GRAPHICS |
Unreal Engine 3をライセンスして使用。ただしレンダリング部分に関しては、水面の表現やHDR処理を含めて大きく変更している。UEの採用理由は、これまでに同エンジンを使ってゲームを製作しているからというのが大きかったようだ。 世界にリアリティを持たせる為に水の表現のリアルさについては最重視しており、この水に関するレンダリングを担当する専門のプログラマーまで置いているそうだ。その甲斐もあってか、水面表現の美しさはゲーム中でも目立つ箇所となっている。また水に濡れたタイルの表現等も良く出来ている。 Rapture内部のデザインがアール・デコ調になっているのは時代性を考慮してのアイディアだそうだが、アートとして美しいという印象を受ける物はアクションゲームとしては珍しい(Psychonauts, American McGee's Alice等)。特に内部の雰囲気描写が優れており、看板系を含めてテクスチャ類がシャープなのも良い点である。 DX10にも対応しているが、個人的にはその環境が無いので試していない。このレビューのSSもDX9での物である。 パフォーマンスという点ではその綺麗さに比較すればそれ程重くはない部類に入る。屋内中心なので視界内に大量のオブジェクト(ポリゴン)が入る事が少ないというのも理由の一つだろう。設定は大まかにLowからHighが選べるが、ゲーム内の美しいグラフィックスがRaptureの雰囲気を味わうという観点からして重要になっているので、出来れば高い設定でのプレイが望ましいのは確かだ。設定をHighからMediumにすると結構グレードが落ちる印象があり、「Highでも出来ない事はないが快適ではない」という人には難しい選択となりそうである。細かく各調整項目をいじって詰める事も必要になるだろう。 グラフィックスの設定項目は少ない方で、アンチエイリアスに対応していない点には不満の声も挙がっている。まず基本としてFP16-64bitバッファを使用した擬似的ではない”正確なHDR処理”を行う場合には、特定のビデオカードでないとAAとの併用は出来ない(例えばGeforceでは8000番台以上)。使っているビデオカードによっては外部からツールで強制的に掛ける事も可能ではあるのだが、正常なレンダリングが行われるという保証は無い。なおUE3エンジンの基本仕様としては、DX9ではAAを掛けるのはレンダリングの過程からして無理としている。 この点はBioShockだけではなく、現時点ではUE3を使用しているゲームに共通している問題となっている。ゲームを軽くする為に解像度を下げるとジャギーが目立ってしまうので、HDRを切ってAAの方を優先させたいのだがそれが出来ないという不満になるのだが、これがパッチで対応可能なのか、仕様として無理なのかについても判っていない状況である。 Blood表現は粘液状でリアリティには欠ける出来映え。死体からの流血表現も無い。Gore表現は採用されていない。 |
SOUND |
Sound Blaster X-Fi の使用を推奨しており、EAX ADVANCED HD 5.0に対応。7.1
Prologicにも設定出来る。使用APIはOpenAL。 4SP構成でEAXをONにて3Dサウンドのポジショニングは非常に正確な部類。戦闘中の敵の位置が正確に掴めるようになっているので、視界に頼らずとも動けるのは良い点である。背後からの異音等にも気が付き易い。サウンドの質もクリアなのだが、武器の音の迫力にはマシンガン等一部不満も有り。 EAXの効果としては、場所や壁との距離によってちゃんと銃声のエコーの掛かり方が変化するようになっている。また障害物を挟んだり隣の部屋から聞こえる音が遮蔽物に従って変化する点も、些細な事だがリアリティを高めている。 字幕表示は可能だが、スクロールするのではなく画面単位の切り替え方式のため、2画面以上に渡る場合にはタイミングが合わないという問題あり。後でほとんどのログは参照可能なのは親切。 |