が起きる様になっているのだ。

☆Nali Castle
 ケーブルカーが対岸へ渡されている場所があり、これは地下で牢獄から開放したNaliに付いて行く事で乗って向う岸まで行けるのはそこそこ有名なsシークレット。だがここでJumpbootsで対岸の小屋の上の出っ張った木の部分に乗るとTranslatorにメッセージが出るのはあまり知られていない。

☆Depth of Rrajigar
 2番目のスイッチで動く搬送用のカゴの場所(最初垂直に上がってBruteのいる個所に着く物)。ここの天井隅にチートのFlyにて行くと、マップの作者Bleszinskiからのメッセージが表示される。

☆Dark Arena
 アリーナの正面入り口にNaliが磔にされているが、よく見るとその上に小さな四角い穴が空いている。ここに8Ballのグレネード等を上手く投げ込んでやると壁が開いてメッセージ?が出てくる。

☆Warlord
 放ってくるロケット弾をよく見るとカナダの紋章が刻印されている(それとPeacemakerの文字も)。


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