GRAPHICS & SOUND |
Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット4種。個別の設定項目は5個。 グラフィックスの質はほぼ一人でやっているインディーズ会社としてはまともな部類だが、大手を含めての現在の水準からするとあまり良くはないというパターン。アウトドアの作りなどは結構細かくてリアリティが感じられるが、テクスチャーのクオリティなどは質の悪さが目立つ部分となっている。謎解きアドベンチャーゲームとして見るなら大して気にならない点ではあるが、ウォーキング・シミュレーターとして見る際にはグラフィックスのクオリティは重要な意味を持ってくるのでマイナス点となる可能性はある。 遭遇するNPCが登場しない為に3Dキャラクターのモデリングやアニメーションの評価は特に無し。様々なエフェクト関連も特に印象的な物は無かった。 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス一部のみ。オープニングとエンディングのみナレーションが入るが、それ以外は特殊なケースを除いてボイスは無し。通信機を通じての会話シーンでも一切音声は無く、さすがにここはボイスを用意するべきではなかったかと感じさせられる。 BGMや効果音は少な目で特殊なシーンで鳴る事が多い。ホラー風味を持ったゲームではあるが、脅迫的な物では無くて静かで気味の悪いというタイプの音が中心。 |
BOTTOMLINE |
[PROS] ○謎解きやパズルはやや難しい程度の適切な難易度で手応えもあり ○良く出来たヒント機能が提供されている ○謎の多いストーリー展開には惹き付けられる ○アウトドアのマップの形状にはリアリティが感じられる ○ファストトラベルが可能なので移動の面倒さが無い [CONS] ×ストーリーの方向性が変わる終盤の展開は混乱を招いている ×エンディング ×テーマとなっている著書『死ぬ瞬間』との関連性が不明 ×謎解きにおいて勘違いを発生させて難しくなるといった洗練されていない問題が結構多い ×会話シーンにボイス無しで寂しい ×キーアサインが出来ない △この最初のエピソード以降の続編が出ていないままに長期間放置状態 |
アドベンチャーゲームとウォーキング・シミュレーターのミックス型とされているが、実際にはアドベンチャーゲーム(謎解き)の比率がずっと高い。よってアドベンチャーゲームのファンには勧められるが、ウォーキング・シミュレーターのファンには微妙である。広大なアウトドアを長時間探索する様なゲームでは無い。別の見方をするともっと純粋なアドベンチャーゲームのファン向けのゲームであるとアピールした方が売れる様に思える(ストア頁の説明からはそういう風には見えない)。定価が安目の割にはボリュームもそこそこ有るし、その意味でもアドベンチャーゲーム(謎解き)のファンには勧められる作品である。 注意点としては、純粋にこの作品自体の問題では無いのだが、全5部作予定の最初のエピソードという位置付けとなりこれ以降は続編が出ていない。そしてストーリーはこの作品単体でも面白いのだが、それは「真相が具体的に示されてはいないが想像の余地はある」という段階での面白さとなる。言わば全5話のドラマや小説において導入部となる第1話での謎提示が面白くて続編が気になるというのと似た様な状態。だから純粋にこの第1話が悪いのでは無いが、その後の続編が一向に出ないという点においてシリーズ全体としてはマイナス評価とせざるを得ないという話になっている。 ストーリーの方向性についても微妙な評価に。ネタバレを避ける為には遠回しな言い方になってしまうが、終盤になって展開というか背景設定が変化するのだが、そういう方向性では無い方が良いのでは?(それまでの方向性の方が面白そう)というのが私の感想。その路線を推し進めたエンディングも大きなクエスチョンマークが付く。ただし謎解き自体のクオリティはストーリーとはほぼ関係がないので、パズルを楽しみたいという方にはそこは問題とはならないはず。純粋にパズルのみを楽しめば良いだけである。 |