☆ HUSK ☆

15/12/25 更新 目次          HOME
製作/販売 UndeadScout       公式サイト      FACEBOOK      INDIE DB
配布状況  2015/10/24にリリースされた V1.01(1.06GB) が最新バージョン。

 更新頻度: 無し

 確認してみたところ、残念ながら現在デモは削除されてしまっているKickstarterのキャンペーンに合わせてHusk_PT (Playable Teaser)がリリースされていたのだが、その後資金を出してくれるパブリッシャーが見付かったという理由でキャンペーンはキャンセル。Steam Greenlightの頁も削除済み。そして各情報頁からはデモへのリンクが削除されてしまっている。ミラーとして残っているサイトを探してみたが見付からず。

 削除された可能性として考えられるのは、キャンペーンには重要だとして未完成のデモ版を一緒にリリースしたが、資金の目処が付いたので満足の行かない不完全版をそのまま放置しておくのはマイナスだとして即引き上げ、今後より改善されたバージョンをPR目的で再リリースする予定というのが一つ。一方で資金を出す事になってくれたパブリッシャーがその代わりにゲームのIPを買い取っており、もう自分達の自由には出来なくなっているという状況も有り得る。このケースではパブリッシャー次第となり、ほぼ完成となるまでデモのリリースを控えたり、或いは発売前にはデモを出さないという方針となるかもしれない。

概  要  UndeadScoutはポーランドのインディーズ会社で現在のメンバーは4人。先にThe Cleaningというフリーゲームをリリースしており、これが本格的なデビュー作となる。“Husk”とは(植物の実の)外皮, 抜け殻等の意味。

 ゲームに関連する情報はあまり出ておらず、今後もパブリッシャーが付いた事からそちら側の意向で正式発表までは情報が遮断されてしまう可能性もあり。発売時期は全くの未定。

 対応プラットフォームはWindows, Mac, Linuxの予定。コンソール版についてはまだ情報無し。VRをサポート予定。


 ストーリー重視のホラーゲームで、全てを失ったある男の物語となる模様。記述からは実世界では無く精神世界を舞台とするかのような雰囲気も漂っている。

動作環境  情報無し。内部ファイルからするとOSが64bit版でないと動かないと思われる。

 各種設定画面へはゲーム起動後にアクセス可能になる。

 プレイ中の障害としては、グラフィックスの設定を全て最高(Epic)にすると、途中同じ場所で2回ほど画面が消えてしまうという現象発生。オーバーレイのロゴは残っているのとキャラクターの動作は可能なので、おそらくゲーム内世界の描画が行われなくなっているだけだと考えられる。設定を全てHighに落とすと進めるようになった。もう一つはリプレイ時にゲームのラストエリアで、取り除かれるはずなのであろう壁状のオブジェクトが消えずに進行が不可能となるバグに遭遇している。

BASICS  前作同様にストーリーを非常に重視している。ただし流行りの探索型ゲーム(ストーリーが語られるのみでゲームプレイ要素がほぼ存在しないスタイル。Walking Simulatorとも呼ばれたりする)では無く、探索型ゲーム並にストーリー(ナラティブ)に比重を置くが、ホラーゲームとしてのメカニックも兼ね備えている作品にしたいそうである。

 そのゲームプレイ面ではクラシックなサバイバルホラーに出来る限り似せると話しており、以下の様な特徴を挙げている。

・非常に少ないアイテム類を探し回る必要性と、入手したそのアイテム類のリソース管理を要求される
・アイテム類の組み合わせによる新規アイテム生成
・探索だけでは無く、数々のパズルを解かないとならない
・敵となる脅威から逃げるだけでは無く、戦闘を選択する事も出来る
・ゲーム中の選択肢や目的達成率に応じたマルチエンディング

 ゲームの長さは3〜4時間程度を想定している。


・マウス感度設定可能, サウンドボリューム調整可能
・キーアサイン不可, 明るさ調整不可
・難易度設定無し
・字幕は無し
・セーブ機能無し


*一人称視点固定
*このデモにはインベントリー画面は無し
*照準無し。対象オブジェクトには○印が出る。
*FOV調整可能。40〜120(デフォルト80)。
*スプリント, ジャンプ, 屈み 操作全て無し
*フラッシュライトはRMBを使う(入手出来てから)

GAMEPLAY  デモ(Playable Teaser)の長さは15〜20分程度。難解な謎解きがある訳でも無く、単に進んで行ってイベントを体験するだけという感が強い。

 今作のファイルはHusk_PTの名称で、デモではなく“Playable Teaser”としてリリースされており、そうなると当然P.T.との関連性が浮かんでくる。以下はP.T.の簡単な紹介文。

  『P.T.』とは“Playable Teaser”の略で、シリーズ新作となる『サイレントヒルズ』の予告編として(当初はその件が隠されていた)、2014/08にPS4向けにリリースされた無料のデモ版的な作品。小島プロダクション制作。ホラーゲームのファンからは斬新な傑作として非常に高い評価を得る。しかしその後サイレントヒルズは制作中止となり、小島秀夫監督もKONAMIから退社。それに伴ってこのP.T.は既にダウンロードが出来なくなっており、その意味合いからも伝説的な作品と成りつつある。

 ゲーム内容としては、ある家の中のL字型の区画のみを舞台とし、通過した先で階段を降りても同じ場所が延々とループして現れるという構成。だが徐々にその区間の風景が変化したり、プレイヤーの行動に応じて発生するイベントが変わったりしながら進んで行く。襲って来る敵を避けつつ、パズルを解きながらクリアを目指すが、クリアに到達するのは相当に困難とされている(完全な解法が確立されていない)。なおティーザーとは覆面広告(具体的な情報をあえて伏せてイメージ的な演出のみを使う広告手法)の意味であり、このP.T.はサイレントヒルズの実際のゲーム内容から抽出されたデモでは無い。「短い区間がループされて徐々に変化して行く」という最も基本的なゲーム性さえ、制作予定だった本編と共通しているのかどうか不明なままであり、単に「この位怖いゲームにしたい」という観点から制作されただけの全くの独自作品という可能性もある。

 影響を受けた作品が大手&インディーズを問わずに出現して来ているのだが、フリーゲームで配布時に“Playable Teaser”を名乗るケースでは、「短い区間がループされて徐々に変化して行く」というゲーム性を使ったオマージュ作品が大半である。この作品もプレイ前にはそれ系なのだろうと予想していたのだが、実際には何とも言えないという印象であった。

 ゲームの基本要素とされるアイテム類を管理するインベントリー画面は無いし、敵から逃げるとか戦闘とかのメカニックも体験出来ない。その意味で本来の意味でのティーザー、つまりゲームのイメージを訴えるだけの仮想的なデモであって、実際に予定されている製品版とは大きく内容が異なっているという可能性もある


 P.T.と言えばループによる変化となり、例えばここでも病院内の受付が繰り返し出て来るのだが、同じ階の受付がループしているのかどうかがハッキリしない。“4”という数字をテーマにしている様なので4階部分がループしていると見える一方で、周囲の部屋番号が異なっていたりする事から全く別の階の受付が次々に現れているだけとも受け取れる。見た目の描写としては同じに見えるが、単に手抜きで同じテクスチャーを使っているので同じ階に見えてしまっているのか、同じ階であるという設定なのかが判別出来ない。

 ただし写実的な描写の雰囲気が似ている件、ラジオが数字を繰り返し喋っていたりの共通性は存在しており、影響を受けているというのは間違いない。ちなみに階段部分が妙な繰り返し構造になっていたりという演出に関しては、同じく大変有名なホラー作品SCP-087の影響を感じさせる。


 具体的な内容については、パズルという程でも無いスイッチを入れるとか程度の操作で最後まで進められてしまう。オブジェクト類の操作はマウスを用いた物理的な操作を用いるシステム(回転するバルブならば持ってマウスを回転させる等)。恐怖のタイプはJump Scares(突然のイベントでショックを与える方式)では無く、じわりと効いてくる心理的なホラー系を狙っている路線の様で、イベントは幾つか用意されているが突然発生するドッキリ系では無いし、出現する敵に追われたりとかも発生しない。

 ストーリーはまだ詳しく紹介されていない段階だが、このデモの中身においてもそれを紹介するテキスト系ドキュメントが出て来ないので、最後のシーンもどういう意味なのかが判らない状態。所々で手に入る子供の書いた絵画しか参考になる物が存在しない。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4を使用。項目別に設定は細かく変更が可能。ボーダーレスフルスクリーン, スケーリング等にも対応している。

 フォトリアリスティック系の描写でクオリティも高く綺麗である。ポストエフェクトは強めで全体に黄色っぽいエフェクトが掛かっているので、カラフルでは無くモノクローム的な印象を受ける。それと病気の影響という事なのか視点の中心以外がDoFの様にボヤけるエフェクトが採用されており、それがかなり強めなので綺麗ではあるが鮮明という感じでは無い。


 3Dサウンドは効いている場所とそうでない場所が存在している。ホラーシーンにおけるサウンドは良い出来。

感  想  誰も居ない暗い病院内を探索するという不気味さは良く出ており、写実的なグラフィックスのクオリティが高いのも大きな効果を挙げている。ビックリイベント系では無く、心理系・雰囲気系のホラーが好きな方にはお勧め出来る。

 ダウンロードが再開されるのかは不明だが、アップデート版が出たら再度試してみたいと考えている。だがパブリッシャーとの契約に成功してからは、契約事項なのだろうが一切の情報を喋れなくなって更新が途絶えるというケースが多々あり、これもまた長期間沈黙状態が続いてしまうかもしれない。

 肝心のゲーム内容については先に書いた様にこのデモからでは良く判らない。ただクラシックなサバイバルホラーのゲーム性となると、それ等を実際に装備した時点でこのデモの段階とは印象が大きく変わってしまう可能性もあり、ゲームとしては面白くなったが当初の雰囲気が失われてしまったという事にもなりかねない。現在の病院内の雰囲気描写は良いと思うので、その辺はなるべく崩さないで欲しいところである。


 現在の完成度:全く判らない状況。

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