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アクション&パズル
 アクションシーンではQTEが多用されているが、正確にはキー連打というべきか。QTEの本来の意味である「画面上に表示されたボタン(キー)に素早く反応して正確に押下する」というシーンはほとんど無く、表示文字が小さくて黄色なのでLMBとRMBの区別が付け辛いというのはあったがその意味では問題無し。E(Use)キーの連打や4方向移動キーのガチャ押し(コントローラーにおけるスティック回転)が大半であり、その連打自体の難易度が高いという事も無かった。だがもっと減らして別の演出方法を多用するとか、キー押しのミニゲームにするなら連打系よりもタイミング系の操作の方が良かった。ここは数少ない欠点の一つと言えよう。

 とは言え共同してのアクションシーンも多い。良く見掛ける「片方が台座になって一人を上段へと押し上げ、登った方が下の者を引き上げる」といったシンプルな物ももちろん含まれているが、先に述べた様に共同でのアクションシーンは実に多彩な設定が用意されておりプレイヤーを飽きさせない。超高速で展開されるアクションシーンもあれば、タイミング重視で二人の呼吸を合わせないとならないケースや、時間制限で共同作業を達成しないとならない等。

 銃器での戦闘シーンは存在するが時間的には短く、開発側も「そういったゲームをやりたいならばGTAとかをやるべき」としている。システムとしても単純で弾薬無限, 自動回復, 武器は一丁だけ携帯可, 武器切り替えは限定された場所だけで敵の落とした物は拾えない, ダウン状態での助け起こし無しという仕様。ゴア描写も流血だけと控え目。片方が撃っている際に側面から攻撃という戦法も可能だが、銃撃戦は共同して戦うという要素も希薄で大して面白くは無いという感想。他のアクションシーンに比較しても凡庸なので銃撃戦に期待する方は注意。


 パズル系も用意されているが特に難易度は高くない。インタラクト可能なアイテム類はハイライト表示されるし、RMB押下での注目箇所の注視機能などもあって親切。詰まった箇所も中にはあったが、答えは単純なのを勘違いしていたというケースであった。

 解決するべき障害はどうやったら良いのかを考えさせる物よりも、どうやるのかは簡単に解るがそれを実行するには共同でのタイミングを合わせた作業等が要求されるケースが多い。例として片方がステルスで行動するのだが、それが見付からない様にもう片方が上手く周囲の気を惹いたり、NPCを誘導して別の場所に移動させたりで援護するといったパターン。あるいは別ルートに分かれて行動し、片方が装置やアイテムを使いながら別ルートのキャラクターの行動を助けたりしたりもする。


 全体的に難易度は特に難しくも簡単でもなくてちょうど良いバランス。自動難易度調整に関しては情報も見当たらないし存在しているのかは不明だが、プレイ中の印象としては上昇は無いにしても同じセクションで連続して失敗した際に低減される設定はあるのではないかという話になっていた。ストーリー展開を効果的に味わわせるには一箇所での進行の停滞は避けたいだろうし、そもそも協力して高難易度の苦難を乗り越えるといったゲーム性では無いので十分に有り得ると思う。連打系など失敗したら段階的に易しくして行くには調整がやり易い箇所も多い。


 操作性については若干の問題が感じられた。

・キャラクターの制御がゲーム側からプレイヤーに移されるタイミングがハッキリしないシーンがあって、移動操作がやり辛くなる事がある。具体的には想定している方向とは逆にキャラクターが動いてしまう事があるのだが、これはカメラの回転操作がプレイヤー側に突然渡されて、それが解らずに適切な位置へと動かしていないのが原因。カメラが動かないのでその位置固定だと認識 → 左右移動させると方向が逆になる → 実は移動をやり始めるとカメラ位置が動かせる様になるという仕様で、カメラを回転させれば移動方向が操作と一致する、という意味。

・カバーの影でUseキーにて姿勢を低くして隠れられる。しかしカバーから離れるには移動操作をしないとならず、それをやるとそのまま体を起こしてしまい低姿勢を保ち難い。だが敵AIの認識能力が低いので大した問題にはなっていない。

・KB+マウスでプレイしたが、ビークル操作のシーンではデジタル入力というのもあってか反応が過敏でやり辛い。ビークル操作についてはコントローラーの方が良さそう。

GRAPHICS & SOUND
 Unreal Engine 4を使用。グラフィックス設定のプリセットは無し。個別の設定項目は用意されている。

 高額予算を掛けたAAAタイトルでは無いので凄いというレベルでは無いが、それでもインディーズのゲームとしてはグラフィックスは良い部類。ただ顔のアップシーンが多い分、表情の変化などがもっと高額予算で作られていたならより良くなったであろうという気はする。とりあえずグラフィックスの凄さを売りにしているゲームでは無い。


 ボリューム調整可だが項目別には調整出来ない。映画的な演出の為に各項目のバランスを重視しており、変更されると都合が悪いという事なのかもしれない。3Dサウンドは未確認(ステレオヘッドフォンでのプレイだった為)。二人のキャラクターのボイスは特に問題無いのではないか。BGMは印象に残っていないが、ゲームの方に熱中していたからというのは有り得る。

BOTTOMLINE

[PROS]

○今までにプレイした事が無い斬新なデザインのゲーム
○Co-o専用という限定されたスタイルを最大限に活かしている
○様々なタイプのゲームプレイが混在して含まれており飽きさせない
○分割画面の切り替えや変化の演出が優れている
○選択肢や複数の方法による自由度
○ちょうど良い難易度バランス(自動調整?)
○一人が持っていれば相方はゲームを購入する必要が無い


[CONS]

×操作性に一部問題あり
×QTE(キー連打)のシーンが多目
×カットシーンがスキップ出来ない(リプレイ時)




 Co-op専用という一種の制限を抱えているが、それを逆手にとりCo-op独自の画面分割という要素を活かして新しいゲーム性を生み出している。アイディアとして斬新であり、且つその完成度も高い。またその新機軸な所から歴史に残る作品だと言えよう。まだ気は早いが2018年の年間ベスト作候補に挙げておきたい。

 オンラインでのCo-opにおいても購入者は一人だけでもOKという製品仕様も素晴らしい。ただし本文でも書いた様にこれは初見の二人同士でプレイするべきゲームであるという点を改めて強調しておく。既にクリア済みの人と組んでのCo-opはお勧めしない。

 Co-opファンには強くお勧めだが、シングルプレイ系のリニアなシナリオを楽しむキャンペーンCo-opであり、L4Dに代表される様なランダム性を持った繰り返しプレイ可能なタイプでは無い。それとアクションシーンは多いが、銃器での戦闘シーンはほとんど無いし特に面白くもない。後はプレイ相手はフレンド限定なので注意。

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