☆TACTICAL GAME OF
        THE YEAR EDITION

                                   01/10/14


<概要>

 新しくリリースされたVer2.0のSWAT3。製品は既にこのパッケージに変更されているので、今後輸入版で買う場合はこのTGOTYになるはずである。現在はリリースされたばかりと言う事でマルチプレイサーバーは旧版と分離されて運営されているが、徐々にこのV2.0サーバーに統一されていくのではないかと思われる。仮にサーバーは継続されて運営されたとしても人が移ってしまうと思うので、マルチで遊ぶ人はバージョンUPが必須となるだろう。


<特徴>
 最大のポイントは10人でのマルチプレイに対応した事。これまでは5人までだったので大きく変わったことになる。元々の予定としてはかなり早期に10人マルチに対応するはずだったのだが、ようやくそれが実現したことになる。
 このタイプのリアル系ゲームではTeam Deathmatch等のチーム戦がマルチで遊ばれるタイプの主流であり、その意味ではSwat3はかなり問題のある仕様であった。5人しかプレイ出来ないのではチーム戦には極めて不向きであり、それ故Rogue SpearDelta Forceといったゲームに比較してマルチプレイ人口ではかなり水をあけられていたのである。ちょっと対応が遅すぎたような気もするが、今回のTGOTYにより新たなファンの獲得でマルチが盛り上がることも考えられる。その他の特徴としては以下の通り(マルチプレイ関係)。

◎10人でのCOOP
 10人対応ということでCOOPも10人で可能になった。1チーム5人なのは変わらないのだが2チームで参加出来る。当然前Ver同様に10人よりも少ないならば、どの様にでも人数は振り分けられる。6人ならば3人づつにしなくても4人と2人のチームでも良いし、AIを導入して10人分埋めるのも可能だ。またエントリーポイントも自由に選択出来るので、両チームが別々の場所からスタートする事もOK。Camoもチーム毎に指定出来るので区別にも便利だ。

◎AIのElement Leader
 これまではELは人間がやるしかなかったのだが、これをAIに任せることが出来る様になった。よってAIのリーダーに人間4人が付くというプレイも可能である。

◎隊員のAI向上
 最も顕著なのは本部へのレポートをAIが実行する様になったこと。これで大分プレイ時の負担が減った。

◎Custom Career
 これまでのマルチCOOPプレイではMAP単体でのプレイのみだったが、キャリアモードを選択して連続してのプレイが可能になった。もちろん途中からの参加も可能である。

◎Deathmatch関連
 TDMについてはそれ用のコマンドメニューが追加されたのでチーム内でコマンドを出せる。またBase CampモードをONにすると復活時にランダムな場所ではなく、それぞれのチームの拠点に復活するように出来る。各人のLive制限機能&Respawn Protectionも追加。


<シングルプレイ>

◎Custom Mission
 メニューに[Custom]が追加されて、マルチ同様に10人でのプレイが可能。メンバー振り分けは自由に出来るのでそれぞれ何人でチームを組んでも良いし、自分のチームのELをAIに任せてのプレイも可能だ。更にAssumable AIも選択可能なので、全滅するまで生き残りのAIとして復活する事も出来る。

◎Custom Career
 10人でのプレイ用にCustom Careerが一つ追加されている。これは5人でのキャリア同様に連続して進んでいくモードで、同じMAPでもシナリオは異なっている様だ。なお今回ミッション・エディターも2.0になり、このキャリアモードも自作出来る様になった。これは単純に最初のミッションから成功と失敗に応じて次に進むミッション(シナリオも)を設定出来る物で、ミッション名が分かり難い事を除けば誰でも簡単に作成できるようである。

◎MODへの対応
 CustomモードではMODを使用可能になった。これまではLANで起動しないとダメだったので結構便利である。


 シングルプレイの感想だが、まずELの能力から。基本的におかしな命令を下す事は無く、MAP中の全ての場所を巡回する能力はあるようだ。ただクリア出来ない場合に一回行った場所を再度探しに行くとかが出来るのかは不明。問題は物凄く行動が速い事で、他の隊員を連れてどんどん移動して行ってしまう。ルートや命令場所はマルチ同様に赤いラインと緑のボックスが出るのでわかるが、AIの隊員との間だとスローダウンする事が無いのでちょっと付いて行けない感じ。命令メニューに自分への指示は出るのだが、ちょっと遅れると他のAIがやってしまう。
 その他チームを指定しての細かい指示は出せないようだ。基本的に隊員全体に対しての命令となる。カバーリングの指示も出せない様に見える。ただ総合してみるならば合格点と言える出来だろう。

 次に10人プレイの場合。この場合他のチームは全てAIになるのだが、当然の如く行動が速い。よって自分のチームがゆっくりとしたペースで行動しているとどんどん先に行かれてしまう。ただしSAWT3ではかなり狭い場所がある関係で、隊員同士でスタックしてしまうのが数回見られた。特に報告や武器を拾う作業時にうまく動けなくなってしまい、そのままメンバー全員が停止してしまうという状態になる。この場合誰かを押してやって動かすとまた動き出す。なお自分以外のチームの状況もViewportで見る事が出来る様にもなっている。

 AI関連では報告作業をやってくれるようになった。ただし全てではなく、Neutralizedされた容疑者や確保された市民の救助報告のみ。とはいえそれが多くのケースを占めるのでかなり楽になったのは確かだ。つまり容疑者・市民・隊員が怪我をしている場合のみプレイヤーがやらないといけないという風になっている。ただこの仕様の為に他のチームがクリアした場所も探さないとクリア出来ないという可能性がある(言い方を代えるとAIだけのチームではクリア出来ない場合が多い)。これはゲームのルールにプレイヤーの報告能力が含まれているので仕方の無い所だろう。
 それと以前よりも積極的に市民に手錠を掛けての確保をやってくれる様でこれも非常に楽になっている。後はCSを投げ込んだ時にちゃんと効果が現れてから突入するようだ。


<マルチプレイ>

 上の特徴解説以外に幾つか述べておくと、まず10人なのでAIを入れる事で復活はし易くなった。これまでは5人入れてCoopすると最初に死んでしまった人間がずっと待っていないとならなかったが(クライアントならば落ちるという手があるがホストはそうはいかない)、今度はAIを満員まで入れておけば死んでも[AssumAI]を選んでの復活の余地が増えた。ただし10人入れると入れない時よりも重くなるという問題はある。また10人満員の場合ならばMAPクリアまでの時間が短縮される事が多くなるので、これも死んだ人間の待ち時間短縮には役立つだろう。

 まだそれほどやっていないので何とも言えないのだが10人Coopだと多少は重くなる様だ。特に同じスタートポイントからとなるとその傾向はより強くなる。クライアントが全員人間となるとやはりホストはADSLクラスで無いとキツイか。またDedicated Serverが建てられないのも不満として上がっており、これも改善の要有りだろう。これだと誰かがホストをやらないとならないのでクラン戦等には問題がある(ホストはラグが無く有利なので)。
 また根本的な問題としてWONを使わないとならないのもそろそろ改善してもらいたい所だ。軽ければ良いのだが,どうもWONを介する事でゲームが重くなってしまう様なので.....。

 今まで同様にTeamDeathmatch等もbotを入れてプレイ出来る。自分以外は全部Botで一人プレイも可能だし、例えば人間対botのマルチプレイ対戦と言うのも可能である。ただし今まで同様にbotはそれほど強いと言う感じではない。特に全員がbotとか自分のチームのリーダーをbotにしてチームの行動を任せると、慎重に部屋をクリアしながら進んでいくのであまりDeathmatchという感じにならない。人質を確保することで高得点というルールが有るのでそれを狙っている様にも見えるが、消極的過ぎて問題有りか。チーム戦ならば人質等は無くしてRespawnはランダムにした方が良いだろう。


<バグ等>

 まずCoopでメッセージが一緒になってしまうのが問題か。他のチームの指令が入ってしまうので混乱する。何かOFFにする手段があるのだろうか? 次にやはり重さの問題なのだが、Chimeraを使用しているとラグが増すと言う報告がある。しかしこれは定番なので外すのはちょっと辛い所。それに関連して起動時に -modem スイッチを付けることでDecalを表示しないようになるので軽くなるという事がReadmeに書いてあるがこれはテストしていない。


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