DEADLY DOZEN 2
            PACIFIC THEATER

                                   02/11/01

     170MB   Infogramesより発売中   公式サイト


<概要>

 約1年ぶりのシリーズ新作。今回は同じWWIIでも太平洋戦争をテーマにしており、日本を初めとするアジア諸国での戦争を描いている。大きな特徴としては新規にマルチプレイを導入しており、このデモでもマルチプレイは可能である。
 前作はValueソフト的な位置付けで発売されていたが($19.99)、そこそこ売上は好評でファンサイトも出来、またEditor等の提供によってユーザー製作のMapも出回る等、この手の物としては成功した部類に入るだろう。今回は最も要望の多かったマルチプレイに対応させたが、その分のプログラミングに人員増加等の手間が増えたという事で、価格は$29.99とやや高くなっている(それでも新作は$49.99が普通という事からすると安いが)。最近ではこういった”通常のValue系よりはやや高いが、その分安っぽくは無いゲーム”という物が増えて来ている感じがするが、このゲームも安易な企画で作成されたゲームではないのは確かだ。製作は1と同じくnFusion。1は日本でも発売されていたが、この作品はどうなるか不明。


<動作環境>

 エンジンの修正により必要なマシン能力は上がっている。ビデオカードはVRAM32MB要なので、オンボードのビデオを使っているメーカー販売のセットPCだと動かない可能性も高い。()は推奨。

Pentium II 550Mhz(1GHz)
128MB RAM(256MB)
Direct3D 8.0 compatible video card with 32MB VRAM(64MB)

 現状結構動かないとかfpsが非常に落ち込むといった声はそこそこ多い様に見える。製品版ではどうなのかはまだ情報が少ない。動かない場合だが、nVidia系のカードにおいては40.XXドライバでは動作不安定の問題が多いようだ。ちなみに私の30.82では全く問題が無い。fpsが低い関連はDraw DistanceやFogを下げる等の基本的な処置しか無いだろう。



<GRAPHIC>

 完全に自家製の物としては水準は高いと言える。雨の中の雰囲気が良く出ているし、風に揺れる草の表現とかも平均以上の出来。ただキャラクタのモデリングに関しては普通レベルで、アニメーションも特筆すべき点は無い。Textureも普通レベルであり、キャラクタに関してはもう少し描き込んでもらいたい所(ただアジア系では無く”日本人”であるのが分かるのは優秀な点)。しかしその分私のマシンでも軽く(P4 1.7GHz,512MB,GF3 64MB)、FSAAを掛けてもほとんどストレスを感じない。Topクラスのゲームに比較したらPCの性能が低い層をターゲットにしているというのはあると思うし、総合的にはかなりの出来と評価しておこう。

  フルサイズ                


<GAMEPLAY>

 基本的には1と同じなのでそちらも参照してもらいたい。2ではProneが出来るとかの動作の他にI/F系にも変更が見られるが、製品版の1は発売後に大規模な修正Patchが出ているので、1のデモしかプレイしていない自分にとってはどこまでが2での変更点なのかは正確にはわからない。ゲームは難易度3種の他にArcadeとRealisticを切り替えられる仕様。以下の評価はNormal難易度でRealisticモードでのものである。

 簡単に紹介するとリアル系の視点切り替えスタイルのゲームで、4人までのチームで行動する。メンバーはタイトル通りに全部で12人おり、それぞれが10種類以上の能力パラメーターを持っている。スタミナの概念があって重い物を多く持ち過ぎると移動が遅くなってスタミナバーの減りも早くなる(無くなるとしばらく動けなくなる)。操作するプレイヤーは切り替え可能であり、個人或いはグループに対して陣形やHold・Followといった命令を出してやることも可能。
 射撃時は赤で正確さを示すカーソルが表示されるが、縮まっていても必ずそこに弾が飛んでくれるとは限らない仕様(隊員のその武器を使う能力にもよるはず)。しゃがむか伏せないと中々当らない。一方で非常に死に易く、Medikitはあるものの数発食らえばすぐに死んでしまうので、適用する間もなく死ぬケースも多い。更にMap上にはMedikitは存在しない(最初に持っていく分だけ)。基本的に敵の前に走って行って真っ向から戦うという戦法は無理なバランスで、Sniperが活躍するゲーム性である。しかしこのSniperの能力も他のゲームに比べると低い部類であり、なかなか厳しいゲームであると言える。所持弾薬数もそれほど無い上にReloadするとClipごと捨ててしまうシステム。更にReload中は一切動けなくなるので、弾が少なくなったからと言って戦闘中にReloadするのは命取りとなる場合もある。(余談だがこのゲームにもMOHAA同様にM1 Garandが登場するのだが、こちらは途中でのReloadが可能である。正確には弾を撃ち尽くさなくてもこのゲームの様にReloadは出来るそうだ)。
 アイテム系は3スロットしか無く、Ammobelt(予備弾)とMedikitを持つとそれだけで2つ埋まってしまう。それだけに初期装備は重要であり、4人総合での適切な分配をしないとならない。

 一方でSave回数は無限に可能、移動速度も早い(特にProne時は異様なSpeed)といった面もあり、ガチガチのリアル系という雰囲気でもない。また非常に細かく出来ているTutorialにて操作も出来るが、戦車等の乗り物に乗り込んでの移動&戦闘も可能と言う一面も持っている。デモでは単なる乗用車が出てくるだけだが、マルチでは乗った状態からDriver以外は外に向けて攻撃が出来るので、車を活かしての戦闘という事も可能なのかも。

 敵のAIはこちらにジグザグに走って来たりとか物陰に隠れたりとかもしてくるし、しゃがんだり伏せも使って来る。Reloadもちゃんとしてくるので不自然でもない。ただし射撃の腕はかなり高いレベルにある。一方で室内では持ち場を離れない傾向にあるのは欠点。味方のAIは特に変な点は無いというか、このデモではあまりよく分からなかった。DD1のデモに比べるとMapの広さや形状というのもあると思うがかなり簡単であり、それほど隊員を活かして攻撃するといったケースが無かったというのもある。


<SOUND>

 最新のEAX3(Advanced HD)にまで対応しており、音の定位感は後方も含めてかなり優秀。ただし敵の発する声の位置に付いてはやたらと遠くからでも聞こえるので混乱する(バグ?)。日本語の音声も良く出来ており、実際に日本人が吹き込んだのではないかと思われる。その他もまあ普通の出来だろう。ただどうしてもWWIIとなるとMOHAAと比較してしまうが、あの出来とは比較にならないのも確か。こちらは個々の音声がかなり細い感じで、迫力に欠ける面がある。


<INTERFACE>

 武器が数字キーでダイレクトに選択出来るようになったのはありがたい。一方気になった点としては

*アイテムの受け渡しはDropするしか無く、ヘルスパックの場合誤って自分に使ってしまうケースがある
*隊員のStatusはもう少し大きく分かり易い方が良い
*伏せの時にそれでは通れない場所に来た場合、支えるのではなく起き上がってしまう
*OptionではMiddleMouseにキーを割り振れるのだが、ゲーム中は使用出来ない?


<MULTIPLAY>

 DM、TDM、CTFの他にCoopをサポート。ユニークなモードとしてUTのAssault風のMissionというゲームモードを用意している。これは片方が米軍(OF)一方が日本軍(DF)となってシングルプレイ同様のミッションの達成を目指す物。時間内での達成を目指し、クリア或いは時間切れにて攻守が交代するチーム戦。この辺はCoop道場の方にて詳しく解説する予定である。


<総論>

 これは個人的には買いですかね。Coop可能なゲームというのが一番の理由ですが、シングル自体も結構良く出来ていると思います。価格的にも安いし、期待していたCoop可能な部隊系ゲームが全部来年に延期になってしまったというのもある。なおこのゲームですが、DD1のMapをImportしてプレイする事も可能になってます。



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