<問題点>

 欠点としては難易度のバランスがおかしいという点が有る。部隊行動に関しては別の項目で詳しく述べているが、一般的に部隊での行動ミッションはやや簡単なバランスであり、それに対して個人でのミッションは難しい物が多い。この為に部隊行動のミッションにて面白味を増すにはキャンペーンの難易度を上げたいのだが、個人行動のミッションを考えるとそちらがキツくなるといった面が出て来てしまう。この両者の差が大き過ぎるというのが第一の難点。
 それと絡んでこのゲームではHPの回復を行う毎に最大値が減って行くという設定になっており、これは全ての連続するミッションが終わって基地に帰るまでリセットされない。よって長い連続するミッション程難易度が上がるのだが、これが長い物では本当に長くてNormalでも辛い個所が有る(勿論たった一つのマップからなるミッションも結構有る)。この辺はミッションが一つ終わったらクリアされるという設定でも良かったのではないかと思うのだが。Forumなんかを見ると難易度Vietcongで開始したが途中でどうにも進めなくなったというコメントも有り、こういった異様に難しいミッション(個人行動の物)を含めたミッション毎の極端な難易度のバラツキというのはゲームの傷となっている。

 そして最大の問題と言えるのが出来の悪いミッションが幾つか有る点。普通かやや悪いミッションの中に優れた物が幾つも混じっているのならば良いのだが、このゲームは印象的な優れたミッションも多い反面、相当ユーザーに評判の悪いミッションがそこそこの数存在している。このゲームの製作に関わっているIllusionの最新作Mafiaではレースのミッションが槍玉に挙げられていたが(これはPatchで修正された)、そういったForum等で非難を浴びるミッションが複数存在しているという事である。

問題の有るミッション一覧 (V1.01での物)
Papa Oscar Whiskey  非難度No.1はこれ。Forumはこれが終わった後のSaveをくれという発言で溢れている。人質を救出する為にステルスが強要されるミッションなのだが、AIの認識に問題が有って非常に難しいのが問題点。またキッチリと製作側の意図した通りにプレイしないと進行しなくなってしまう可能性も有る。
Underground City  ベトコンと言えば数百キロにも及ぶ地下トンネルを作成していたというのは有名だが、そういったしゃがまないと移動が出来ない様なトンネル内のミッション。ベトコンのゲームなのでこれは外せないというのは理解出来るのだが、幾ら何でも延々と長過ぎるのが難点(一度クリアした後でも1時間は掛かると思う)。しかもトンネルを通るミッションはこれだけでは無いので、余計に単調で延々と長過ぎるというイメージが強い。
Khe Bana River  最後のボートのパートが難し過ぎるという問題。これは厳密に言うと単にその個所だけが難しいというのではなく、物凄く長い一連のミッションの最後なので体力が落ちているという点にも問題が有る。ダメなら相当戻ってやり直さないとならないだろう。特に難易度Vietcongでは鬼の様に難しいそうだ。
Outpost  指示やガイドが無いので、何故ミッションが失敗するのか分からないという質問が多い。一言で言えば時間制限が有るのだが、それが表示されない上にどの部分までが時間としてカウントされているのかがハッキリしない。AIの動きもここでは良くない面が目立つ。
Cave in  ”迷路の様な”マップというのは他のFPSでも存在するが、これは文字通りの迷路。現在ではあまりの非難の多さに応えて公式の地図がDownload出来るようになっているが、それでも最後の個所は結構大変である。面白さも無く不要と思えるマップ。
Evade and Escape  AIの認識能力、及び弾が壁を貫通してしまう事から難しいというのが一つ。夜で暗いのに所持マップが使えないので迷い易いのも問題。次に通過する場所によってはフラグが立たないので、次にどうすれば良いのか分からなくなってしまう人も多いようだ。

 更に上記に絡んで2つ大きなゲーム上の問題が存在する。一つはBrightness(明るさ)で、ゲームには製作側が意図する明るさに合わせる為のガイドが無いので適当に好みで行うしかないのだが、これに丁度良い値というのが存在しない。ミッション中では無い画面(資料表示画面等)で適切な明るさに調整した場合だとゲーム中に非常に暗くなってしまい、特に夜のパートにおいては尋常では無い暗さとなり、1m先にいる味方の姿さえ見えないといった個所(Swamp等)も。また携帯しているマップを見るという行為が別画面を開くのではなく、実際に画面上でキャラクタが目の前に広げて見るといった動作になっているので、暗い場所ではそのマップが見えない。戦闘でも敵のAIの視力はそれほど暗くなっても落ちない為に、そういったケースでは非常に辛い事になってしまう(味方と一緒であれば彼らの視界は同等なので何とかなるが)。携帯用のライトが使えるミッションならばともかく、バランスとしてこの暗さは明らかに変であるというのはかなりのプレイヤーから意見として挙がっている。
 では明るくすれば良いのかと言うと、ゲーム中にて適当と感じる程度に合わせてしまうと、今度は資料等の文章の表示が白く飛んでしまったりする。どちらに合わせるかはプレイヤー次第というしかない。

 もう一つはゲームのガイダンスに関して。全くユーザーフレンドリーでは無い様なゲームに比較するとゲーム中のガイダンスはよく出来ており、マニュアルについても結構細かい個所までカバーしている。ところがその一方で「どうしてこんな肝心な事を?」と思えるような点をプレイヤーに伝えなかったりして、それが原因でゲームが進まないといったトラブルを引き起こすケースも見られる。例えば「何故このミッションが失敗になるのか理由が分からない」といった発言がForumに寄せられるような物が上の表以外でも存在している。これにはミッションの構造が悪いという場合も有るし、マップのデザインに問題が有るというのも有るが、いずれのケースでも失敗の理由が分かるように表示してやれば済む事。それが省かれてしまっている点に問題が有る。
 何故かキーの設定に標準とAdvanceが有って、Advanceを選ばないと全てのキー操作をアサインする事が出来ない仕様。グラフィックスの設定のように詳しくない人が誤って触らないようにするのは分かるが、キーの設定についてそういった事をするのはちょっと理解しかねる。例えば非常に有名なトラブルとして、「あるミッションで真っ暗で何も見えない」という不満が出ているのだが、これは単に「該当のキーでライトを点ければ良い」というだけの話。ところがAdvancedにしないとそのキー設定も表示されない。もしライトを持っているミッションの場合には右下の弾薬数の上にアイコンが表示されるが、一見しただけではそれがライトを意味するとはちょっと分からないイラストである。これよりは少数派であるが、「ゲーム中にQuickSaveが出来る」というのを知らない人が結構いたりもした。

 アイテムの回収にも問題が有る。死体をUSEすると持っているアイテムを周囲に落とすという方式なのだが、これがその死体自体・他の近くの死体・周囲のオブジェクトと重なって見えなくなってしまう事がある。よってMedikitを取りたい時にそれが見えないので、隠れているのではないかと周囲を人間スキャナーとしてじっくりと探ったりしないとならない事も。またアイテムが重なって取れないケースも有って、銃とアイテムが重なっていて銃の方が優先されてしまって取れないといった事が起きる(銃は複数持てないので、一度自分の持っている物を捨てないとならない)。それと死体を含めて障害物が前にあると銃を横に避けるので照準が消えてしまい、小さなアイテムを拾うのが難しくなったりもする。その他は砲撃要請のマップ画面にてカーソルが上手く動かない(1.20で解消されたという話もある)、味方のヘルスバーが薄くて見にくいといった点も問題である。



<MULTIPLAY>

 対戦用のゲームモードはスタンダードなDM/TDM/CTF/LMSの他に以下の様な物が用意されている。

Assault the Game: 設定された目的を攻撃と防御に分かれて争う
Real War: マップ上に存在する3個以上の旗を全て占拠する

 マップ単位で最大人数は異なっており、64人に対応している物も有る。ただし最大人数が異なる物を混在させてしまうと、少ない人数の物に切り替わった時に溢れたプレイヤーが落ちてしまうという問題も持っている。HUD系を表示させなくするVietcong Modeの設定もサーバー側で可能。当初より大きな問題点となっていたチート対策については途中からHeadBaが導入されている。

 クラス制を採用しており、シングルプレイ同様に6個のクラスの中から選択するようになっている(クラス毎の人数制限可能)。各クラスはレーダー上では色違いとして認識出来る。

 Coopを非常に重視しているのも大きな特徴であり、こちらは6-10に人用のマップが用意されている。スタイルはシングルプレイ自体をプレイするのではなく、マップ内の敵を全て倒すというスタイルとなる。Coopについては当サイトのCoop道場の方を参照して欲しい。


 現時点(2007/01)でも結構な数のプレイヤーが存在しており(VC2の失敗も関係しているのだろうが)、今からでもプレイする場所には困らないであろう。ただPing制限されてしまうと日本からは難しいというサーバーは多くなる。



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