シ ス テ ム |
キャンペーン 難易度はEasy / Medium / Hardの三種類。途中での変更は出来ない。マップ単位でのリプレイ機能も無し。 セーブ&ロード クイックセーブを含めて自由に何時でも行える。マップの先頭にてオートセーブ。なお詰みの可能性があるゲームなので、ヘルスや弾薬が十分にある状態にて定期的にセーブする事をお勧めする。 エンディングのセーブ機能を持ち、各エンディングに到達するとそのデータがセーブされる。これが何を意味するのかについての詳細は不明だが、考えられるとすればチート防止の役割。最後のエンディング4に到達する為には他のエンディングを全てクリアしておかないと原理的に不可能となるが(10枚のパネルを発見する必要がある)、最後のパズルの答えを知ってしまえばそれを入力して扉を開ける事は可能である。それを防ぐ為にそうなっているという事なのだろうか? なおDelete Saved Ending Info.batを実行すればこのエンディングのセーブのみを消す事は出来る。 OBJECTIVES 具体的な指示は参照出来ない。マップ表示やコンパス機能も無し。ヒントが壁等に書いてあったり、指示を書いた図面が存在したりする事はあり。 英語 主人公の独白やヒント等は字幕表示される。 |
BASICS |
*一人称視点固定 *武器は4つのカテゴリに分けられており、各1丁ずつ持ち運べる *一部の武器は2ndary Fireモードを持つ *交換して捨てた武器はその場所にそのまま残っている *デフォルトでRunモードでスプリント操作は無し *アイアンサイト, 左右へのリーン, カバー動作などは存在しない *アイテム類を取るにはUseキーを使う必要があるが、照準を合わせて取るのでは無く近付いて取る(取れないケースでは近付いてみる) *ドア類は触れれば自動的に開く(Useは必要無い)。鍵が掛かっている物は一回目で鍵が使われ、二回目で開くようになっている。 *ドア類は両方向に開くが、一部は片方向にしか開けられない *縦長の屑籠, 横長の上面がガラスのケース, 一部の段ボールは壊せる(中にアイテムが有るケースあり) *青い大きなコンテナはハシゴ部分から登れる トレーニングモードが用意されているのでこれはやっておいた方が良い。その他にHLシリーズでは常識となっている操作があるのだが、こちらについては説明が無いので未プレイの方向けに書いておく。 ・屈みジャンプが必要な場所が幾つも出て来る。これは普通にジャンプしては跳び乗れないオブジェクトの前で、前進+ジャンプした直後に屈みキ ーを押し脚を縮めて上に乗っかる技。 ・移動後にすぐ止まれず慣性がついた様に滑る仕様。プラットフォームをジャンプして渡る時などに注意。 ・空中でかなり姿勢制御が可能。跳び過ぎたと思ったら素早く後方キーを押せばその場に落ちられる等、方向を調整出来る。 ・狭い縁部分を移動したり等で落ちたくない時はWalkモードにすれば防げる ・動かせるオブジェクトはUseキーを押しながら移動キーにて引っ張る事も出来る(ただし猛スピードで動くので制御は困難) ・水中エリアに長く居るとヘルスが減って行くが、これは水から出れば元の値まで戻る バグについてはHL由来の物がそのまま残っている。何回も遭遇したのがエレベーターのバグで、移動後に引っ掛かって動けなくなる。もう一度稼動させるとダメージを受け続けて死亡等。作動中に居る場所をいろいろと変えて見るとか、引っ掛かったら屈み動作をしてみたりするのが定番の対策なのだが、これでダメならやり直すしかない。とにかくエレベーターに乗る前にはセーブする癖をつけておく事を推奨する。他には銃器交換の際に勢いよく今持っていた物を投げ捨てるので、角度によっては再度拾えなくなってしまう恐れがある。 |
GAMEPLAY |
初回プレイは難易度Easyで9時間程度。Modとは言え結構なボリュームを持っている。ただし物理的に非常に広い訳ではないので、やる事の解っているリプレイ時は半分程度に減らせるだろう(同一難易度なら)。エンディングは全部で4個用意されており、どうやって分岐するのか知りたいならばトップ頁の解説を参照の事。 完全なルート分岐がゲーム途中にあるが、それぞれのルートが大きく異なっており、またマップ数も多いのでリプレイする価値は高い。片方にしか登場しないモンスターもいるし、クライマックスとも言える出来の良いエリアが特定のルートでしかプレイ出来ないといった面もあるからだ。分岐前にセーブしておけば最初からやり直さなくても進められる。ただしグッドエンディングとされている最後の物をクリアするには、完全な形で他の3個のルートをクリアしておかないとならない可能性もある。 ロケーションは多岐に渡り、最初の病院から様々な場所へと行く事になる。またゲームの最初は幻覚による精神世界から始まるが、その後もこういった精神世界のエリアが随時出現する様になっている。 インドアとアウトドアは半々程度。全体的に暗いエリアが多く、暗闇による恐怖感が上手く演出されている。フラッシュライトはバッテリー式で無限には使えず、常時点けておいて探索するという行為は不可能なのである程度の暗さでは温存するのが大事。だが消して移動すると希少なアイテム類を見逃す恐れがあり加減が難しい(アイテムは目立たず光らない)。制作側の意図する明るさに調整する機能は持っておらず、ゲーム内設定以外からの調整等を使って非常に明るくするという事は可能だが、意図された暗闇シーンでは黒い霧状のエフェクトが掛けられ、ライト無しではどれだけ画面を明るくしても全く見えなくなるように設定されている。 スクリーンショットを見て解る通りに、このModの明らかな欠点は使用エンジンの古さによるグラフィックスのクオリティであり、また制作人数の少なさから独自制作のコンテンツはあまり無く、大半はHLで使用されていた物を流用している(新作のCry of Fearではグラフィックスを大幅に改善している)。つまりほぼ1998年当時の水準なので、リリース当時は勿論の事、これを書いている2012年現在の基準からすると更に現行世代との差が目立つ。よって純粋に各エリアの景観やモンスター類の造形などの比較では当然不利であり、実際に登場するモンスターなどの姿を単にここで見せても怖さは感じられないと思う。 しかしグラフィックス表現の力の無さを理解した上でのデザインなのかは不明だが、その欠点がそれほど影響しない様な形で怖さを作り出している。怖さのメインはお化け屋敷的なビックリ系で、突然出現する敵や映像によるショッキングな演出を多用している。有名なゲームとしてはF.E.A.R.と同系統だと考えて貰えば良いだろう。そちらでは突然予期しない瞬間にアルマが出現したりして怖さを生み出しているが、AoMでもこれと同じスタイルを主に使っている。そのグラフィックスだけを比べるならば遥かにモデリングやアニメーションのクオリティが高いF.E.A.R.の方が不気味であり、AoMにおけるモンスター達や突如として現れる恐怖画像などはずっと粗っぽくて低レベルである。だがビックリさせて怖がらせる瞬間においてはその低クオリティさはあまり不利にならず、そして肝心の怖がらせる演出の方ではF.E.A.R.よりも数段こちらの方が上である。 景観の面でも粗いポリゴンによる表現が目に付き、2Dの板に風景が書き込まれていたりと時代を感じさせる。その為に雰囲気的な怖さを醸し出すという面でも著しく不利なのは仕方が無い。けれども病院や森のエリア、或いは精神世界の様な所では不気味さを生み出しており、このレベルのグラフィックスとしては健闘している方である。 それとストーリーの設定が上手く機能している。冒頭では病院に来てから幻覚を見た主人公が気が付く所から始まるが、特にそれ以外の説明は行われない。他のゾンビ物の様に、人間がゾンビ化してパニック状態になっているとかそういった情報が無いので、プレイヤー側からすると状況が良く理解出来ない形になっている。 なので現実の世界を移動してはいるが、銃器などの武器も含めて見えているモンスター達は全て幻覚なのかも知れない(つまり端から見ると存在しない相手に向かって持っていない武器で攻撃している異常者に見える)。或いはそもそも全てが幻覚であるという可能性もある。よって粗いデザインやアニメーションをするモンスター達でも、それを麻薬が生み出した幻覚だと考えれば低ポリゴンであってもあまり気にならないという風に機能してくれる。 謎解き要素を含むが、パズルを解かせるといったシーンは少ない。探索によるボタン探しが基本で、それによって新たなルートを見付け出すという形式で進められる。ボタンを押して開く場所は相当前に通った離れた所だったり、時によっては昔のハブシステムの様に別マップだったりもするので、ボタン押下時にそれで開いた場所がカットシーンで示されるという事も多い。 ホラー物としては珍しいとも言えるが、タイミングアクションの成功を要求されるシーンも結構出て来る。時間内に要求される動作を成功させないとならなかったり、プラットフォームをジャンプで渡ったりといった行為。クイックセーブが無限に使えるので極端に難しい箇所は出て来ないが、あまりこの要素は面白さに貢献していない。 プレイしてみて感じられた一番の欠点はバッテリーの仕様。まず消費が異常というレベルで早く、(大袈裟ではなく)うっかりした消し忘れが致命傷に成り得るという位に厳しい。点けるのは必要最小限に限られ、必要が無くなったら即座にオフにするという形でのプレイを余儀なくされる。バッテリーのオンオフに気を遣うあまりに、肝心の恐怖感へのプレイヤーの集中が疎かになるという感さえある。 もっと詳しく言うなら問題はリチャージの設定にあって、フラッシュライトを点けないと何も見えなくなる様に設定されたエリアが存在する関係上、詰みを防ぐ為にバッテリーゲージは5の値までは何回でも回復可能にされている。ところが点灯しない状態の0から5までバッテリーがリチャージされるまでの時間が約3分も掛かるというのが最大の欠陥。消灯状態でプレイ続行可能ならばそのまま進めていれば良いのだが、暗闇エリアの場所でそうなってしまうと困った事になる。そんなに待てないから1まで回復したらスタートする場合、すぐにまた0になってしまうのでタイミングによっては不味い状況になる(銃を撃つと一時的に光るという窮余の策は一応存在するが)。かと言ってそのままゲームを放置して3分他の事をして待っているというのも没入感を削いでしまうので上手くない。フラッシュライトを自由に使わせないという意図は理解出来るが、リチャージ速度はせいぜい30秒程度にした方が良かった。 特に最初の病院と森のエリアが厳しい。病院は最も進むべきルートが解り辛いエリアとも言え、それを探す為にライトを点けて歩き回っているうちにバッテリーが無くなって動けなくなってしまう。森もその暗さの割には用意されているバッテリーが少な目。まあ病院で異常な速度のバッテリー消費に懲りた後は徹底節約モードに入るだろうから、それを続けていれば大半のエリアでは何とかなるとは思う。 |
COMBAT |
最初に難易度について。とにかく難易度が高いという情報を得ていたのでEasyでプレイしたが、とてもEasyという感じでは無く一般的なゲームにおけるMediumという印象。回復薬はそれなりに在るが、武器の弾薬が少な目なので無駄撃ちしていると苦労する事になる。弾薬を極度に節約しないとならないという事を知っていればもっと後半戦が楽になったと思うが、それを知らない初回プレイでは「それなりに節約」というスタンスだったので、それが余計にゲームを難しくしてしまったという感想である。 別ルートを通るリプレイではMediumを選択してみたが、既に一周して慣れているにも関わらずこの難易度は厳しい。三回ほど途中で詰んでもっと前のセーブからやり直す羽目になった。敵の数や被ダメージ量の増加はともかくとして、回復薬での回復量がEasyの半分というのが辛い。ここだけはEasyと同じにすればずっとバランスが良くなっただろう。とにかく難しいゲームが好きという方以外には、初回プレイでのMedium以上はお勧めしない。 「ホラーゲームが簡単であっては怖くならない」というのは事実。しかしこのゲームに限った話ではないが、極端に銃器の弾薬と回復アイテムの節約を要求する設定にした結果、「近接攻撃武器で上手くゾンビを倒すスキルを磨くゲーム」になってしまっている物が見受けられるのも事実。そうなるとこれはもうホラーでは無くアクションゲームの類に近くなり、プレイヤーの意識も上手く攻撃して倒す点に集中してしまうから、敵に対する恐怖感も逆に減退してしまう。その意味でMediumでこの難易度はやり過ぎだと言わざるを得ない。旧作プレイ済みのプレイヤーを基準にしているのではないかとも思える。 それとMedium以上ではゾンビをハメて倒す手法を多用しないと厳しいという印象。制作側がそれを考慮に入れてバランス調整しているのかは判らないが、段差を利用して引っ掛けたり、自分が高台に乗って安全地帯から近接武器で攻撃したりしないと、回復薬も弾薬も足りなくなる可能性が高い。そうでなければ近接攻撃を極めるとかでないと無理ゲーに近いバランスである。 敵の中でメインとなるのはゾンビで、これは有名なHLのホラーModであるThey Hungerのゾンビをベースにしてスキンやアニメーションを変更している。その種類はかなり多彩で、頭部や体の一部が高速でブルブルと震えている者や、妙な形に肢体がねじ曲がっている者など、気色が悪いタイプも登場する。他の敵はHLに出て来るモンスターのスキンを変更した物が中心で、HLをプレイ済みならあのモンスターを改造した物かとピンと来る敵が多い。ただ中には大幅に変更しているので元が想像出来ないタイプも居る。奇抜なデザインのモンスターも含まれており、この点は及第点を与えられる出来である。 武器は4種類のスロット別に分けられているのでその順に紹介。各スロット別に持ち運べるのは1種類だけとなる。スロット1はサバイバルホラーにおいて重要度が高い近接攻撃武器となり、ナイフ, ハンマー, 斧の3つが登場する。この中ではハンマーが曲者で、威力は高いのだが攻撃キーを押下してから実際に降り出すまでに間が生じる。初期装備のナイフは威力が低い代わりに素早く斬り付けられるので、ゾンビに近付いて攻撃した瞬間に逃げるという攻撃がやり易い(ただし倒すのに時間は掛かる)。逆にハンマーは少ない回数で倒せるのだが、攻撃の間を考慮して当てて+逃げるという動作を組み合わせないとならない為に、慣れないと敵の攻撃を喰らい易くなっている。再度ナイフに持ち替えられる場所は一箇所だけしか遭遇しなかったと思うので、持ち替えないで「時間が掛かってもやり易いナイフ」という選択肢もありだろう。 スロット2のハンドガンはGlock, Beretta, P228。グロックのみ2ndaryでフルオート射撃が可能。単発ダメージに大きな差は無いが、ダメージが高い物ほどクリップサイズは小さくなっている。その正確性からヘッドショットがやり易く、それによって消費弾数を節約する事が大きな意味を持つので重要度は高い。他の武器に比較すれば弾薬は豊富だが、決して無駄撃ちしてはならないという位にシビアなゲームである。 スロット3はショットガン, Uzi, MP5。ショットガンとサブマシンガンはどちらかしか持てないので悩み所となる。定番のショットガンは探索すればそれなりに弾は有る方だが、発射距離によって結構な差が出るという特性を持ち、ギリギリまで引き付けて撃たないとその効果を最大限に発揮出来ない。よって安全な距離で使っているとそれだけ弾の減りが早くなる。サブマシンガンの方は弾薬が相当少ないのであまり長い間は使えず、無くなってしまうと追加弾薬かショットガンを見付けるまで攻撃力が大きく落ちてしまう。しかし数多くの敵相手には非常に効果的な武器であり、Medium以上では難所用に持ち替えると効果的。 スロット4は一発必殺系でデザートイーグルとリボルバー。リボルバーは終盤にしか出て来ないので、これはそれまではデザートイーグル一択。精度が高い上にほぼ一発で倒せるので頼りになるが、当然の如く弾薬数は少ない。強力な攻撃を仕掛けてくる敵を素早く倒すのがメインの用法で、あとは大量の敵が出現する場所で役に立つ。 戦闘を難しくしている原因は主に弾薬不足。銃器に頼っていたのでは到底弾が足りないので、近接武器を使って節約を心掛けないとならない。更に厄介なのが難易度のアップダウン構成で、まず最初の病院パートは先に書いたフラッシュライトの問題もあって比較的難しめとなるが、その後はしばらく割と緩めのパートが続いて行く。しかしそこが落とし穴となっており、ここで油断して貯まって行く弾を安易に使ってしまうと、後半になってからの急激な難易度上昇に対応出来ずに泣きを見る事になる可能性が高い(特にMedium以上)。この緩いパートでこそ近接武器を多用して(もしくは無視して先に進めて)徹底した弾薬節約に努め、ハンドガンの弾すら無駄にしないという姿勢で臨んでやれば後半が幾分楽になるという風になっている。 基本的にはヘルスの値が高いうちは近接武器優先で、低くなってきたら回復するまでは安全重視で距離を取って銃器を使う。高ダメージを与えてくる強敵や、複数の敵が出現する場所ではショットガンやデザートイーグルで対応。あまりに節約にこだわって多くのダメージを受けてしまっては意味が無いので、その辺の希少な弾薬の使い所の判断が重要になる。使わないと無理という難所に備えて、ショットガンとデザートイーグルは最低でも10発程度は温存しておいた方が良いだろう。 中盤以降になって弾の少なさを近接攻撃でカバーしようと考えても、高速タイプのゾンビから更にそれより高速のゾンビが出現したりするので、こういった敵にはノーダメージでの近接攻撃が困難である。それと併せて半透明や全く見えないタイプの敵も登場する様になる。また逃げ場(安全地帯)の無い所で5〜10体程度が同時出現するケースも出てくるので、こういうエリアでもまずは数を減らさないと近接攻撃は行えない。 |
GRAPHICS |
HL1のグラフィックス能力を改善したりはしておらず、グラフィックスのクオリティに関してはやはり古いという感は否定出来ない。 ワイドスクリーン設定を選択は出来るが、元のエンジンが未対応なので単に画像の縮尺が横に伸びて変になるだけである。 |
SOUND |
3DサウンドはEAXに対応している(一応A3Dにも)。 サウンドはバラエティに富んでおり相当力が入れられている。不気味な環境音から恐怖感を煽る激しいビートまで、そのクオリティはトップクラスの出来栄えである。(Aphex Twinをサンプリングして使用したりしている様だ)。 |