☆ MORTYR: OPERATION THUNDERSTORM ☆
08/05/24
TOP
製作/販売 | CITY Interactive 公式サイト | |||||||||||||||
デモ仕様 | 594MB ポーランド語版 シングルプレイ用デモ(マルチプレイは不可) | |||||||||||||||
概 要 |
デモはポーランド語版となり、メニュー表示・セリフ・字幕等はポーランド語だが、冒頭のナレーションだけ英語。しかしアクションFPSなのでプレイにはそれ程支障は無い。デモは公式サイトからだと速度が遅かったので、検索してみるとポーランドのゲームサイトが多数引っ掛かるので幾つか試してみたが、「ポーランド以外のIPアドレスからはダウンロード出来ない」と思われるメッセージが表示されてしまう所ばかりだった。
1999年に第一作目のMortyr (2093 - 1944)、2004年に続編Mortyr IIがリリースされているシリーズの新作。プレイするまではこれを第三作目だと思い込んでいたのだが、ポーランド語のサイトを翻訳して調べてみたところ、実はこのゲームは第四作目に当たる物だと判明した。既に昨年の8月にMortyr III: Akcje Dywersyjneというゲームが地元ポーランドではリリースされている。 調べたところこれは名称を変更されてBattlestrike: Force of Resistanceの名前で2008/10に発売予定となっている。何故発売時期が逆転したのかや、Mortyrの名前をわざわざ外した理由は不明。 開発・販売は共にCITY Interactive。2までは同じポーランドのMirage Intearactiveが制作していたのだが、同社は既に存在していない。会社の倒産(整理)に当たって版権を購入したのか、それとも会社ごと自社の製作部門として吸収したのか、その辺は不明である。 このOperation Thunderstormは既に地元ポーランドでは4月に発売済。同社の他の製品と同様に扱いとしてはバリューソフトの位置付けになっている。今後ドイツ・フランス等で順次発売されるらしいが、同社の過去の「英語版デモが出ても製品版は出ない事が多い」という例から言って、英語圏で発売されるのかどうかは未定。(言語が英語のバージョンは制作されるのだが、米英では発売されないというパターン)。ただ先日北米に支店を出すというアナウンスが有ったので、もしかしたら容易に入手可能になるかも知れない。 時代は1942年。ドイツの勢力を食い止める為に、MI6(イギリス情報局秘密情報部)はナチスの重要人物3人の暗殺を企てる。その3名とはJoseph Goebbels, Heinrich Himmler, Herman Goering。プレイヤーはSASのメンバーJan Mortyrとして単身敵地へと乗り込み、目標を達成しないとならない。フランス・ドイツ・ポーランドの3つのキャンペーンを含む。 |
|||||||||||||||
動作環境 |
DirectX 9.0c以上要 F.E.A.R.が使用していたJupiter EX エンジンを採用しており、基本的に動作環境は同じレベルの様だ。ビデオカードの性能としては、GeForce FX 5700 or Radeon 9700以上とされている。 インストールや各種設定に関する説明は別のページにて。 |
|||||||||||||||
GAMEPLAY | ゲームはNormalと思われる真ん中の難易度を選んでスタート。基本的な操作はFEARと変わりないが、若干異なった操作も行える。 *武器は4丁まで同時に持てる *しゃがみと左右へのリーンが可能 *照準は移動すると広がって命中率が下がる *しゃがみで照準は小さくなって安定性が増す *グレネードは別キーで投げる *大抵のドアは蹴りでも開けられる *レーダー機能付きで注目点?が表示される *Iron Sightへの切り替えが可能 *HPは自動回復方式 *スローモーションの能力は持っていない ちょっと変ったカバー・システムを採用している。障害物の陰に行くと上&左右方向の矢印が表示される所が存在しており、そこでUseキーを押しながら射撃ボタンを押すと、自動的に物陰から体を最小限に出してBlind Fireを行う。射撃を止めれば自動的に元の位置に戻る。狙いが付けられないので長距離での戦闘には向かない。 デモは2個のマップが収録されており、これ等は異なったキャンペーンからの物で内容的には連続していない(装備は引き継がれる)。ボリューム的には2番目の物が結構長いのでそれなりには有る。 印象はマップによって大きく異なり、最初のフランスの街を舞台にした方には魅力的な部分がほとんど無い。むしろこれは宣伝を考えるならば、デモのボリュームを減らしてでも入れない方が良いと思わせる位だ。ゲームの最初のマップなのか、敵がやたらと撃たれ弱くてすぐに死んでしまう為に手応えが無いというのが第一。また狭い廊下・階段・部屋といったシチュエーションが続き、単調であるという問題も目に付く。 敵兵士も位置を固定されているタイプが多く持ち場を動こうとしないし、動けるタイプでもその範囲が限定されている。また兵士の数も少なく戦闘が盛り上がらない。淡々と進んですぐ終わるというマップである。 最初のマップが終わって画面が暗転した際には、デモをわざわざ落とした事への後悔の念しか無かったのだが、予想外に続けて始まった次のマップは、内容的に大きく異なる物となっていた。これはヒムラーのキャンペーンのラストのマップらしく、同時に登場する敵の数がかなり増えており、耐久力もやや増している。 一番の違いは、全ての箇所ではないのだが広い戦闘エリアが用意されており、敵AIの動きがFEARのそれと似たような印象を与える点。どうもこのAIは狭い閉塞された場所が苦手なようで、このマップでも狭い場所では最初の位置からほとんど動いては来ない。しかし広くて通れる通路が多い場所では、結構ダイナミックに動いて攻撃を仕掛けて来る。攻撃も積極的になっており、こちらに向けて突っ込んで来るケースも増加している。 決して優れているというレベルではないのだが、戦闘に緊張感も生まれており、この後半のマップのみを取るならまともな部類とは言えるだろう。一本道で変化は無いしFEAR並のクオリティとは到底言えないが、バリュー系のソフトとしてはこの程度のレベルを多くのマップで保てるならば合格点。 WWII物なのでスローモーションの様な特殊能力は無いが、その分地味なのは確か。武器もSF系の物とかは出せないので、製品版でもそれ程大きな変化が有るとは思えない。そうなるとWWII物ではシナリオ(スクリプト)による盛り上げが重要なのだが、その辺には予算的に期待が出来なさそう。 自動回復により無茶して戦えるようにはなっているので爽快感は感じさせるが、逆に隠れてしまえば幾らでも回復可能なので緊張感が薄れてしまうという問題有り。バランスとしてはもっとダメージをシビアにした方が面白くなりそうである。(難易度変更はゲーム中でも任意に行える)。 やたらとドアが在る場所が多いのだが、実際には赤いマークが出て開けられない物がほとんど。しかし開けると中にアイテムが有ったりするので、無視すると損をする可能性もある。 |
|||||||||||||||
GRAPHICS & SOUND |
Jupiter EXを使っているが、特に改造をしているとかは無い模様。血はオリジナルと同じく派手だが、ゴア要素は無いように思われる。死体が早く消えてしまうのが気になった(これは設定によるかも)。 綺麗な場所は一部存在するが、全体的にはクオリティは数年前の物という感じで高くない。ダイナミック・ライティングは使われているが、壊したり動かしたりが可能な光源自体が少ない。テクスチャも一部はかなり粗い物が使われている。 サウンドには特に特徴無し。 |
|||||||||||||||
感 想 | ポーランドでのレビューを幾つか読んでみたのだが、最大の問題として2,3時間もあればクリア出来てしまう位に短いそうだ。価格的にはバリューなのだが、それにしても短か過ぎると批判されている。点数的にも悪い所が多いが、それにこの件がどの程度影響しているのかは判らない。北米でも$19.99でそのボリュームだったら通用しないだろう。 むしろ最初の内はこのデモの事だと思って読んでいた昨年のIIIの方の評価が高く、こっちの方が早く出てくれないかなと思ってしまった。点数としては60点平均程度の評価なのだが、複数のサイトで「CITY Interactiveがこれまでに出したFPSの中では最も優れているタイトル」とコメントされている。 上でも書いたように2番目のマップ程度の内容ならばバリューソフトとしては悪くは無いと思うが、2,3時間では$19.99でも高い。非常に安くなったら検討するかどうかという程度。もしFEARをプレイしていないならば(安くなっている)そちらをプレイした方がずっと良いし、本編をプレイ済でも拡張パックがまだならこれよりはそちらの方が良いだろう。 購入確率 10% (ノ_<。) |