VIETCONG: FIST ALPHA
07/01/21
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製作・販売: Pterodon / Gathering / Take 2
発売: 2004/02
日本代理店版: 無し
概 要 |
Pterodon自身が製作した公式拡張パック。動作には本編がインストールされている環境が必須となる。ゲームの起動には本編の媒体を使用するので注意(FAのディスクをセットしても起動しない)。 本編の起動後にCustom Gameという形式でメニューから切り替えて再起動して有効にするか、vietcong.exe -addon fistalphaの形で直接ショートカットから起動する形式になる。 本編とのセットであるPurple Hazeとしても入手が可能であり、この辺は本編のTOPを参照してほしい。 パッチは本編と共通で最新はV1.6となっている。FAをインストールした時点では本編も強制的にV1.51となる。 必要動作環境は本編と同様だが、エンジンのバージョンアップとマップの広さに伴って重くなっている。 ストーリーは本編の数ヶ月前の出来事を描いており、前作では拠点として使われたNui Pek Campの製作が行われている時期の話。本編で主人公であったSteve Hawkinsは前任者の死亡により呼び寄せられた訳だが、その死亡した前指揮官であったWarren DouglasがこのFAの主人公となる。他にはPoint manとしてNguyen Nhamが新キャラクターとなり、他のメンバーは本編と同一。 デモはマルチプレイ用の物が用意されている。 |
新 要 素 |
ゲームのシステム面ではほとんど本編とは変わりなく、新たにミッションが追加されるという文字通りのミッションパックという位置付け。武器は何点か追加されているが、アクション系FPSとは異なり大きくゲーム性を変えるような物とはなっていない。 M-14: スコープも選択可能なM-16の前モデル。正確性に優れる。 61 Scorpion: 小型軽量のサブマシンガン。命中精度は高くない。 Tokarev STV1940: スコープ付きも存在するソビエト製のライフル。 Sten MKII: 英国製のサブマシンガン。音が静かという特徴あり。 Degtyarev DP: ソビエト製のマシンガン Quick Fightは本編よりも多い7個が追加されるようになっており、これは非常に評価出来る要素である。メニューとしてはFA側から本編の物も併せて選択が可能となり、旧マップにて新追加武器も使用する事が出来る。しかし仕様には変更が加えられていない為に、参加メンバーを増やしてのクリアは難しいという問題は残ったまま。 マルチプレイにはTurn Tabel Modeが加えられている。これは攻撃と守備に分かれて対戦するモードで、攻撃側は出来るだけ速くマップ内の旗を連続して確保して行き、最後の旗まで確保した所で攻守交替。クリアまでの時間の短さで勝負を決める物。その他には銃剣やクレイモアが使えるようになったりしているが、基本的には全てV1.60にて本編と共通の要素となっている(両社の間でマルチプレイの互換性を保つ為)。ただし本編のみのユーザーでもマルチプレイにてFAの武器は使用可能だが、マップに関してはFAを持っていないと新規追加分のプレイは出来ないようになっている。 |
GAMEPLAY |
リアル系の拡張パックは概ねそうだが、ゲーム性をガラリと変えるような要素は含まれていない。また普通ならロケーションや敵を変える事で変化を生み出そうとする方式が多いのだが、ベトナム戦争がテーマなので場所を移すというのは難しいし敵も同様。戦争後半になると市街戦が含まれて来るようになるが、これはおそらく既にVC2で使用する事が決まっていただろうからこれも不可。更に時代が古いので未来的なGearの類も新規には導入出来ない。以上の点からプレイスタイルという点においてはほぼ本編と同じ感覚となっている。 ミッション数はどこで区切るかによって異なるので難しいが、公式リリースには7つのミッションと記載されている。実際に拠点からスタートして帰って来るまでという単位では5つの区切りとなっている。プレイ時間はやはり幅があり、5時間程度という人もいるようだが、幾つか難所が存在するのでそれによっても結構変ってくるはずで、10時間程度掛かっても不思議ではない。クリア後にプレイ可能になるQuickFightの数が増えており、これはVietcong側からもプレイ可能なので、このQFでもしばらくは遊べるというのを含めると全体のボリュームとしてはそれなりにあると言える。北米においては$19.99でリリースされており、内容の割には高価という事は無いだろう。 純粋な追加ミッション集に近いとなるとそのクオリティが重要となってくるのだが、この点では無難にまとまっていると言える。特別に出来の良いミッションは残念ながら存在しないのだが、全般的には標準以上のクオリティの物が多くなっており本編をプレイ済であっても楽しめるはず。ロケーションとして新鮮なのは古い寺院をテーマにした広いフィールドでの戦闘ミッション。他には基地を守るDFスタイルのミッションが今回も含まれており、こちらは後半には敵の拠点にまで踏み込んで行くという点が新しい。それとプレイヤーの行動によって後半の展開に変化が生じるというスタイルのミッションも2個含まれており(最初と最後)、こういった点でも工夫が凝らされている。なお本編での批判を受けてか、今回はトンネル内を延々と探索するような物や、夜間のミッションは含まれていない。 ただしこのFAにおいても非常に難しい箇所が含まれており、そこを突破するのにストレスが溜まるという構図は変っていない。具体的には終盤に2箇所ステルスでの行動を余儀なくされるシーンが有って、ここでは敵が発砲した時点で無条件にミッションが失敗になってしまう。その上Autosaveが長い期間行われないようになっている為に、回数制限のあるQuicksaveを消費しながら進めないとならない。各メディアのFAのレビューに関しても、ほぼこのステルスのシーンに批判が集中していた。 何しろ敵のみが草木を透過して見る事が可能な状況なので、最初は敵がどこに居るのか分からない内に失敗してしまう。分かったとしても集団で居たりするので、そうなると気が付かれないように近付かないとならないのだが、敵はそれなりに認識や反応が速いとなるとそれは困難を極める作業となる。敵は周囲で味方が倒されたりするのには鈍感なので、ナイフか消音ピストルでステルスにて倒すのが基本となるが、ナイフは敵が一人で居る時しか使えず、消音ピストルでHeadshotをするのは命中率が低く設定されているこのゲームではかなり難しい。よって何回も繰り返しプレイしながら進めないとならず、相当ストレスが溜まる箇所となるのは間違いない(或る作戦を使うと幾分楽にはなるがそれでも難しい)。 戦闘やAIについては特別な変化は見られないが、一つ難しくなっているのは敵がGrenadeを多用してくるシーンが増えている点。まず自分自身について言えば、あまり視認性が良くないので近くに投げられても分からない場合も多いし、気が付いても屈んだりしている状態だと逃げるのが間に合わない事もある。そして敵のGrenadeの正確性は異常な程に高く設定されており、更に爆風範囲内ではほぼ即死すると破壊力が高いので厄介。 またこのゲームでは部隊の中の誰が死んでもゲームオーバーとなる仕様だが、本編ではNormalにおいてはそういったケースに遭遇する事は稀だった。しかしFAではこういったGrenadeを投げ込まれるシーンでは、それに巻き込まれて味方が死んでしまうというケースが多々起きてしまう。以前にもGrenadeは無かった訳では無いのだが、今回は狭い場所に投げ込まれたりが増えており、味方AI同士でぶつかってしまい逃げられなかったり、敵の攻撃で倒れている時に投げ込まれたりで動けなくて死んだりとなっている。 一応味方が死ぬような箇所でも何回が繰り返してプレイすれば上手く行くので大きな問題とはなっていないが、どうしてもとなったら隊員を待機させておいて自分一人で行くという手法が必要になって来るかも知れない。これにより難易度が上がっている点は緊迫感を生んではいるのでプラスとも言えるが、自分の与り知らぬ場所で味方が死んでやり直しが続いてしまうのはマイナスとも取れるので微妙。 |
そ の 他 |
FPSの拡張パックではマルチプレイを重視してくるというパターンは良く見られるが、このFAでもマルチプレイについては力が入っており、多くのマップが追加されている。本編とも仕様に関しては互換性が取られているので、プレイ人口の分離という事にもなっていない。Coop用に使えるマップも多くその点は評価出来る。 グラフィックスについてはエンジンの改良が行われており、草木の描画量が増やされているし、多くは無いが広くて遠景描画を行うというマップも加わっている。その分重くなっており発売当時は不満の声も出ていたが、現在(2007/01)ではそれ程の問題とはならないと思われる。ただその他の描画関連については変化が感じられず、軽くなった分今となってはキャラクタのモデリング等に古さを感じてしまう。 サウンドについても変化無し。3Dサウンドの定位感は相変わらず良好。なお前作ではHawkinsの声が情けないという声も多かったが、今回は良いとは言わないが改善はされている。 |