GRAPHICS |
このゲームも自社製のGlacier Enginを使用。バージョンはHitman: Blood Moneyよりも上で、主に以下の様な点が改良されている。 *画面上に出現するNPCキャラクタの数を増加。より大量の群衆が動き回るのを描写可能。 *物理エンジン(Havok)を強化。ガラスが砕ける様や、オブジェクトの動きをより複雑に処理している。 *マップ内のオブジェクトに破壊可能な物が増えている *アンビエント・オクルージョン効果を追加 エフェクト系の感想としては煙の表現は良いが、爆発や炎の表現は地味でリアルでもない。テクスチャはマップによって差があるという印象で、綺麗な場所は綺麗だが、質の低い物が目立つ場所も存在している。 キャラクタのモデリングでは味方は携帯している荷物を含めてかなり細かく作り込まれているのに対して、NPCや敵のモデルの少なさとクオリティの低下が目に付く。 負荷としては私の環境(XP SP3, E6850, Geforce 8800GTS 640MB, 181.22, SB X-Fi)では設定を最大まで上げても重さは感じられなかったし、2007年当時のゲームとしては重さの割には全体的なクオリティは高いと言えるのではないか。ワイドスクリーン対応。 安定性も高かったが、“Postfilter LOD”をHighにすると草木やキャラクターの髪の描画が変になる箇所があった。ドライバを最新にすると治るかも知れないが大した問題では無いので無視した。 |
SOUND |
サウンドはOpenALの他に通常のHardware使用、Softwareモード等を選択出来る。少なくともOpenALならば3Dサウンドの効果が得られる。 銃撃のサウンドは及第点。銃別に音の変化はちゃんと感じられるし、低温も結構出ているので重量感は感じられる。だが金属系の音はややこもった感じでクリアではない。それと映画的な演出を重視するゲームならば、不自然でももっと派手目で良かったように思う。 キャラクタの声優の質は高く、イメージも合っており雰囲気が出ている。日本のステージが幾つか出て来るが、日本人の様に発音は正確だが台詞がちょっと変だったり、発音自体が日本人ではなく明らかにおかしかったりとそのクオリティは今一つ。特に深刻なシーンでのメチャクチャな発音はマイナスである。 BGMはIOでは御馴染みのJesper Kydが担当。曲数は少ないがテーマ曲等良質な物を聞かせてくれる。 |
MULTIPLAYER |
マルチプレイの対戦はFragile Alliance(脆い同盟)というモード一つのみ。試してみようとは思ったのだが、Dedicated Serverサーバーが用意されていないので、誰かが建てている時を見付けるか自分で建てて待っているしかない。そして数回試したがサーバーは発見出来ず。現在ではゴールドも無料化されているがそちらも含めて人が居なかった。仲間内で誘える人がいないのならば既にプレイは困難と考えた方が良さそうだ。Xbox
LIVE(海外)ではDLCが出たりと現在でもそれなりにプレイヤーは存在しているらしい。 そこでゲームの概要だけを紹介。Co-opと対戦を足したような非常にユニークなゲーム性なので、未プレイでの解説はちょっと説明が誤っている箇所もあるかも知れない。 最大で8人まででプレイ可能。ラウンド制で進められて、最後に最も金を持っていたプレイヤーの勝利。ラウンド数とその制限時間はサーバー側で変更出来る。クラス制ではないが、稼いだ金でラウンドの合間に武器やアーマーを購入する事は可能。 基本的な目的はチームを組んで金を強奪する事で、銀行のマップであればその中に押し入って各人が金を手に入れ、警備員の攻撃を振り切って最後には逃走用の車まで逃げれば良い。金は内部に存在する幾つものドルマークの場所から回収するが、大金を入手しようとする程時間が掛かるので危険度も増す。また攻撃を受けた場合にはダメージではなくて、持っているお金を落とすというペナルティも付く。そして逃走に成功したメンバー間で盗んだ金を均等に分け合って1ラウンドが終了する。 ゲームのポイントは裏切りが用意されている点で、逃走前に仲間を撃ち殺してその金を奪う事が出来る。各人が持っている金は頭の上に表示されるので、なるべく多くを持っている仲間を裏切る程利益は大きい。しかし裏切った時点でそのプレイヤーはTraitor(裏切り者)としてオレンジ色の表示で見分けが付くようになり、ミニマップにもそれが表示されてしまう。他のプレイヤーが裏切り者を倒せば賞金が獲得出来て、倒された裏切り者は何も得られない。更に裏切ると次のラウンドでは黒い服を着てスタートするので、他のプレイヤーから警戒されてしまうというデメリットもあり。 裏切り者に殺されたプレイヤーはSWATの隊員として警備側にリスポーンし、強盗団の落とした金を拾うと10%のボーナス。また自分を裏切った相手を倒せばリベンジとして高額の賞金が手に入る。SWATで一度死ぬとラウンド内での復帰は出来ない。 ボイスチャット可能ならば、会話によって協力や騙し合いの駆け引きを楽しむ事も出来る。お互いに殺し合わないようにしようという協約を結んでおいて、突然の他者の裏切りによる攻撃を防ぐ為に死角をカバーし合ったりが可能ならば、それを突然裏切ったりも勿論可能である。 このゲーム性の為にいろいろと作戦や駆け引きが難しくなる。裏切り者として成功すればボーナスは大きいが、「こいつは必ず裏切る」というレッテルを貼られてしまうと、邪魔だとしてラウンド開始直後に皆から攻撃されて殺されプレイを封じられたりする恐れがある。(そのプレイヤーに関しては殺しても裏切りとは見なさない事にしようという同意が有れば問題無い)。また金を持たない程安全なので(持ち金の少ないプレイヤーを殺して裏切り者になるのは見返りが少ないから)、裏切られない様にする為に他の仲間よりも稼がずに脱出を目指して堅実に稼ぐという戦法も可能。 Co-opは途中の仕様変更により、オフラインの画面分割のみの対応となった。理由については制作期間の制限があり、そこにCo-opを可能にする為のエンジンの仕様変更を導入するのはリスクが大きいと判断したからと述べている。またオンラインのCo-opを外すのはマイナス要素ではあるが、他を充実させる事で大きなダメージにはならないとも話している。 確かにシングルプレイが非常に出来が良ければ、Co-opが無い点は大きなダメージにはならないとは言える。しかしシングルプレイの出来がそうでもなかった場合には、Co-opが出来るというのはそのマイナス面を挽回する為の重要な要素となる訳で、実際にこのゲームではCo-opがオンライン出来ないという点が更に評価を下げるという結果に終わっている。 |