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シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度は 簡単 / 普通 / 難しい の三種類。プレイ中に自由に変更が可能だが、セーブデータを読み込むとそのセーブ時点の難易度に上書きされるので注意。チャプター選択も最初から出来る様になっている。


セーブ&ロード
 クイックセーブを含めてどこでも自由にセーブ可能。オートセーブも装備。クイックセーブとオートセーブは履歴を二箇所保持してくれる。


OBJECTIVES
 具体的な指示は無く、現在の目標を参照したりする事は出来ない。方向ガイドやマップ機能も無し。


英語
 字幕機能あり。分量は少ない方で内容的にも簡易。ただし協力者で指示をくれる男性がヒントや解答そのものを喋ったりするので、英語を完全に無視してしまうと詰まる可能性もある

GAMEPLAY
 プロローグとして1のリメイク+NH2が全7章という構成。難易度「普通」で4時間程度と短くも無いが長くも無いというボリューム。ホラー物だけに内容が解ってしまうと恐怖感の減退は避けられず、よってリプレイ性はあまり無いと言えよう。


 ホラーのジャンルとしてはショッキングホラー)とでも言うのか、人を突然ビックリさせる演出を重視している。そしてその出来栄えは非常に良い。プレイ中に「うわぁぁぁ!」という感じで仰け反ったりすること請け合いである。

 このゲームではホラー要素の扱いがちょっと変わっている。通常のホラー物ではその背景世界の設定が重要視され、歩き回っているだけでも怖いという雰囲気を強く出そうとするパターンが多い。だがNH2は廃病院をロケーションとしているものの、その内部表現にはそれ程の怖さが感じられない(力が入っていないとも言える)。具体的にはもっと全体的に暗くするべきなのだろうが、それほど非常に暗いという場所が用意されていないし、携帯するフラッシュライトが無限に使えるのでその意味でも闇の要素は低減。より正確に記するならば、暗いエリアはそれなりに出て来るが、周囲が良く見えないので怖いとか、戦闘が困難といったレベルで暗い場所があまり無いので、「暗い=怖さ」が成立していない。ただしその代わりにイベントとして発生する(ライトが使えなくなる)暗闇シーンになった時に、その稀に発生する暗闇がアクセントとして効果的に働いているというのはある。

 それと内部には主にゾンビが徘徊しているが、この敵の怖さという面にも力が入れられていない。戦闘の項でも述べるがサバイバルホラーの様な設定では無く、アクションゲームといった方が適切なバランスなのがその大きな原因。つまり廃病院やゾンビが登場するならそれを利用した怖さを生みだそうとするのが一般的だが、サバイバルホラー風にするのは設定的にあまりにベタだし、一方でアクション要素を高めれば主人公が強くなるので恐怖感は薄れてしまう。そこでNH2ではプレイヤーを怖がらせる要素としてそれとは別に超常現象を採用しており、「プレイヤーを怖がらせると設定された箇所でのみ怖い」というデザインになっていて、その割り切り方が上手く働いているという印象を受けた


 上記の様にNH2では廃病院という設定やゾンビが登場するという要素にはあまり頼らずに、怖がらせるシーンは独立したイベントとして行われる事が多い。パターンとしては幽霊らしき女性が登場するのもあって初代のF.E.A.R.にかなり良く似ており、突然出現する女性や、周囲の環境が突然精神世界の様に変化するという手法が主に使われている。或いはCondemnedを想わせるシーンなども出て来る。

 ホラー物として優れているのは、そのホラーイベントが(アクションを重視した)F.E.A.R.の様にたまに発生するのではなく、結構な頻度で発生するという点。そしてその怖がらせ方においてはF.E.A.R.よりもやり方が上であるという所になる。例えば一人称視点のホラー物では、プレイヤーがどちらを向いているのかが特定出来ない為に(後ろ向きに部屋に入って来たりする人も居る)、イベントの演出がやり難いという欠点がよく指摘されるが、このゲームではその点を上手く処理して怖さに繋げていると感じられた。

 その他ではAuto Scare System (A.S.S)というシステムを開発しており、これはその発生地点を限定する必要が無いタイプのイベントを、ある程度のインターバルを置いてランダムな地点でランダムなタイプの物を発動させるという方式。例えば突然体を叩かれる, 声が聞こえてくる, ライトが点滅して弱くなる, イメージが一瞬出現する等のイベントがランダムに発生する。


 フラッシュライトはLeft 4 Dead風の照射範囲が狭いタイプで、中心部分は明るくなるが周囲は暗いという方式。切れたら数秒待てば何回でもフル充電状態に戻る仕様なので困る事は少ないが、暗くなるイベントシーンでは強制的に使えなくなる。またフレアが用意されている箇所もあり、これはライトが使えない場所でも使用可能。

 進行ルートは一本道で脇道も少ない。二種類のマルチエンディングになっているが、単に最後のマップの冒頭で選択を迫られて、そこでどちらを選ぶかでのみ決定される方式。よってもう片方のやり直しも簡単。

 パズル要素は一部に含まれているが、ヒントをくれるのでそう難しくはないはず。開いたりする箇所でカーソルが変化したりといったガイドが無いので多少の探索は必要になったりもするが、動き回れる範囲が狭いのでアクセス可能なオブジェクト類を見付けるのは楽な方である。


COMBAT

*一人称視点固定
*武器は全て持ち運べる
*アイアンサイト, 左右へのリーン, カバーシステム等は持っていない
*2ndary Fireで別モードを持つ武器もある
*スプリント可能でスタミナメーターを持つ
*ヘルスはアイテム回復方式で一種類のメディキットだけが用意されている
*ヘルスの最大値は100となり、アーマーの類は存在しない

*キー設定一覧はHL2の物を流用しており、実際に使える操作はその中の一部のみ
*幾つかのオブジェクトは持って運べる(投げたり置いたりも可能)
*箱の中にはアイテム無し(だと思われる)


 武器は斧, ハンドガン, マグナム, SMG, ショットガンの5種類。武器類は見逃す可能性が無い場所に置かれているので脇道を探さなくて良いが、弾薬類は脇道に置かれている物も結構ある。NH1のリメイクとなるプロローグは独立しており、ここでの武器類や弾薬は本編には持ち越されない。

 弾薬類は十分に用意されており、サバイバルホラーの様に節約する必要は無い。実際の所このゲームでは戦闘面での恐怖を追求するつもりは無いらしく、敵が突然飛び出してくる等の「演出としての怖さ」が用意されているだけである。敵はほとんどがHL2に出て来るゾンビのスキンを変更した物となり、動き方や攻撃方法も一緒。つまり戦闘シーンはHL2と同じくアクションFPSであり、怖さを感じながら打撃武器でゾンビと戦うという風にはデザインされていない。その辺は割り切っているのだろうが、もうちょっと怖い感じの敵を出すとかして欲しかったという気はする。

 難易度普通でのプレイではメディキットも結構手に入るので難所はほぼ無い。FPSに慣れている人、また既にHL2をプレイ済みの人なら戦闘で詰まる事は無いだろう。オートセーブの間隔は短いし、自由にクイックセーブも行える。数少ない本当に暗い場所での戦闘イベントと、無限沸きで逃走するしかないシーンでそれに気が付かない時とかくらいではないか。


 変わっている特徴としてはSWATの合流というイベントが発生する。通常ホラー系のゲームでは仲間を増やす行為は恐怖感を損なうので歓迎されず、実際にこの設定を導入するかどうかはチーム内でも議論があったそうだ。個人的にはペースを変える意味でこの導入は成功していると感じられた。もともと戦闘で怖がらせるというスタンスでは無いので、味方が増えてもデメリットにはなっていない。

 部隊をコントロールするコマンドはHL2とは異なり持っていない。おそらくは無敵設定で死ぬとゲームオーバーという事はないと思う(遭遇しなかった)。合流後は敵が大量に出現するケースが増えるが、SWATはかなり強いので難易度が上昇するという事は無し(それと自分の弾節約にもなるが、そこまでしなくても十分に弾薬は有る)。


 ラスボス戦はそれまでとガラッと雰囲気が変わるので違和感あり。特定の倒し方をする必要があるので、それが解らないと弾薬やメディキットを使い果たして詰んでしまう恐れがあるが、解ってしまえばやり直してもそれ程時間は掛からない。

GRAPHICS
 特別にカスタマイズしている要素は無い模様。リアルタイムでのダイナミックライティングを実現したかったそうだが、上手く行かずに断念している。

 ホラー演出シーンでのエフェクトは良し。一方でこれはHL2のエンジンの特性によるのかもしれないが、ゾンビのスキンや建物内の雰囲気などには不気味さが足りないように思える。

 予め用意されているゴアや流血の表現はHL2相当で、特に強化したという感じではない。

SOUND
 3Dサウンドに対応している。環境音はそれ程使われておらず静かなシーンが多い。

 BGMは良い物が用意されており、これは単独でも配布されている。

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