KANE & LYNCH: DEAD MEN

                                  09/06/06



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製作・販売: IO Interactive / Eidos Interactive
発売: 2007/11
日本代理店:無し


概  要  Hitmanシリーズで知られるオランダのIO Interactive制作によるTPS。ゲームのベースは同社が2003年に発売して高い評価を得ていた、部隊のコントロールをメインの特徴とするFreedom Fightersの方であり、開発メンバーも大部分が同じである。PC, Xbox 360, PS3のマルチプラットフォームでの同時発売。

 Eidosの2007年ホリデーシーズンの目玉作品として大々的なキャンペーンが展開され、TVやWEB等を使っての宣伝が派手に行われていたゲームである。Tomb RaiderHitmanに続く新人気フランチャイズとしての期待も大きく、最初からシリーズ化も視野に入れられている他、発売前からLionsgate社による映画化も決定している。映画の公開時期は2009/06現在ではまだ未定だが、主役のKaneはブルース・ウィリスが受け持つようだ。

 しかし大々的な宣伝にもかかわらず地元英国ではチャートでの成績は奮わず。ゲーム自体の評価もあまり芳しくなく、現時点(2009/06)での集計でも全機種共に平均67点辺りという程度に終わっている。更に悪いレビューを書いたサイトへの圧力疑惑が大きな話題ともなってしまい、著しくゲームのイメージを傷付ける事にもなった。そして発売後から(親会社SCiの)株価も大幅に低迷し出して、2008年中は身売りの噂が絶えないまでに会社に陰りが見え始め、結果的には2009/04に日本のスクウェア・エニックスに買収されている。

 セールス的には2009/04時点で170万本を売り上げているそうで、発売後の「まあまあ売れた」というインタビューの発言からすると意外な程多い数字である。多額の宣伝費を掛けた割にはという意味だったのかも知れない。


 通常版の他にサントラDVD等が付属するSpecial Editionも出ている。既に英国の廉価版メーカーMastertronicより再発版もリリース済みで、英国の通販サイトからならオリジナル版でも同様に£10以下で購入可能となっている。

 日本ではコンソール版については、スパイクからケイン&リンチ: デッドメンとして日本語版が出ている。


 DLCとしてコンソールには"The Dope Bag"と呼ばれるマルチプレイ用の新マップを収録した物がリリースされているが、PC版には出るのかは不明である。

STORY  主人公のKaneはかつては有能なビジネスマンとして妻と2人の子供と暮らしていた。しかし14年前に自宅に置いてあった銃で遊んでいた子供が誤って自らを撃ってしまい死んでしまう。その後妻は彼の責任を問うて娘と出て行ってしまい、Kaneは自分を責めるあまりに精神的におかしくなって自暴自棄に陥り、やがては傭兵として生計を立てるようになっていた。彼はその優秀な頭脳を駆使してその世界では有名な人物となり、“The7”と呼ばれる世界中で活躍するエリート傭兵組織に誘われるまでになる。
 組織に加わった彼はそこでも活躍したが、ベネズエラでの大仕事の際に作戦が失敗。他のメンバーが死亡する中彼だけは生き延びたのだが、米国内に戻った際に逮捕され死刑宣告を受ける事になった。

 もう一人の主人公Lynchは平凡な暮らしをしていたサラリーマンだが、重度の精神病に掛かって薬での治療を行うようになっていた。そんな或る日彼の妻が殺害されるという事件が発生する。警察に逮捕されたLynchには殺害の記憶が全く無い。しかし状況証拠から彼が犯人と断定されて死刑が確定する。


 そしてKaneとLynchは死刑囚として護送車の中で出会うのだが、その車は謎の集団に急襲されてKaneは彼等との逃走に成功する。しかし彼を救出したのは実はベネズエラから生きて逃げ延びていたThe7のメンバー4人で、Lynchを手引き役に使っての作戦であった。彼等はKaneが裏切って逃げた事を責めるが、最後の仕事でKaneが持って逃げたブリーフケースがどうしても必要という状況にあった。

 そこで彼等は既にKaneの妻と娘を誘拐しており、彼に対して交換条件を提示する。もし三週間以内にブリーフケースを現在の保管場所から奪還して自分達の所に持って来られれば、Kaneは殺すが妻と子供の命だけは助けてやるという物。仕方なくKaneは彼の監視&指示の伝達者として雇われ、成功報酬には組織への加入を条件にしたLynchと共に、約束のブリーフケースを奪取するべく行動する事になった。


PATCH

DEMO
 パッチはリリースされていない。バグや問題が比較的多いゲームだったので期待されていたのだが結局出ずに終わった。Eidosが既に苦しい状況だったのでIOにパッチ製作を行わせるだけの資金が無かったのか、ゲームの期待以下の評価にパッチの制作を見切ってしまったのかは判らないが、この点もまたゲームの評判を下げる事になったのは確かである。


 シングルプレイ用のデモがリリースされている。ただしこのデモは難易度設定が行えず(Easyのみ)、また一度ゲームをスタートさせてからでないと各種設定に入れないという問題有り。

動作環境

トラブル
HARDWARE 必要環境 推奨環境
CPU

Pentium 3 2Ghz or Athlon XP 2000+

Pentium 4 3.0Ghz or Athlon 64 3000+
MEMORY 1GB 2GB
VIDEO VRAM 128 MB  Shader Model 3.0以上 VRAM 256 MB  Shader Model 3.0以上
SOUND DirectX 9.0c互換 同左
対応OS  XP / Vista
DirectX 9.0c以上要


 VistaはSP1以上が適用されていないと問題が発生する可能性が高い。発売当時のビデオカード対応リストは以下の通り。Shader ModelはVertex&Pixel共に3.0以上という記載があるので、オンボード系ビデオチップでは単に3.0とあっても動かない物も在ると思われる。デモで動作確認した方が良いだろう。

nVidia  Gf6200, Gf6500, Gf6600, Gf7100, Gf7200, Gf7300, Gf7500, Gf7600, Gf7650, Gf7800, Gf7900, Gf7950, Gf8300, Gf8400, Gf8500, Gf8600, Gf8800

Amd/Ati X1300, X1550, X1600, X1650, X1800, X1900, X1950, X2400, X2600, X2900


 Games for Windows - LIVE対応タイトルであり、ゲームの動作にはクライアントソフトのインストールが必須である。
“Error: "This application has failed to start because xlive.dll was not found”というエラーが出るならソフトがインストールされていない。しかしこの"Games for Windows - LIVE"は、(少なくとも現時点では)MSの目論見とは異なり普及していないばかりか、動作上の問題を引き起こす等の厄介事を引き起こす要因となっており、実際にこのゲームでもこれ絡みのトラブルが発生している。

 製品版DVDにもソフトは含まれているがバージョンが古く、最新版に更新しておかないと起動しないといったトラブルになるかもしれない。ゲーム起動時に自動更新に行くが、セキュリティの関連で更新が上手く行かないケースも多く、その際には最新版のクライアントソフトをダウンロードして単独でインストールした方が確実である。MSのダウンロードセンターに行って、"Games for Windows - LIVE"で検索すれば見付かるので一番新しい物を選択する。2009/06/05現在の最新は2.00.0687.00。2.00以降は単体での起動が可能になっており、その中の設定タブを見れば現在のバージョンが表示される。

 それとゲーム中でもHOMEキーを押せば、LIVEのオンライン状態へのログオンが可能だが、その際にログオンが出来ないというトラブルも良く発生するらしい。これには一端ゲームを終わらせて、先にオンラインにしてゲーム起動時に自動的にログオンさせる設定にしておけば解消される。


 ゲーマータグの制作は必須では無いようだが、Gears of Warでは「先にオフライン専用の無印プロファイルでプレイしていた場合、後でゲーマータグを制作するとそれまでの無印用のデータが全て消えてしまうので注意」という警告が出ていた。このKaLでもそうなのかは未検証。もし持っていなければ先にゲーマータグを制作しておいた方が無難だろう。初回ログオン時にマルチプレイ用の登録コードを要求されるので、マルチプレイについてはゲーマータグは必要である。

 プレイ時にオンラインに接続してLIVEにログオンする必要は無い。ローカルでもゲーマータグにてオフラインでのログオン状態になり、セーブデータ(進行状況)は保存される。ただしこのゲームではオフラインだと実績が解除されない。実績を解除したければオンラインでログオン状態にしておかないとならない。ただ幾つかのチャプタークリアの実績は、オフラインでのクリア後にリプレイを選ぶだけでクリアされたりはする。「ヘッドショットをX回決める」の様な物はカウントされていないので最初から。
 なお実績のクリアを重要視する方には勧められないゲームである事を付記しておく。全1000P中でマルチプレイ系の実績が半分以上を占めているし、そのマルチプレイはPC版においては仲間内で人を集められない限りは既にプレイする事自体が難しいという状況である。


 ゲームのデータを他のマシンに移したり保存したい場合でも、正確にはどうすれば良いのかのガイドが用意されていない。LIVEのデータはXPだと C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Application Data\Microsoft\XLive\ の中に在り、
その中の Content\E00005D000000045\FFFE07D1\00010000\E00005D000000045_MountPt の中にセーブデータが在るとされている(フォルダの数字は異なる可能性がある)。その中の 534307EB.gpd がKaLのセーブデータ。

 ただしこのデータだけを戻せば環境が復活するのかは不明である。(GoWでも復帰しないという声が出ていた)。それとXLiveフォルダの下には他にもゲームの設定ファイル等を保持しているので丸ごとバックアップを取りたいのだが、中には他のLIVE対応ゲームのデータも入っているので、別のPC環境で強制上書きした場合に他のゲームに問題が発生する恐れがある。
 更に C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Application Data\kaneandlynch の中にもファイルが保存されており、これは何のデータでバックアップが必要なのかも不明である。


 Xbox 360の純正コントローラーに対応。対応しているのはこれだけで他のゲームパッド系は認識しないので、少なくともそのままでは使えない。


*Co-opの仕様について
 オフラインでのスプリットスクリーンによる2人Co-opのみ。開発途中でオンラインのCo-opがカットされた為に勘違いしている人も多いようで、公式でも質問が繰り返し出ている。またプレイには最低でも一台のXbox 360 コントローラーが必要となる。


*起動しない
 私自身も苦労したが、決定的な原因というのは判らないままである。取りあえずは以下の点を基本としてチェックする。

*Games for Windows - LIVEを最新バージョンにする
*OSのサービスパックを最新にする
*Microsoft updateに接続して、優先度の高い更新に適用漏れがないかを確認
*C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Application Data\kaneandlynch の中のmain.iniを開いて、
  Resolutionをデスクトップと同じにしたり、800*600等の値にいろいろと変えてみる


*数秒置きに止まるような動きになる
 USBキーボード(特に特殊機能を備えたタイプ)を使用している場合、ノーマルなUSBタイプのKBか、可能ならばPS2接続にコネクタを変換してテストをしてみる。或いはデバイスマネージャからヒューマン・インターフェイス・デバイスの項目を開いて、中の項目を一時停止させる(判別可能ならKBに該当する物のみ)。

 原因が高機能KBに在った場合の対処だが、同じトラブルが頻発していたFEARの掲示板(現在ではSierraが無くなったので消えている)では、安価なM/BだとグラフィクスとUSB系に同時に負荷が掛かった際に、処理用のチップの能力が追い付かなくなるか、バスの転送がパンク状態になるのが原因という話が出ていた。またはOSが頻繁にUSBポートをチェックに行くのが影響している。M/Bを換えるのは難しいとしても、ファームウェアの更新が存在するのならばUSBハブも関わるので適用してみる。

 他にパフォーマンスの問題としては、AMDのCPUならばAMD Dual-Core Optimizerをちゃんと適用しておく。


*バグ関連
 幾つかのチャプターにて、プレイヤーが目的方向以外へと進むのを防ぐ為の透明の壁が解除されないままになる。またトリガーとなるオブジェクトが撃って壊せなくなる、といったバグで先に進めなくなる件が報告されている。(私の環境でも発生した)。しかもチェックポイントからのやり直しでは治らず、チャプターを最初からやり直すしか無いケースが多いようだ。


*ヒント チャプター7 Reunionのラストのトラック
 最も質問が多い箇所の様なのでヒントを記載。以下反転。


 目的自体は単純で、大型トラックの防弾ガラスを撃って破壊し運転手を殺せば良いだけである。このシーンではUターンしてきたトラックが穴の中のJennyを轢き殺すのかはランダムなので、出来れば最初の穴への到達前に達成しておきたい。それと穴の中に降りてJennyに話しかけるとイベントが始まってしまうので、その前に周囲の弾薬を回収して弾切れが起きないようにもしておく。

 穴の中に留まっていても達成は可能なようだが、銃の命中率を考えると近付いた方が確実である。荷台の敵を倒したら穴から出てトラックに向かってスプリント。Uターン動作中のトラックの側面のガラス窓を撃って攻撃し、Uターンが終わったら坂の横手に下がって、更に側面の窓に対して攻撃を続ければ下り切る前に倒せるだろう。

 しかしどうもこれには上記の「破壊すべきオブジェクトが破壊不可になる」というバグも絡んでいる様に思える。実際の所ガラスの耐久力は特に高いという感じではないからだ(難易度Normal)。窓にヒビが入るグラフィックスが表示されない場合にはそれも疑ってみるべきだろう。別の窓に攻撃を切り替えてみるか、最初からやり直すかになる。


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