G問 題 点 |
特別に大きな問題が感じられないこのゲームにおいて、私が一番不満に感じている件に関して書いておく。よって問題点というよりは不満点とした方が適切かもしれない。それはエンディングの分岐についてである。このゲームには二つのエンディングが用意されており、それはグッドorバッドでは無くてノーマルエンドor真エンドとでも言うべき物となっている。分岐は最後のチャプター4をどうプレイしたかで決定される方式でそれまでの過程は影響しない。 先に書いておくとどちらのエンディングも出来は良く、両方共に体験しておくべき物と考えている。不満というのは真エンドの出来がとても良く、その為にこれを見せずしてゲームを終わらせるのはどうだろう?と感じられてしまう点にある。真エンドに到達するにはある条件を満たさないとならず、よって誰でもノーマルエンドには辿り着けるが真エンドは体験出来ない人も出て来る事になる。最初のプレイで真エンドに到達して逆にノーマルエンドを体験しないで終わるという方も同じく問題だが、こちらは相当少数だと予測される。 真エンドを体験するべき理由とは、シンプルにこれはこのゲームをプレイした人全てが見るべき内容だと考えられるのと、これをプレイしないと本編の終盤になってのある疑問点が解決されないという件もある。またこのゲームのタイトルはダブルミーニングとして使われていると思うのだが、それも真エンドを体験しないと解らずに終わってしまう。 そもそも真エンドの存在すら知らない方はノーマルエンドで終わってしまう可能性が高いし、存在している&チャプター4でのプレイによって決まるという情報を得ていたとしても、真エンドにノーヒントで到達するのは結構難しいと思われ未体験者を増やしてしまう恐れがある。私としてはこれだけのクオリティの真エンドを制作しておいて限定された人にしか見せないというのは妙な感じがしてならない。真エンド到達は実績でもあるので、「台湾では実績をコンプリートするのが大勢なので、実績化しておけば到達しようと考える人がほとんどのはずなので問題無い」という発想なのか(世界的にも同じだろうと誤解して)、どうにも納得が行かずに謎である。 じゃあどうしたら良かったのかとなると、真エンド進行の場面転換後のパート(全員に見せるべきと考えるパート)をエピローグとして全員に体験させるというやり方はあるのだが、ノーマルエンドの方も出来は良い為にそちらも見せたいというのは確かにあって困る(ノーマルエンドが終わってからこの真エンド後半に繋げるには違和感あり)。考えられるとすれば真エンドの後半パートをエピローグ化するが、ノーマルと真のどちらを選択していたかによってこのエピローグ部分の内容が若干変わるとかだろうか。 ちなみにデータ的には両エンディングは実績として設定されているので比較すると、達成者の割合は現時点(2018/01)で3%ほどの差しか無い。とは言え売れ行き数が多いだけに人数換算では結構な数になる(25万本の3%だとすると約7千人)。到達の難易度を考慮するとこれしか差が付かないとは考えられないので、ノーマルエンドに到達した人が後に到達方法を知った上で真エンドをプレイしているのだろうが、それでも一向に構わないので是非体験しておくべきエンディングだと思う。(自力では面倒という方はヒント頁に到達方法を書いておくので参考にして欲しい)。 |
GRAPHICS & SOUND |
Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット無し。個別の設定項目も無し。横スクロールという表現的にグラフィックスのオプションで見映えを大きく変化させることが難しいので設定項目が無いのだろう。 美麗なグラフィックスを意図しているゲームでは無く、台湾独自の色を含めた雰囲気を醸し出すのが狙いであり、その意味では全般的に良く出来ているのではないか。ただ個人的にはもっとドス黒いと言うかダークで陰惨たるタッチの絵柄の方が好みであり、ライト寄りな描写に感じられてしまうシーンも在った。後は技術的な面としてはキャラクターのアニメーションはもうちょっとリアルというか細かくても良かったとは思える。 ボリューム調整可能だが項目別には行えない。3Dサウンドには非対応。ボイスは無し。BGMはアンビエント系が多いが良い出来で、その内にサウンドトラックを買おうかとも考えている。 |
BOTTOMLINE |
[PROS] ○ストーリー ○台湾という独特な背景設定が新鮮 ○ホラー演出にはユニークな物が多い ○怖がらせるタイミングが上手い ○二つのエンディングを持つがどちらも良い出来栄え ○BGM ○日本語化の品質が高い [CONS] ×ストーリー上必須と思える真エンドが全員に公開されていない ×敵が怖くない ×基本的なインターフェース関連の設定項目が少ない |
台湾産のゲームで特に地元をテーマにした物となると記憶に無いが、最初の体験となるこの作品は全体的に非常に良い出来に仕上がっている。ストーリー面でも優秀だし、ホラーとして見ても質が高い。プレイ前にも評判の高さから期待はしていたのだがその水準を上回る作品であった。 ストーリー面はあまり展開を知らない方が楽しめるだろうから詳しくは書かない。ホラーとしては雰囲気的に怖いタイプであり、突然驚かせるというパターンは多いものの、ジャンプスケア系(突然の敵の襲撃と大音量でビビらせるタイプ)では無いのでその系統は苦手という人でも大丈夫なはず。よってストーリーが優れている作品は好きだがホラーゲームは苦手という方であっても、よっぽど苦手というので無ければお勧めしたい作品である。アクションとして見ても特にスキルは要求されない。 ホラーゲームのファンには当然ながらお勧めだが、敵が怖いという設定では無いし、同時に敵に追われるといったスリリングなアクションを楽しめるというゲームでも無いのには注意。謎解きメインであり、画面上のキャラクターを移動させるタイプのアドベンチャーゲームに近い。 |