<BOTTOMLINE>
[PROS]
◎1950年代のソビエトの雰囲気の再現性
◎独創的なムービーのクオリティ
◎BGMや環境音の出来が素晴らしい
◎敵の造形の奇妙さ
◎オブジェクト類のモデリングの精度が高い
[CONS]
×回復薬が多過ぎて簡単(難易度Normal)
×ボリュームとしては短く、リプレイ性も薄い
×ボス戦も存在せず、全体的に地味な印象
×AIが単純で戦闘に変化が足りない
×武器のサウンドに弱い物が多い
×キャラクタのモデリングとアニメーションが粗い
出来が悪いとは思わないが、やはり高得点を与えられるようなゲームでは無いという感想。北米や欧州(西側)のゲームとは異なる独特の雰囲気を持っているので、それが楽しめるかどうかが一番の評価の決め手になると思う。或いは何か珍しい雰囲気のゲームを好む人向け。地味に淡々と進んで終わるという感じなので、軽い気分でプレイしたい時には向いているが、真剣に緊張感を持ってプレイしたいという人には適さない。革新的な要素も無いし、個人的にも強くお薦め出来るようなゲームではない。掲載しているSSを見て興味を惹かれないのならば、特に手を出す必要は無いと思う。逆に雰囲気が気に入ったのならば、他に遊びたいゲームが無い時にでもプレイしてみても良いだろう。
CGによるムービーのクオリティはベストクラスの出来映えで、或る意味ではこのゲームにおいて最も優れている物となっている。BGMも素晴らしくゲームの評価を上げているが、それだけではFPSとしての本質部分である戦闘のクオリティの埋め合わせにはならない。
本文にも書いたように、内部の作り込みには成功した反面、そのシワ寄せで実際のゲームプレイ面では予定していた多くの要素をカットせざるを得なくなり、結果的には普通のFPS要素しか残らない形になってしまった。実績の無い会社による初めてのゲームとして見るなら良くやった方なのかも知れないが、面白そうだった内容のカットは非常に残念に感じられる。やはり大手の代理店から開発資金と制作期間を十分に与えられないと、ゲームプレイとグラフィックス(マップ内部の作り込み)の両方が充実したゲームを作るのは難しくなって来ていると言えよう。
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