VIETCONG

                                    10/08/04

  SYSTEM

  GAMEPLAY

  問題点・MULTIPLAY

  GRAPHICS・SOUND

  BOTTOMLINE

  ヒント集

  拡張パック FIST ALPHA

  公式サイト


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製作・販売: Pterodon / Take Two Interactive
発売: 2003/03
日本代理店: EA Japanより日本語版
   公式サイト


  ※レビューの内容は主に当時の物です(初期V1.01でのプレイ)



 <10/08/04更新>

 このゲームは現時点でDirectX 10と互換性が無く、Vista及びWindows 7では正常に動作しません。同様にXP64でも不具合が出るという情報もあります。障害内容としては、「幾つかのラジオメッセージを受けるシーンで何度繰り返しても落ちる」、「マルチプレイに接続出来ない」等。

 対処方法は一応あるようですが、DirectXのバージョンを下げるという方法なので危険とも言え、自信がないならお勧めは出来ません。またこれをやっても駄目なケースもあるようです。それと記事自体も古いので、バージョンアップされたVistaやWindows 7でも可能なのかも解らないです。それにDXのバージョンを下げると他のゲームに影響が出る可能性もあります。

http://www.vietcongvets.co.uk/trxvista.html



<概要>

 チェコの新進ソフトハウスPterodonからのベトナム戦争をテーマにした3DFPSゲーム。製作にHidden & DangerousMafiaで御馴染みのIllusion Softworksが協力している。両社は同じチェコの開発会社同士という事も有り、他のプロジェクトでも協力体制を採ったりと親交が深い。

 拡張パックとしてはVietcong: Fist Alphaがリリースされており、この他に無料配布のアドオンとしてRedDawnが配布されている(プレイには本編が必要)。本編とFAをセットにしたVietcong: Purple Hazeというパッケージも有り。元々はGatheringレーベルからのリリースだったが現在は無くなっており、またTake 2の持つVietcongのサイトもダウンしてアクセス出来ない状態となっている。

 Amazonで見るとセットのPurple Hazeだけではなく本編及び拡張パックの単体もまだ結構数は有るようだ。現時点(2007/01)では日本の通販サイトでも入手は容易なタイトルと言える。英国では廉価版としてMastertronicからPurple Hazeが再発されている。北米では再発はされていない。

  製品版の注意点としてUS版はESRBのTeen(13歳以上)仕様となっており、Bloodの表現が控え目で四肢が千切れるといったGore表現は無し、更にMild Language(軽いレベルの攻撃的・下品な表現が含まれる)仕様。UK版は18禁となり、大目のBloodとGoreに対応、またStrong Language仕様となっている(motherfucker等の非常に攻撃的、下品な表現の単語を含む)。

 日本語版はゲーム内の音声以外を日本語化した物で、残酷表現についてはUK版に準拠している。本編のみしか発売されていないが、一応拡張パックをインストールする事は可能なようだ。公式サイトの方は更新が行われておらず、サポート関連についても不明。

 Vietcong関連の情報はPC-NetGamesさんに非常に詳細に載っているのでそちらも参照して欲しい。特に当記事では扱っていないマルチプレイ関連やEditor等について詳しい。


 製作の最中に於いてはほとんど無名に近かったゲームで、当サイトでも一応扱ってはいたのだが何しろ情報が少なく、また事前にリリースされたマルチプレイ用デモの出来もパッとせずという感じで、発売時点でもFPS業界からの注目度は相当に低かった作品である。発売されてから徐々に各種ゲームサイトのレビューで主にシングルプレイに対する高評価が出始めて、現在ではそこそこ有名となっている。

 残念ながらこのVietcongの栄光の後は、このシリーズは下り坂を辿っている状態である。セット版Purple HazeはXbox, PS2に移植されたが、悪い評価しか得られずに評判を落とし(コンバートは別の会社が行い内容もPC版とは異なる)、そしてPterodon自身が製作した続編Vietcong 2(2005)は失望を持って迎えられている。



<STORY>

 オリジナルの創作ストーリーではなく、ベトナム戦争を舞台にしたミッションベースで進んで行くスタイルのゲーム。プレイヤーは戦争も佳境となった1967年のベトナムにて、U.S. Special Forcesの一員であり隊のリーダーでもあるSteve Hawkinsとして、史実に基づいた各種ミッションをこなしていく事になる。
 構成としては一番大きな括りでキャンペーンとでも言うべき単位が有って(基地を出発してから帰るまでの間となりゲーム上は明確には区切られていない)、これ等はそれぞれ1個から幾つかのミッションにて構成されており、その各ミッションは更に1個から複数のMapから成っている。それぞれのキャンペーンやミッションに背景や設定は存在するが各々に独立性が高く、話のつながりや時系列での連続性はそれほど考えられていない。全体の連続したストーリーの面白さよりも、それぞれのミッションの面白さを追求というゲーム性である。

 ベトナム戦争については書物等も多く、ネットでも深く調べられるとは思うので概要だけ簡単に記述しておく。インドシナ地域は元々は日本とフランスに植民地支配されていた土地だったのだが第二次大戦後に独立。しかしその後再度の植民地化を目論むフランスとの戦争に突入、1954年にはフランスを打ち破ってジュネーブ条約にて平和協定を結ぶ。この際に世界的に台頭して来ていた共産主義(ベトナムも共産主義)の浸透を恐れるアメリカ側の意見もあって南北に分裂統治という形態になり、南ベトナムは実質アメリカが支配権を持つような形になる。しかしすぐに北ベトナムはホー・チ・ミン政権の下ベトナムの統一を目指して動き始め、ここから南ベトナムとの間に戦争が起きる事になった。この過程で北ベトナム軍(NVA)と手を組んで、南ベトナムにて共産主義に共鳴して内部からゲリラ戦を挑む反政府軍、その名も南ベトナム解放民族戦線 (NLF)が1960年に結成される。このNLFが一般的にはベトコンと呼ばれる組織である。

 当初は地元民で構成していた南ベトナム政府軍だったが、それでは力が及ばないと言う事で、1960年台に入ってからはアメリカの正規軍が軍事介入としてベトナムに駐留するようになる。一方で北ベトナムはソ連や中国からの物資支援を受けるという形でこれに対抗。北ベトナム軍+ベトコン vs 南ベトナム軍+米軍の図式での戦争が始まる。特に1964年以降は戦争は激化して大量の兵士がベトナムに向かう事となり、北側への激しい空爆や自国内のNLFに対する枯葉剤散布等が行われた。この頃までは米国内には楽勝ムードが漂っており(情報操作であまり実情が伝えられていなかった面も有るようだ)、ろくな軍備も持たない小国が近代兵器を揃えた我々に敵う訳が無い、といった認識程度になっていた。
 しかし1968年ベトナムの旧正月(テト)に起きた有名なテト攻勢事件以降、ベトナムの実情を知った米国民の間には反戦論が巻き起こり、以後政府側もこれでは選挙に勝てないという考えからベトナムへの派兵や援助を削減。最終的に1973年に北側と調印してベトナムからの完全撤退となった。以後は南政府軍と北との戦争となり、1975年には南は無条件降伏して国は統一される。

 このベトナム戦争はアメリカ人にとってはあるの種タブーとなっている出来事である。結果的に何一つとしてプラス要素をもたらさなかったし、戦後の兵士の補償問題や帰還兵の精神障害等の問題を長年に渡って抱えてしまっている。本来であれば自由主義の為に勝って然るべき、勝たないとならないアメリカが敗北した唯一の戦争でもある(敗北では無く撤退という言葉を使っているが)。映画の題材としても多く取り上げられているが、基本的にはそれらはこの戦争への問題提起であり批判でもある。
 このゲームはアメリカの取った行動やベトナム戦争の意義について批判的な立場を取っている訳ではなく、完全にゲームとして作成された物であるが(むしろアメリカ軍の活躍を美化し、悪のベトコンを倒すといった雰囲気が強い)、それでも全体を包む雰囲気は重苦しい物が有るのは確かだ。



<PATCH>

 現在V1.6までリリースされている。注意点としてはこのパッチはどのバージョンにも適用可能なユニバーサル・パッチではなく、持っている製品版のバージョンに応じて順に適用しないとならない。適用の順番はUS版の場合にはV1.01 > V1.3 > V1.41 > V1.6となっている。UK版に於いては後発で発売されているので、最初のV1.01は省略してV1.3以降を適用する。拡張パックFAをインストールしている場合は既にV1.5になっているのでV1.6のみでOK。なおUS版にてBlood表現等をONにする非公式のBlood Patchなる物が出回っているが、これを適用しているとV1.6ではマルチプレイにてチートと見なされてしまうようになるので注意。日本語版はパッチ自体はそのまま適用可能。ただし表記が英語に戻ってしまう箇所が有るようだ。

 追加マップはそれぞれ独立してダウンロードするようになっており、Prophet, Riverdale, Frontier(パッチ有り), Three Canyons, Indian Countryの5種類がリリースされている。マルチプレイを行うなら必須。


 デモはシングルプレイとマルチプレイの双方が用意されているのだが、マルチプレイの方は発売前のバージョンのままなので、今から試すならばFA用にリリースされているデモを使うべきだろう。


<動作環境>

HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU Pentium 3 700MHz Pentium 4 1GHz
MEMORY 256 MB 384MB 以上
VIDEO VRAM 32MB 以上 VRAM 64 MB 以上
SOUND DirectX 8.1 compatible EAX

対応OS: Win 98/2000/ME/XP
Direct X 8.1以上要


 Readmeが添付されておらず、またハード関連のサポート情報に詳しい物が無い。よって具体的にサポートしているビデオカード等はハッキリしない。Hardware T&Lは必須ではないが、どの程度古い物(TNT2やVoodoo5)までOKなのかは不明である。対応OSも特に記載が無いが、XPでの動作は特に問題無し。なおマルチプレイにてAnti Cheat機能が働く為にはIE6.0以上が必須となる。

 私がプレイしたのはV1.01のUK版だが、当時はゲームのクラッシュやフリーズといった問題には3回程度遭遇した。この頃は公式Forumにも結構な数の障害報告が有ったはずだが、現在ではバージョンも相当上がっているし、OSもXPがほとんどと様変わりしているので参考にはならないだろう。基本的にはマルチプレイでのクラッシュやトラブル関連が多いゲームであり、シングルの方はそれほど問題は無いと言える。

 ゲームのパフォーマンスに影響する事項として、Setup画面に”Fit Texture in Video(System) Memory”という選択事項が有る。これをどっちにするかはサポートサイトとマニュアルで反対の事を言っているし、また実際の検証としても意見は分かれている。常識的にはVideoにした方が高速なはずなのだが(私はこちらでプレイ)、ビデオカードとメモリの速度の関係によっては逆の方が速かったりする可能性も有る(昔のビデオカードに最近の高速DDRメモリ搭載マシン等)。
 後は重ければ「解像度を落として16bitカラーに」、「Triple Buffer ON/OFF切り替え」、「Prefer 16bit Texture設定にチェック」、「Disable Lightmapにチェック」といった事で設定を下げて見て欲しい。デスクトップに落ちたりするならSoundをDiableにしてそれが原因なのかを試してみるというのも有効だろう。


ゲーム中に頻繁にCDにアクセスして遅い
 初期バージョンはプロテクトの為にゲーム中でも随時CDを読みに行くのでその瞬間に止まるという問題あり。

Detail Textureの設定を上げても適用されない
 古いオンボードのビデオチップの場合、この設定は有効にならないので切るしかない。(例:ユニフォームが単色表示される等の問題が発生)

フレームレートに問題あり
 オンボードのサウンドチップではOptionで設定を下げないとfpsに大きな影響が出る。サウンド系の設定を低くしてみる。



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