BOTTOMLINE

[PROS]

◎ホラー要素に徹した大胆なゲームデザインが功を奏している
◎暗闇が非常に上手く使われている
◎パニックイベントの配置間隔やタイミングが巧み
◎一人称視点が有効に活かされている
◎正気度のエフェクト
◎敵が怖い
◎雰囲気が抜群であり、景観も多彩で飽きが来ない
◎サウンドが恐怖感を増加させている



[CONS]

×二回目のチャレンジでの難易度低下が大き過ぎる
×敵からの逃走と正気度システムの組み合わせに矛盾あり
×デフォルトの状態では3Dサウンド(ハードウェアアクセラレーション)に対応していない
△セーブのシステムとバグの問題から、途中で進行が不可能になる恐れがある




 非常に怖いゲームとして有名になったが、確かにそれだけの事はあるというレベルの恐怖感を実現している。ホラーゲームのマニアならば見逃せない作品なのは間違いない。

 成功した原因はいろいろとあるが、その一つは一人称視点の採用。(サバイバル)ホラーには三人称視点が多いが、その大きな理由として「打撃武器での戦闘」を表現するには三人称の方が適しているからというのがある。だがAmnesiaでは武器による戦闘要素を完全に排除したデザインから、その制約を受けずに一人称視点を実現する事が出来た。そしてそれがプレイヤー自身がダニエルとして城内を彷徨っているという雰囲気や没入感を高めている。

 そして暗闇の怖さを最大限に活かしている点。単に極端に暗いというだけでは無く、灯りとなるアイテムを大幅に制限したり、正気度との絡みでより暗闇がハンデとなるという設定を作り出し、暗闇内で行動する際の恐怖度を大きく上昇させている。またホラーを優先させる為に他のゲーム的な要素を大胆にカットしてしまった所も、(一部問題が感じられるとは言え)成功の要因として見逃せない。サウンドの怖さも一級品である。


 ホラー物が好きな人には文句なしでお勧めしたいゲームである。Penumbraよりも恐怖度では遥かに上回っている。ただし謎解きの難易度は低下しているので、パズルのクオリティや難易度(手応え)を重視する人にはそこは問題となるだろう。それと本文で説明したように、根本的に難しくないゲームである(難易度設定も無い)。よって難易度の高いサバイバル的なゲーム性を求める人にも向いていない。

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