BOTTOMLINE |
[PROS] ◎上海の街の雰囲気 ◎ハンディカメラで撮影しているかの様な独特のビジュアルスタイル ◎主人公二人のキャラクターや声優は相変わらず良い ◎“Down-not-Dead”のシステム ◎日本版では規制されているチャプター6の残虐表現はインパクトあり ◎特殊な形式のBGM △オンラインでのCo-opが可能になった [CONS] ×短い ×全体を通して単調で変化に乏しい ×敵が動いてこないシーンが結構在り、そういう場所ではスピード感が無くなって詰まらなくなる ×指示コマンドが無いので共同で戦っているという感覚が得られず、ケインの存在感が希薄である ×リンチが主人公だと彼の特異なキャラクターが活かされない ×バイオレンスを強調する割にはゴアや出血表現が地味(モザイク等の演出要素を除く) ×後半のロケーションは雰囲気が普通になってしまう △Co-opならではの協力要素が含まれていない ライトユーザー層へのアピールという事なのか、前作の持っていた要素が幾つもカットされており、非常にシンプルなアクションゲームという形になっている。特に部隊操作が無くなり、また死亡時の扱いが変わった為に、難所でのストレスは大きく軽減されていると言えよう。逆に戦闘時の深みの様な物は消え去って単純なアクションゲームとなり、何にも考えずにただカバーの背後から撃っていれば良いという感が強くなっているのも確か。全体の流れも変化に乏しく、それと相まって最後までプレイ感があまり変わらない単調さが目立っている。ただしチャプター6のショッキングな内容だけは、「よくこれがレーティングを通ったな」という意味でインパクトが強い。 個人的には仲間の登場シーンを減らして二人だけの戦闘を多くしたのはともかくとして、相方のケインに対して何の指示も出せないし干渉も出来ないというのは単純化し過ぎだと思える。放っておけば良いので連帯感が生まれてこない。簡単な指示位は出せる様にしておいて欲しかった。 良い所と悪い所を合わせると前作とほぼ同じ位の評価になる。点数にするなら50点台。だがどちらか一つと言うなら、まだ前作の方がマシか。向こうは失敗している点も含めていろいろな事にチャレンジしているという感があったが、こちらはシンプル過ぎて尖った新しい部分が無い(ゲームプレイ面には)。二人のキャラクターと雰囲気で持たせてはいるが、それが無くなったらほぼ何も残らない位に骨組みだけのゲームという印象である。そもそも伝統の隊員操作システム等を無くしてしまうのならば、IO Interaciveが作る必要は無いのではないか。同社はHitmanシリーズで実績を持っているとは言え、前回と今回の結果を見ると、撃ち合いのアクションゲームに関しては他の会社に作らせた方が良いのではと思えてしまう。 近年のシングルプレイが短くなっているという御時世でも、さすがに(平均して)5時間前後というのは短い。他にシングルプレイ用の別コンテンツは持っているが、これは特に面白くも無いので長くプレイは出来ない。ただし評価の悪さのかなりの部分をこの「価格の割には非常に短い」という点が占めていたので、価格が大幅に下落している現時点ではそこまで悪くは無いとは言えるだろう。 特に複雑な知識も必要なくプレイ可能で、道中で迷ったりする事もほぼ無いので、休みの日に一日で終わらせられる程度の安いアクションゲームを探しているなら向いているかも。ただし非常に面白いという訳ではないし、ゲームプレイには新しさも感じられないだろうという点には留意しておく必要がある。 |