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MORALITY
 前作よりもモラルによるゲーム内の変化は大きくなっており、ゲーム中のイベントシーンで遭遇するNPCが変化したり、戦うべき敵までも変ったりするようになっているので、モラルを変えてのリプレイ性は高い。これは評価すべき点だろう。

 選択肢としては前作同様にGoodで進めるのが一番難易度が高い。遭遇する仲間を守らないとならない為で、場合によっては結構長い距離を死なさないで連れて歩かないとならなくなっている。意図的に殺さない限りは途中で死なせてしまってもマイナスにはならないようだが、Goodのメーターを三本目以上に上げるにはほとんどのNPCを助けないとならないようで結構厳しいバランスである。

 一方でEvilはとにかくNPCを殺す等の悪い行為をしさえすれば良いのでずっと楽になる。NPCを助ける事でアイテムの入ったドア等を開けてもらったり、一緒に戦ってくれたりといった援助は受けられなくなるが、それ程大きなマイナスになるとは思えない。Neutralは試していないので分からないのだが、スペシャルアタックのレベルを上げられないとなると難しいようには思える。


 しかしこのシステムの全てが上手く行っている訳ではない。例えばマルチスタート制にはなっているのだが、それで何か変るのかという点がハッキリしない。それぞれには前作のエンディングに応じたオープニング・ムービーが用意されているのだが、その後はすぐに一緒になってしまうのは期待外れ。スタート時点でのMorality Meterの位置はどのモラルからスタートしても同じだし、GoodからGoodへと進めるのと、EvilからGoodを目指すのとでは何が変るのかも不明(ただGood−Goodでしか見られないエンディング有りという話はある)。実際問題として合計9種の組み合わせ全ての変化の検証は難しいし、そこまでやった熱心なファンというのも聞かない。

問  題  点
 他では触れなかった点のみを補足。

 終わらせてもストーリーや設定が良く分からないというのは欠点。前作をやっていないと更に分からなくなると思われる。マルチエンディングで事件の真相が変化する点に関しては理解出来るのだが、謎のままで残される点も有ってスッキリしない。特に主要な登場人物であるDr.Killjoyと元妻のKarmenは幽霊の様な存在として登場するので、その意味合いがストーリーにピタっと嵌らずに余計にモヤモヤとした印象が残ってしまう。


 全体的に暗いというのもあってアイテムや武器の置いてあるのが分かり難い。必死で戦った後に残った物を回収していたら、その時初めてその場での戦闘用に用意されていたと思われる強力な武器が置いてあるのを発見というケースも数回あった。視覚的に武器が光って知らせるとかの機能が欲しかった所。


 AIのスタックのバグが数ヶ所で見られた。特に連れて行くべきNPCがスタックしてしまうのは困り物で、そういう場合には小まめにセーブする必要がある。また動作環境のトラブルの項に書いたが、明らかなバグが存在しているのにパッチがリリースされていない。



GRAPHICS
 前作と同じくRiot Engineを使用。必要・推奨環境等のスペックに変化は無いのだが、バージョンアップされており設定を上げた状態ならば明らかにグラフィックスは綺麗になっている。エフェクトは派手でより綺麗になったし、ライティングも当時としては上質な部類。また敵モンスターのボヤケる表現等の特殊効果も良く出来ている。モンスターのモデリングも向上しており、前作の様なローポリゴンの印象は無くなっている。一年でこの向上度はプラス点。

 描画上の問題点としては、位置によって影の描画が消えたりと変になってしまうのが目立つ。またこれは仕方が無いと言えばそうなのだが、Insanity Modeでの近距離戦においては、振り回す腕と周囲のオブジェクトや敵とのポリゴンの重なりが頻繁に発生してしまう。

 個人的に大きなマイナス要素と感じたのはTorqueの造形等で、前作とは顔が変化しておりイメージ的に合わない。体系もやや丸くなっておりデフォルメされたかの様に見えてしまう。移動の際のアニメーションもちょっと変で、滑らかではなく動きに硬さが見られる。

 残虐度については頻繁に頭や四肢が千切れたり血が飛び散ったりする要素が含まれており、当っているという感覚は実に良く出ている。けれどもその表現はモンスターが中心なので、それ程グロテスクという印象を感じさせる物ではない。Torqueは相変わらず全身血塗れになったりという表現はあるし、人間の敵でも体が吹き飛んだりはするが、全体としてリアリティは薄いのでそれ程のグロさは持っていない。


 ワイドスクリーンには未対応。WSGFには解像度を自由に変えられるユーティリティーが置いてあるが、効果のほどは検証SSが無いので不明。グラフィックスの設定項目はあまり用意されていない。

SOUND
 サウンドに関しては前作とほぼ同レベルで水準以上の出来とはなっている。武器のサウンドは音質がややくぐもった感じでクリアさには欠けるが、低音が強調されており迫力は充分に出ている。一方で3Dサウンドの定位は悪くて使えないという印象(問題があるのでゲームの3D Sound Bufferの設定は切っている状態での評価)。

 出来が良いのはキャラクタのボイスで、Dr.Killjoyは相変わらずキャラクタとその喋り方がマッチしているし、特に敵役のブラックモアはTorqueを喰っている感もあって実に良い雰囲気を醸し出している。

 問題点としては、字幕が流れている際に他のキャラクタの声が重なると前の物が消えてしまう。

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