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ACTION
 前作からの大きな変化として、このBPでは戦闘要素がカットされている。持った状態で振り回せる武器は無くなり、ダイナマイトの類も出て来ない。持っているオブジェクトを投げ付ける事が出来る位だが、それでは敵が一瞬怯むだけで実質意味がない。よってプレイヤーは敵と遭遇したら逃げるか、パズルとして用意されている方法で倒したりといった対処のみが可能となった。


 敵の種類も変わっており、前作での犬と蜘蛛は(基本的に)出て来ない。今回登場するのはInfected(感染者)と、イベントでのみ出現する巨大生物となっている。

 それと敵の出現設定も異なっていて、前作の様に部屋を繋ぐ通路部分を敵が彷徨い歩いているというケースは少なくなった。代わりに今回はイベント時に敵が現れるというパターンが増えていて、その場限りで敵から逃げるか倒すかというゲーム性にされている。その為に全体的に見ると敵との遭遇回数は減少している。


 敵の大半を占めるのは感染者となり、これは高度な知能は持っておらずただひたすらこちらを攻撃しようとして向かって来る。出現パターンは大きく分けると二つで、一つは通路を彷徨い歩いているタイプ。こちらはある程度近付くか光を向けるとこちらに気が付いて追い掛けてくる。ロードが生じる地点まで逃げ切ればそこまでは追って来られないし、屈みによるステルスモードで隠れてやり過ごしても良い。

 そしてこのタイプは前作における犬ほどの怖さを持っていない。プレイヤーの逃げ足の方が速いので(難易度によって敵の速さは変わる)、振り切って逃げればこちらを見失って巡廻モードに戻ってしまう。また被ダメージの方もそれ程高くなく、1,2回位なら攻撃を喰らっても強引に逃げてしまえば深刻な問題にはならない(自動回復方式なので)。或いはペインキラーをショートカットに設定しておけば一瞬でフル回復も出来る(数は少ないが)。よってこのタイプの相手にはとにかく逃げれば良く、ステルスモードを使う意味はほぼ無くなった。


 もう一つはイベントでの出現によるもの。この場合には仕掛けを用いて倒すか、或いは同じく仕掛けを使って逃げ切る事を要求される事が多い。上記と同様に通路での出現なら逃げ切れる事もあるし、隠れていれば向こうから別エリアへと行ってしまうケースもある。そしてこのタイプでも感染者の能力自体は変わらないのだが、それ以外の設定で怖さが増すようにされている。例えばロードが生じる扉が開かなくなって閉じ込められるなどがその典型。狭くて逃げられないエリア内に閉じ込められてしまい、どこかに隠れてステルスモードでやり過ごさないとならなくなったりする。

 このケースでは感染者は部屋の入り口までで帰ってくれる事もあれば、奥まで入ってくる事もあったりと動きがランダムなので怖い。また直接見てしまうとパニック状態になって見付かり易くなるので、視線を逸らしながらも見付かった際にはすぐに逃げられる様にしておくのを要求される。部屋の隅ほど安全度は増すが、もし見付かってしまった場合には逃げるコースが制限される(or無くなる)上に、感染者は一時的にこちらを掴む能力を持っているので、それによる連続攻撃での死の危険性が高まってしまうようになっている。


 前作ではホラーの面で物足りなさが感じられたが、その辺を考慮してかBPではホラー度がアップしている。その中心がショッキングイベントの増加で、突然発生してプレイヤー側に素早い対応を迫るというシーンが増やされている。例えば上に書いたような、突然出現した感染者に襲われるが、単純に走って逃げられる様なルートが無いので、パニック状態になりながらも逃げられる(倒す)方法を探るといったイベント。敵との遭遇回数は減らされているが、反対に遭遇するシーンでは恐怖感を増すようなイベントを用意するというデザインになっている。その他では暗いエリアも若干だが増やされており、グロースティックでは探索し辛いと感じる事も多くなった。


 意見が分かれそうな所は、主に上で述べたショッキングイベントにおいてのアクション要素。一定時間内に敵から逃げ切らないとならないといった、一連のアクションを成功させる必要があるシーンがOvertureより格段に増えており、前作にてそのアクションパートが嫌いだった人にはこのBPは受けないと思われる。個人的にはそれによって怖さ(緊張感)が増しているし、一人称視点で実際に3D空間を移動するタイプのゲームの特性を活かしてもいるので、悪くないデザイン変更だと考えている。

 設定としては敵がこちらに迫って来ている状況において、オブジェクトを積み上げて障害を乗り越えたり、バルブを持って回す等の操作を高速で達成しないとならないといったイベントが多い。他には監視カメラの動きをかいくぐったり、タイミングを合わせて移動しないとならない等の定番のアクションシーンも含まれている。


GRAPHICS
 エンジンは前作から改造を施しており、光の屈折エフェクトを新たに採り入れている。最適化も進んだので、同じレベルのPCにてより綺麗で軽くなっているそうだ。

 問題を感じさせるのは前作同様にキャラクターのモデリングとアニメーションで、敵である感染者の動きは単調でぎこちないし、普通の人の死体なども蝋人形であるかの様に見えてしまう。


 ワイドスクリーン対応で、選択可能な解像度が増えている。

SOUND
 サウンドは3Dに対応しており、EFXとしてリバーブやエコーのエフェクトを追加する項目が増えた。

 やや音数が少なく感じられた前作に比較すると、今回はBGMや効果音が増えておりホラー要素の向上に効果を挙げている。

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