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シ ス テ ム |
・難易度設定は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは持っていない。 ・セーブはオートセーブ。保存は1箇所だけで上書き方式だが、チャプター単位でのやり直しは可能。 ・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。 I/Fは日本語対応で会話シーンには字幕有り。だが会話シーンでは日本語と英語が上下に並んで記される形式になっている。日本語が変だった際に英語でも読めるので、ある意味便利と言えば便利ではある。日本語翻訳の精度については、ストア頁には「日本語テキストに関しては調整中」の注意書き有り。まず一部フォントの違い(日本語の字体では無く中国語or広東語の字体のまま)が存在。翻訳文の方は機械翻訳などでは無く自然な訳だが、序盤は優良に思えたものが後半になるに連れて精度が怪しくなって行く様な印象を受けた。翻訳の質を最初から見直しているが、その過程がまだ最後までは到達していないという話なのかもしれない。 セーブデータのクリア機能がメニューに有るのだが、どうもチャプター選択でのリプレイ時には一部のパズルが既に解かれている物としてスキップされてしまう仕様らしく、それを含めて完全に初期状態へと戻す為のシステムの様である。 *キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転可○, 明るさ調整可○ *一人称視点固定, FOV調整不可× *スプリント○, 屈み○, ジャンプ× *照準(カーソル)無し *Steam実績対応 ゲームのI/F上での問題点になるが、TABキーでインベントリー画面を出した際に日本語設定だとフォントサイズの問題で2つの大項目(タブ)が重なって表示されてしまう(左上の画像参照)。最初のアイテムタブ以外にもう一つ隣にファイルタブが有り、A&Dキーにてタブの移動が出来る。 プレイ中に設定画面には入れない仕様(セーブが発生した時点で戻るとかにしないと一部やり直しになる)。 |
GAMEPLAY |
実質4時間強程度でクリア(一部あえてやり直したりステルスの実験とかをしていたので実時間ではもっと長かった)。詰まる可能性を持っている箇所が結構有るので、その辺りで費やす時間によってある程度の振り幅は出るはず。物理的には特に長くないので、詰まる箇所が少なければ3時間位でも可能だろう(またパッチにより初期より難易度も下げられている)
。 進行は一本道で、意味の無い単に行かれるだけの脇道等も少ない。カーソル表示は無しだがインタラクト可能な箇所は広範囲で“目玉アイコン”が表示されるので見落としの危険性は低くて親切。その御陰で特に探さなくてもドキュメント類はほとんど全て回収出来た(実績には関係無し)。アイテムの使用も持ってさえいれば自動選択となっている。 純粋なパズルは幾つか出て来るが総じて簡単。何等かの作業をしないとならない, アイテム探しが必要といった箇所の方が詰まる可能性が高い。アイテム等のインタラクト可能な箇所の発見は親切と書いたが、中には発見し辛いという箇所も有った。(個人的には「こんな所がインタラクト出来るのか」と気付くまでに長時間迷って探し回っていたエリアも)。 ホラー関連は先にシステムやタイプから書くと、敵との武器を使っての戦闘要素は無し。しかしある種のアクションを要求されるシーンは幾つも有り(追って来る敵から逃げる為に、あるいは敵を排除する為にスキルを要求される操作を行うという意味)。ステルス要素も有って、こちらは同じルートを巡廻している敵をかわして移動するという定番方式。屈みで音を消せる, ライトは点けていても影響しない, こちらが隠れているオブジェクトに空いた隙間は見通せない, 見付かったら逃げて衣装戸棚の中に隠れられる、といったシステム。シビアなバランス設定では無くストレスは特に受けなかったが、発見されてしまう基準に関しては謎な部分も感じられた。 ジャンプスケア有り。だがこれ一本で押してくるタイプではないし数も少な目。クオリティとしても特に怖いという感はなく平凡な出来。ただ意表を突くという点において中には上手い演出のシーンも有った。 恐怖感をどれだけ出せているかという判定は弱めという採点である。ホラーゲームを良くプレイしている、あるいは限界突破を目指すような特別に怖いタイプが好みという方には物足りないと感じられると思う。良く使われている一般的な怖がらせ方が大半, 特別に新味な要素は無し, 雰囲気的な怖さは全般的にはそこそこ, 難易度設定は無しで難しくは無い, グロ要素は控え目、と言った具合。 襲って来る敵で怖がらせるという事に重点が置かれているのだが、それがあまり効果的では無い。この長さで敵を3種類用意しているのは評価出来る。しかし外観的に怖さが足りないし(人型もモンスター型も)、長時間プレイヤーの視界内に出てくるので慣れてしまうという弊害も発生している。アニメーションの方も大手ほどにはクオリティが高くなく、例えば襲われて死亡するシーンでは「敵に掴まれてから攻撃される」といった一連の滑らかなモーションが用意されておらず、近付かれて突然顔がドアップになってお終いという唐突さ(敵によって若干の差は有り)。 イベントシーンも妙な印象で、アニメーションの制作が上手く行っていない(タイミングがズレている?)と感じさせるシーンが幾つか存在(バグか何かで高速再生されているのではないかと疑われる様なシーン)。一方で動画再生のイベントシーンはテキストコメントが流れる演出(ちゃんと日本語化されている)など面白味が有った。 |
GAMEPLAY(続) |
しかし駄作なのかと言えばそうではない。ボリュームはそれなりに持っているし、しっかりと作られている感も受ける。怖くも無いし、それ以前にゲームとして面白く無いといった低評価作品などとは明らかに異なっている。 ホラーゲームにはある難題が存在しており、それは「怖くすればするほど良いのか?」という件である。とにかく怖いゲームを作る事を目指して、その通りに非常に怖いという評価を受けたが、その結果として商業的には失敗するという事態が発生する危険性を孕んでいる。つまりホラーゲームのファンの中には「でも怖過ぎる物は駄目、プレイ出来ない」と考える層も結構多い。そして現在では「だから他のプレイヤーがやっているプレイ動画を視ることで代用してしまおう」というルートも確立されており、売り上げを伸ばしたいという意図を持っているなら非常に怖いゲームにしてしまうというのは逆効果に働く恐れがある。 その意味でこの作品はホラーゲームの初心者、もしくは過度に怖くは無い物を探している方には適しているのではないかという感想を持った。広範囲のプレイヤーが実際に自身で最後までプレイ可能な範囲の恐怖度に収まっており、それでいてちゃんと怖さを感じられる程度の恐怖レベルは備えているという意味合いである。どこまでそういったバランスを意図的に狙っているのかは不明だが、実際に評価は高いし売り上げも良好とセールス面でも成功している。そして難易度を軽減するという意味での“親切設計”も数多く見られるので以下にいろいろと挙げてみよう。 ・突発するイベントシーンは死にゲー的な側面は有り。しかし即そのシーンをリプレイ出来る仕様で、また敵の動きは固定ルートなので回避方法やタイミングは把握し易い。 ・中に隠れられる衣装ダンスは、敵の目の前で隠れても回避に成功するので易しい。それとこれが置かれているのを見付けると、ここで追われるイベントが起きるのだなと予測が付いてしまうというのも有り。 ・敵のルートを把握してステルスで移動するシーンにて、その方向を示す幽霊探知器がアイテムとして使えるシーンが有る ・イベントの開始や終了がBGMの有無で把握出来る事が多い ・アクションやステルスのスキルを求められるシーンにおいては、じっくり進めれば難易度を軽減出来る箇所も有る。なるべく短時間で終わらそうとするならタイミング合わせが重要になるが、時間を掛ける事で難易度は下げられるの意味。 続いてはまだ言及していなかった欠点について記載。 スプリントのシステムが独特である。まずスプリントは出来ないと設定されているシーンが有る。そして可能なシーンにおいても、そのシーンに応じてスプリントの速度が変化するというデザインになっている。追っ手が固定ルートを定められた速度で通るイベントシーンなどでは、単純にこちらも走るだけなのでスプリントの速度は普通。ところが敵が徘徊しているルートをステルスで突破するシーンなどでは、スプリントの速度が低速に抑えられる様になる。その際の速度が極端に遅い件がレビュー等でも評判が悪い。衣装ダンスに隠れるのが万能なので、そこまでスプリント出来てしまうと易しくなり過ぎるという判断なのか? ステルスがバレて追われる際(衣装ダンスが設けられているシーンと言い換えても良い)にはスプリントとは呼べない様な速度でしか移動出来ず、敵も同様に遅いのだが違和感は大いにあり。 車の操作を要求されるシーンも出て来るのだがここの操作性が非常に悪い。そもそもコントローラー向けなのかもしれないが、KBでの操作では上手くコントロール出来ずに失敗してしまう事が多い。レビューでの悪評を受けて難易度の調整(コントロールの精度ではなく、クリアの為の条件を緩和する方向での修正)も行われているので超高難易度という訳では無いがイライラさせられたのは確か。 |