<GRAPHICS>
使用エンジンはオリジナルでAPIはDirect 3Dのみ。解像度は1600*1200*32まで対応。DX8の新機能も一部使用している。
ゲームがマルチプラットフォームで製作されているケースでは、製作がPC主導の場合とコンソール中心である場合の2通りある。このゲームは後者に当てはまり、あくまでもコンソールが開発のベースとなっている。よって想像がつく通りにグラフィックスはPCに最適化されていない。おそらくはXbox版をベースにほぼそのまま持ってきた物と思われ、解像度こそ選択出来るもののその他のグラフィックス・オプションは一切存在しない。ただどんなマシンでプレイしても全く同じと言う訳では無く、DX8.0の新機能をサポートしたビデオカードならば自動的にその機能がONになるという風になっているそうだ(Pixel ShaderとParticle)。
よって私のプレイ環境(P4 1.7GHz, 512MBDDR, GeForce3 Ti200)だと敵が画面上に結構出て来ても軽くてストレスは無かったのだが、PC用にチューンすればもっとグラフィックスをグレードアップ出来たはずという感はどうしてもつきまとう。特にこのゲームはフルインストールでも300MB程度しか無く、その意味でもっと容量を増やしてその分Textureのクオリティを上げられたのにと思ってしまう。まあそれでも一般的なPCゲームで言う所のLowでは無くNormal程度のクオリティは持っており、それほど悪いという感じでは無いのだが。ただしアイコン系は640*480の物をそのまま持って来た様で、粗いのがハッキリと出てしまっている。
一方で優れている点も幾つか存在する。まずは吹雪のアウトドアの描写で、これは当時のPCのゲームと比較してもトップクラスのクオリティと言って良いだろう、と言うかこれよりも綺麗な雪の描画をするゲームと言われてもちょっと思い出せない。静止画のSSでは分からないかもしれないが、画面を覆う白い雪の粒子の描画は美しい。歩いた地面に立つ雪煙(足跡もちゃんと付く)も含めてParticle機能を使用している様で、形状の決まった雪のパターンのグラフィックスを画面に表示するのではなくて、ランダムな煙状の雪を描画しているので非常にリアルな表現となっている。深い霧と闇で視界の悪い吹雪の中を歩いていると映画の中に迷い込んだような気分を味わえる。
他のエフェクト系では火炎放射器の炎の描画もかなりのレベルだが、これはRTCWほどでは無い。ライティング系はアウトドアでは綺麗に見えるのだが、インドアの物は今一つの出来。手持ちのライトのエフェクトも標準的。またBloodの描画は背景画としてはかなりの量あるのだが、戦闘時のエフェクトとしては若干押さえ気味な印象(Thingのゲームにしてはだが)。Gore表現は死んだオブジェクトとしての人間は結構置かれているが、戦闘時に手足が飛んだりとかは無い。ただFearがMaxに達すると自分の頭を銃で吹き飛ばしたりはする。
もう一つ良い出来なのは隊員達の顔の表現である。合計で20人を超えるNPCが登場するが、それぞれが個性的な顔立ちをしており、またリアルな(実際に存在する人間からモデリングした様な)顔付きにデザインされている。今後出る最新のゲームクラスのアニメーション(Facial
Expression)は含まれていないが、リップシンクや瞬き程度の事はするし書き込みも細かく良い出来だと思う。特にインゲームのムービーでアップになったりするとそのクオリティが良く判る。アニメーションはやや硬い感じもするのだが標準的なレベルだろう。ちゃんと注目する方向に首だけを向けたりとか細かい。
肝心のThingの造形だが、これは原作風の物とオリジナルデザインの物が混在している。原作には無かったタイプとして人間型の歩行するタイプの物が数種類存在しており(Walkerと言うようだが)、映画で最もインパクトのあった蜘蛛型の物はデザインを変更した物が数種類存在している(ただしあれほどのグロさは無い雑魚敵としてだが)。映画のラストの様な大型の物は、やはりゲームでも区切りのボスキャラとして登場する事になっている。
彼らのアニメーションその物は滑らかではあるが凄いというレベルでは無く、また残念ながら体表面の”ぬめり”といった液体的な描写は実現されていない。それでも相当グロいのは確かであり、体が開いて内部から触手が出たりと気持ち悪さ&怖さは確かにある。
別製のCGムービーは無く全てゲームのエンジンを使用している。数はそこそこという感じ。ついでだが宣伝Trailerは3dgamers等に有る。
問題点及びバグに関して。表示系では時々エフェクトが変になって画面が青くなると言う現象がある。それとBrightnessの調整が存在していないので、暗い場合は何等かの方法で明るさを調整してやらないとならない。この手の暗さが重要な要素のゲームならばNocturneやThiefの様にデザイナーの意図した明るさに出来る設定画面は必須だと思うのだが.....。
<SOUND>
基本的にBGMは一切無く、ある種のシーン毎に一時的に10秒程度再生されるのみ。後は環境音とエフェクトだけである。この点に付いて静寂さが恐怖感を演出しているとも取れるのだが、それにしても少し寂しいのではという気がした。映画のテーマであるあの鼓動音をもっと流してもらいたいところ。Thingのカサカサと這い回る音や奇声は気味の悪さを出しているが、武器関連のエフェクト音はあまりクオリティは高くない印象。
主人公のBlakeを含めてボイス系の役者のクオリティは高いと思う(少々決り文句を繰り返す事が多いのが気になるが)。3Dサウンドはソフトウェア的に実現している様で、特にEAXへの対応は謳われていない。
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